手首の痛み｜小指側が痛い原因・治し方は？理学療法士が徹底解説

手首の痛み、特に手首の【小指側】に現れる急な痛みに不安を感じていませんか？

手首の小指側に感じる痛みの多くは「TFCC損傷」「腱鞘炎」を生じているケースが多いです。

TFCC損傷や腱鞘炎は、テニスやゴルフ、野球などの手首を使うスポーツ障害と思われがちですが、実は手首を酷使する仕事や家事に励む人にも多く見られます。

そしてもう一つ、実は多くの人の痛みの原因となっているものがあります。

放っておくと重症化し、ドアノブを捻る際など日常動作や家事にも支障が出てしまいます。

本記事では、手首の小指側の痛みの原因・注意点・治療法について理学療法士の目線から解説していきます。

記事の中では実際に自分で手首の痛みを治す方法も解説をしていますので、実践し変化を感じてみてください！

手首の小指側が痛い【3つの原因】

手首の小指側が痛い時には、以下の3つの原因が考えられます。

中でも、手首を小指方向に曲げると小指側が痛い人は①TFCC損傷になってしまっている可能性があります。

②・③の捻挫や骨折は、明らかに事故などの受傷起点があるのでわかりやすいですが、TFCC損傷は見過ごしてしまう人が多いので注意が必要です。

TFCC損傷

TFCC損傷は、手首の小指側にある組織（TFCC）に問題が生じ、痛くなる症状です。

TCFF損傷が生じる原因は、テニスやゴルフなどのスポーツ障害、重たい荷物を持つ仕事や家事で手首を酷使する、転んで手をついたなどの外傷があります。

TFCC損傷の症状は、ドアノブを回すような手首を小指側に動かす動作で痛みを生じます。

重症化すると安静にしていても痛みが生じてしまいます。

病院では、MRIの画像検査に加え、動作による痛みの位置がわかりやすいため、診察により比較的はっきり診断がつく事が多いです。

そもそもTFCCとは、Triangular Fibrocartilage Complexの略で、日本語では『三角線維軟骨複合体(さんかくせんいなんこつふくごうたい)』といいます。

TFCCを構成するものには、以下の７つがあります。

この7つが複合体となって、手首の外側を安定的に支持しています。

腱鞘炎（けんしょうえん）

手首の小指側の痛みは、腱鞘炎（けんしょうえん）である可能性も考えられます。

腱鞘炎（けんしょうえん）とは、腱と腱を包んでいる腱鞘という部分が炎症を起こして痛みや腫れを引き起こす状態のことを指します。

手首の小指側に生じる腱鞘炎は、一般的に尺側手根伸筋腱鞘炎（しゃくそくしゅこんしんきんけんしょうえん）と呼ばれます。

腱鞘炎の原因は、手首を繰り返し使ったり、手首を捻る動作を続けることで腱と腱鞘が擦れ、炎症が起こることです。スポーツや作業などで手首を酷使することが主な要因となります。

腱鞘炎の特徴的な症状として、痛みや腫れのほかに手を動かす際に引っかかる感じや動かしにくさを感じることもあります。

しかし手首の腱鞘炎では、手首の親指側が痛くなる人の割合が比較的多く、小指側が痛む人は少ないです。

※小指側では腱鞘炎であるケースは少ないので本記事では割愛しますが、腱鞘炎の原因や痛みの対処法について気になる方はこちらの記事を覗いてみてください。

骨折

転んで手をついた・事故にあったなど、受傷起点が明らかな場合は骨折も考えられます。

手首の骨折には、手首の親指側にある橈骨（とうこつ）や、小指側の尺骨（しゃっこつ）の骨折があります。

特に多いのは、手首の親指側にある橈骨の骨折で、「橈骨遠位端骨折」と呼ばれます。

手首の骨折の場合は、強い痛みや腫れ、内出血や痺れ、変形などを伴います。

重症なケースでは、手術が必要となることもあるので、早めに整形外科を受診する必要があります。

手首の小指側が痛い時の治療【おすすめマッサージ法も】

手首の小指側が痛い時には以下の3つの治療法があります。

1.テーピング

手首の小指側が痛いケースでは、手首の小指側に負担がかかっている事が考えられるため、テーピングをして手首への負担を減らします。

具体的には、手首が小指側に曲がる時に負担がかかりやすいため、手首が小指側に曲がらないように固定します。

症状が軽いケースではテーピングで痛みが改善することもありますが、あくまでテーピングは負担を減らすためのもので、治すものではありません。

なので、根本的に治すことを考えるのが重要です。

2.サポーター

サポーターもテーピングと同じで、手首が小指側に曲がる事を防いで負担を減らします。

手首の小指側が痛むときには、手首全体をサポートするサポーターが効果的です。

軽度の場合は柔軟なサポーター、痛みが強い場合は硬めの固定力があるサポーターがおすすめです。

しかし、サポーターも手首の小指側への負担を減らすためだけのものであり、治すものではないため注意が必要です。

3.ストレッチ・マッサージ【おすすめマッサージ方法】

症状が軽度の場合は、ストレッチやマッサージが効果的なケースもあります。

しかし、中には無闇なセルフケアで、逆に悪化してしまう人もいます。

特に闇雲なストレッチでは、無理な刺激を与えてしまうため、痛みが悪化するようであれば中断しましょう。

関節の動きを伴わない、マッサージの方が効果的であるケースが多いです。

手首の小指側が痛くなる【本当の原因】

ここまで、手首の小指側が痛くなる原因は筋肉や靭帯が考えられると説明をしました。

しかし、いくら治療をしても手首の痛みが治らない人がたくさんいます。

なぜでしょうか？

近年になってその理由がわかってきています。

それは手首の小指側の痛みは、筋肉や靭帯が原因ではなくて筋膜が原因であるという事です。

手首の痛み原因は筋膜？

え？筋膜が原因ですか？

って思う人もいると思います。

確かに今までは筋肉などが原因と考えられていたのですが、実は筋肉を包んでいる筋膜が原因になる可能性が高い事がわかってきているんです。

さらに筋膜は以下のように全身繋がっているため、手首の小指側が痛いからと言ってそこに原因があるとは限らず、小指側と繋がっている他の場所に原因がある事が多いんです。

なので、多くの人はいくら手首の周りをマッサージしたりしても治らないんです。

わかったかもしれませんが、まだなんとなくイメージしにくい方もいると思います。

そこで、次は実際に手首の小指側の痛みが、筋膜をほぐす事で改善したTさんの例を解説します。

【当院の改善例】手首の小指側が痛いTさんの施術

Tさんに手首のどの辺が痛いのか聞いてみました。

すると、指をさしながら手首の小指側が痛い！と教えてくれました。

次にどの動きで手首の小指側が痛いか聞いてみました。

すると痛い動きを3つ教えてくれました。

1.手首を小指側に曲げると小指側が痛い。

2.真っ直ぐ曲げても手首の小指側が痛い。

3.手のひらを床についても手首の小指側が痛い。

このように、3つの動き全てで手首の小指側が痛い状態でした。

Tさんの手首の小指側の筋膜を確認すると・・

次に、Tさんの筋膜の状態を確認しました。

すると、以下の場所に筋膜が硬くなっている場所がありました。

ここは痛みが出ている手首の小指側とは関係がなさそうですが、筋膜という薄い膜で繋がっているので、手首の小指側の痛みに影響している可能性が高いのです。

なので、この硬い筋膜を時間をかけてほぐしていきました。

すると・・・

結果はこちらをご覧ください。

先輩なので少しわざとらしいのと、最後床に手をつく動きを確認するのを忘れてしまいましたが、手首の小指側の痛みはほぼ改善しました。

先輩も喜んでくれました！

このように手首の小指側が痛い人は、繋がっている筋膜をほぐす事で痛みが改善するケースが多いです。

※筋膜の施術が痛み改善に効果的な理由については以下の記事で、さらに詳しく解説しています。

Tさんが実際に硬かった場所

手首の小指側が痛い人は、このような場所が硬くなりやすいので、実際にやって痛みが軽減するかやってみてください！

このマッサージで少しでも小指側の痛みが軽減するようであれば、あなたの手首の痛みも筋膜が原因である可能性が高いです。

手首の小指側の痛みを今すぐどうにかしたい人へ

今回紹介した対処法で手首の痛みが改善する人もいれば、あまり変わらない人もいると思います。

あまり変わらない人は、自分でやるには限界があると思いますので、私たちプロに任せてください。

実際に、当院には手首の小指側が痛い人が多く来られていますが、多くの人が1〜3回以内の施術で改善しています。

※当院の施術の特徴や３回以内で痛みの改善ができる秘訣は、下記の記事でわかりやすく解説しています。

もちろん、あなたも必ず1〜3回以内に痛みが改善するとは言い切れませんが、他の整体よりは早く改善できる自信があります。

ですので、私たちに任せてください！

少しでも気になる事がありましたら気軽にお問い合わせしてください！

投稿者プロフィール

ナガシマカホ

【青山筋膜整体　理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上　総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。

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