へバーデン結節でやってはいけないこと5選|症状悪化を防ぐ注意点を専門家が解説!

へバーデン結節 やってはいけないこと

この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)

プロ選手や箱根駅伝のケアを担当、痛みの原因に向き合う世界レベルの筋膜施術『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』を修得。整体院は全国90店舗超、「通わせない整体」として3回以内の最短で改善するアプローチを目指すプロフィール詳細→

木城先生

指の第一関節に痛みや腫れ、変形が生じるヘバーデン結節。

痛みや変形を「年のせい」と我慢して放ってしまうと、ペットボトルの蓋が開けられない、スマホ操作などの指先の細かい動きができないなど、日常に支障をきたしてしまうこともあります。

そのため、早期からの症状を悪化させないための適切な対処が求められます。

日常生活の中には、無意識のうちに関節へ負担をかけてしまう行為も少なくありません。

この記事では、体の専門家である理学療法士が、へバーデン結節の症状がある場合にやってはいけない5つのことと、痛みを和らげるためのセルフケア、具体的な治療法について解説します。

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へバーデン結節とは?

へバーデン結節は、指の第一関節(DIP関節)に生じる変形性関節症の一種です。

関節の軟骨がすり減り、骨が変形することで、痛みや腫れ、動きの制限といった症状が現れます。

指先にこぶのような膨らみができるのが特徴で、特に人差し指から小指にかけて発症しやすい傾向があります。

原因は完全には解明されていませんが、加齢や指の使いすぎ、遺伝的要因、女性ホルモンの影響などが関係していると考えられています。

指の腫れや変形、痛みが主な症状

へバーデン結節の症状は、指の第一関節に現れる腫れや赤み、曲げ伸ばしする際の痛みから始まります。

ばね指と勘違いしてしまう人もいますが、へバーデン結節では、安静にしていてもジンジンと痛むこともあり、症状が進行すると関節がこぶのように硬く腫れて変形が進みます。

この変形によって指が曲がりにくくなったり、動きの範囲が狭くなったりします。

また、関節の近くに水ぶくれのような透き通った膨らみ(ミューカスシスト・粘液嚢腫)ができる場合もあります。

痛みの度合いは個人差が大きく、強い痛みが数年間続いた後、変形だけが残って痛みは落ち着くという経過をたどるケースも少なくありません。

更年期以降の女性に多く、指の酷使も原因に

へバーデン結節の明確な原因はまだ特定されていませんが、40代以降の女性、特に更年期を迎える世代に発症が多いことが知られています。

これは、骨や関節の健康を保つ働きのある女性ホルモン(エストロゲン)が、更年期に急激に減少することが関係していると考えられています。

また、遺伝的な要因も指摘されており、母親や祖母がへバーデン結節である場合、発症しやすい傾向が見られます。

その他、仕事や趣味で指先を頻繁に使う人、例えばピアニストやパソコン作業、手芸などを日常的に行う人も、指の関節に繰り返し負担がかかるため、発症のリスクが高まるといわれています。

要注意!へバーデン結節でやってはいけない5つのこと

へバーデン結節の症状を管理し、悪化を防ぐためには、日常生活での過ごし方が非常に重要です。

良かれと思って行っている習慣が、実は関節の炎症を助長し、痛みを強くしている可能性があります。

ここでは、症状を悪化させるリスクのある「やってはいけないこと」を5つに絞って具体的に解説します。
これらの点に注意を払うことで、関節への不要な負担を減らし、症状の進行を緩やかにすることが期待できます。

① 指先に強い力がかかる動作を繰り返す

指先に強い力を込める動作は、へバーデン結節の関節に直接的な負担をかけ、症状を悪化させる主な原因となります。

例えば、固い瓶やペットボトルの蓋を開ける、雑巾を強く絞る、重いフライパンや荷物を指先で支えるといった行為は避けるべきです。

また、パソコンのキーボードを力強く叩く癖や、スマートフォンを長時間同じ指で操作し続けることも、関節への継続的な負荷となります。

これらの動作を完全に無くすことは難しいかもしれませんが、オープナーなどの便利グッズを活用したり、両手を使ったり、力の入れ方を工夫したりすることで、指先への負担を意識的に軽減させることが大切です。

② 痛む関節を、無理に曲げ伸ばしする

指がこわばるからといって、痛みがある関節を無理やり曲げ伸ばしするのは逆効果です。

痛みが強い時期は関節に炎症が起きているサインであり、この状態で無理に関節を動かすと、炎症をさらに悪化させ、軟骨の摩耗や骨の変形を助長しかねません

動かさないでいると固まってしまうのではないかと不安になるかもしれませんが、急性期のセルフケアは安静が基本です。

関節の可動域を維持するための運動やストレッチは、痛みが落ち着いている時期に、医師や理学療法士の指導のもとで適切に行う必要があります。

自己判断で痛みを我慢して動かすことは避けましょう。

③ 炎症が起きている時に、患部を温める

関節に熱感があったり、赤く腫れていたり、ズキズキと強く痛んだりする際は、炎症が起きている証拠です。

このような急性期に患部を温めると、血行が促進されてしまい、かえって炎症や腫れ、痛みを増強させてしまう可能性があります。

入浴時に湯船で温めすぎたり、カイロを当てたりする行為は控えましょう

血行を良くすることは慢性的な痛みやこわばりの緩和には有効な場合がありますが、急性期の炎症に対しては逆効果です。

炎症が起きていると感じる時は、温めるのではなく、後述するアイシング(冷却)で熱を取り、炎症を鎮めることが適切な対処法となります。

④ 自己判断でサポーターやテーピングを外す

医師の指示によってサポーターやテーピングを使用している場合、痛みが少し楽になったからといって自己判断で外すのは避けるべきです。

サポーターやテーピングは、関節のぐらつきを抑えて安定させ、外部の衝撃から守り、不要な動きを制限することで痛みを軽減する重要な役割を担っています。

これらを早計に外してしまうと、保護されていた関節に再び負担がかかり、症状がぶり返したり悪化したりする原因になります。

装着する時間や期間、就寝時に外すかどうかといった使用方法は、必ず専門家の指示に従い、自分の判断で中断しないようにしてください

⑤ 我慢して病院(整形外科)を受診しない

指の痛みや変形を「年のせいだから」「使いすぎただけ」などと自己判断し、我慢して医療機関を受診しないことは、症状を悪化させる大きな要因です。

へバーデン結節は放置すると変形が進行し、日常生活に支障をきたす可能性があります。

また、指の関節に症状が現れる病気は他にもあり、例えば関節リウマチなど、早期の治療介入が非常に重要な疾患の可能性も否定できません。

整形外科を受診すれば、正確な診断に基づいた適切な治療法や、日常生活での注意点、効果的なセルフケアについて専門的なアドバイスを受けられます。

症状に気づいたら、できるだけ早く専門医に相談することが大切です。

痛みを和らげるために日常生活で心がけたいセルフケア

へバーデン結節の症状とうまく付き合っていくためには、やってはいけないことを避けるだけでなく、痛みを和らげるためのセルフケアを積極的に日常生活に取り入れることが有効です。

少しの工夫や心がけで、指への負担を減らし、つらい症状を軽減させることが期待できます。

ここでは、今日からでも始められる具体的なセルフケアの方法を4つ紹介します。
自分に合った方法を見つけ、継続的に実践してみてください。

指への負担が軽くなる「便利グッズ」

日常生活の様々な場面で、指への負担を軽減してくれる便利グッズを活用することは、効果的なセルフケアの一つです。

例えば、固い蓋を開ける際には、てこの原理を利用したオープナーや、滑り止めのゴムシートなどを使うと、指先に込める力を大幅に減らせます。

筆記時には、グリップが太くて柔らかいペンや、補助グリップを装着することで、ペンを握る力を緩和できます。

また、料理の際には、力を入れずに使えるピーラーや、持ちやすいデザインの包丁を選ぶことも有効です。

スマートフォンの操作にはタッチペンを使用するなど、身の回りの道具を見直し、指に優しい環境を整える工夫をしましょう。

テーピングや装具で関節を保護する

テーピングや専用の装具(サポーター)を使って患部の関節を保護し、動きを適度に制限することは、痛みの軽減と症状の進行予防に役立ちます。

テーピングは関節を固定して安定させ、作業時の負担を減らす効果が期待できます。水に強いタイプを選べば、家事などの際にも使用可能です。

また、指にはめるだけのリングタイプや、指全体をカバーするサポーターなどの装具もあります。

これらはドラッグストアなどでも購入できますが、自分の症状や指のサイズに合ったものを選ぶことが重要です。

正しい巻き方や適切な製品の選択については、整形外科医や理学療法士に相談することをおすすめします。

痛みや熱感が強い場合はアイシングで冷やす

関節が赤く腫れて熱っぽかったり、ズキズキとした強い痛みを感じたりする急性期には、アイシングで患部を冷やすことが効果的です。

冷やすことで血管が収縮し、炎症や腫れ、痛みを鎮める作用が期待できます。

アイシングのやり方
  • ビニール袋に入れた氷や保冷剤などをタオルで包む。
  • 痛む関節に1回10分から15分程度を目安に当る。
  • これを1日数回繰り返します。

※冷やしすぎると凍傷になる恐れがあるため、直接肌に当てたり、長時間連続して行ったりすることは避けてください。

あくまで炎症が強い時期の応急処置として行い、慢性的な痛みには温める方が効果的な場合もあります。

バランスの取れた食生活を意識する

特定の食品がへバーデン結節を直接治すわけではありませんが、関節の健康を支えるためには、バランスの取れた食生活が重要です。

特に、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きを持つとされる大豆イソフラボンは、積極的に摂取したい栄養素です。豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品を日々の食事に取り入れるとよいでしょう。

また、体の酸化を防ぐ抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eや、骨の健康に不可欠なカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどを意識して摂取することも大切です。

これらは緑黄色野菜、果物、乳製品、小魚などに豊富に含まれています。

栄養バランスを整え、体の中から関節をサポートしましょう。

へバーデン結節の一般的な治療法(医療機関での治療)

日常生活でのセルフケアや工夫を続けても、痛みが改善しない場合や、症状が進行して生活に支障が出ている場合には、医療機関での専門的な治療が必要になります。

整形外科では、症状の段階や重症度に合わせて、薬物療法から注射、さらには手術といった様々な選択肢が用意されています。

自己判断で我慢を続けるのではなく、専門医に相談し、自分に適した治療法を検討することが、症状の緩和とQOL(生活の質)の向上につながります。

薬や注射によって痛みや炎症をコントロールする

へバーデン結節の治療法として、まずは痛みや炎症を抑える保存療法が行われるのが一般的です。

具体的には、消炎鎮痛成分を含む飲み薬や、湿布などの貼り薬、塗り薬などが用いられます。これらの外用薬は、関節の炎症を直接抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。

薬物療法で十分な効果が得られない場合や、痛みが非常に強い場合には、関節内に直接ステロイド注射を行うことがあります。

ステロイドには強力な抗炎症作用があり、速やかに痛みを軽減させる効果が見込めます。

ただし、ステロイド注射は副作用のリスクもあるため、頻繁に行うことはできず、医師が症状を見ながら慎重に判断します。

手術になるケース

様々な保存療法を試みても痛みがコントロールできず、関節の変形が著しく進行し、物をつまむ、ボタンをかけるといった日常動作に大きな支障が生じている場合、手術が治療の選択肢となります。

手術方法には、関節を動かないように固定して痛みをなくす「関節固定術」や、変形してできた骨のトゲ(骨棘)を切除する「骨棘切除術」などがあります。

関節固定術を行うと指の第一関節は曲がらなくなりますが、痛みは大幅に改善され、指の機能は安定します。

どの手術方法を選択するかは、患者の年齢、活動レベル、症状の程度などを総合的に考慮し、医師と十分に相談した上で決定されます。

へバーデン結節に関するよくある質問

ここでは、特に多く寄せられる質問について、Q&A形式で解説します。

症状を放置した場合の経過や、何科を受診すればよいか、食生活に関する疑問など、具体的な回答を通じて、ヘバーデン結節への理解を深め、適切な行動を取るための一助としてください。

Q. 症状を放置しているとどうなりますか?

へバーデン結節の症状を治療せずに放置すると、みが慢性化したり、関節の変形が進行したりする可能性があります。

痛みのピークは発症から数年で過ぎ去り、自然と和らぐことが多いですが、一度変形してしまった関節は元には戻りません。

変形が進むと、指が曲がったまま固まってしまい、指を伸ばすことが困難になる場合があります。
これにより、日常生活に不便を感じることが増えます。

早期に適切な対応を始めることで、痛みをコントロールし、変形の進行を緩やかにすることが期待できます。

Q. 何科の病院へ行けばよいのでしょうか?

指の関節の痛み、腫れ、変形といった症状がある場合に相談すべき診療科は「整形外科」です。

特に、手の疾患を専門とする「手の外科専門医」がいる医療機関であれば、より詳細な診断と専門的な治療を受けることが可能です。

また、へバーデン結節と似た症状を示す病気に関節リウマチなどがあり、これらの病気との鑑別診断も重要になります。

Q. コーヒーの摂取は症状に影響しますか?

コーヒーに含まれるカフェインが、へバーデン結節の症状を直接的に悪化させるという明確な医学的根拠は、現在のところ確立されていません。

そのため、一概にコーヒーの摂取が悪いとは言えません。

しかし、一部ではカフェインの利尿作用によって体内の水分バランスが変化することや、体質によっては何らかの影響を感じる可能性が指摘されることもあります。

へバーデン結節でやってはいけないこと【まとめ】

ヘバーデン結節の症状を悪化させないためには、指先に強い負担をかける動作を避け、痛みがあるときには無理に関節を動かさないことが基本です。

また、炎症が強い急性期には温めずに冷やす、自己判断でテーピングなどを外さない、そして症状を我慢せずに早期に整形外科を受診するといった点が重要になります。

日常生活では便利グッズを活用したり、テーピングで関節を保護したりするセルフケアが痛みの緩和に役立ちます。

これらの対策を行っても改善しない場合は、一度、専門医に相談し、自分に合った対処法を見つけ、痛みと上手に付き合っていくことが求められます。

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投稿者プロフィール

ナガシマカホ
ナガシマカホ
【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。

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