ダンベルを使って筋トレを始めたが、手首が痛くなってしまった。
ダンベルで肩や腕を鍛えたいが、手首が痛くなるから続けられない。
ダンベルで手首が痛くなったが、どう対処したら良いか分からない。
このよう悩みありませんか?
ダンベルは自宅でも手軽にできる筋トレの方法ですが、やり方次第では手首を痛める可能性もあります。
そこで、今回はダンベルを使って手首が痛くなる原因や考えられる事、対処法を解説します。
目次
ダンベルを使って手首が痛くなる原因
ダンベルを使って手首が痛くなる原因としては、おもに以下の3つが考えられます。
- ダンベルの重量が重すぎる
- 回数が多すぎる
- やり方が間違っている
それぞれ解説していきます。
ダンベルの重量が重すぎる
そもそも、ダンベルを使う目的としては、肩や腕、前腕の筋肉を鍛える事です。
ですが、自分の体格や筋肉量に適していない重すぎるダンベルを使って筋トレをしても、効果は薄いばかりか関節にかかる負担が大きく痛めてしまう可能性が高いです。
前腕を鍛えようと思うと、手首を反らしたり曲げたりしますが、ダンベルが重いと反らした際に重みに手首が耐えられず、腱や靭帯が損傷してしまうかもしれません。
また、一見手首を反らしていっても耐えられているようでも、筋肉や腱が伸びきって受動的に支えているだけで、筋肉をあまり使っていないことがあります。
たとえば、ゴムをイメージしてもらうと、限界まで伸び切るとそれ以上は容易に伸びません。
手首の筋肉もそれと同じような感じで、ダンベルの重さで筋肉が伸ばされ、それ以上伸びないところで支えているだけで、筋肉を使って支えているわけではないということですね。
肩や腕を鍛える場合でも、一見ちゃんとできているようでも、肩や腕の筋肉をあまり使わず手首の力で無理やりダンベルを持ち上げている場合もあります。
この場合も手首かかる負担が大きくなることが考えられるので、痛めてしまうことが予測されます。
回数が多すぎる
ダンベルの重さもそうですが、回数が多すぎても負担が大きいです。
特に筋トレ初心者や筋力があまり強くない方は、負荷が強すぎると耐えられません。
初心者には初心者の、慣れている人には慣れている人に適した重さや回数があり、自分に合った負荷量でトレーニングすることが大事です。
ダンベルも何も考えずに、ひたすら毎日100回していても、負荷量が強すぎると、手首には負担が大きく痛くなってしまう可能性があります。
さらに、回数が多すぎることに加えて、重さも適した重さではなく重すぎると、より負担が強くなるので注意が必要です。
やり方が間違っている
ダンベルを持ち上げるだけではありますが、正しいフォームで行わないと、関節に負担をかけている場合があります。
たとえば、前腕を鍛えようと手首を曲げたり反らしたりする場合、手首が真っ直ぐではなく、小指側に傾いていると痛みが出る可能性が高いです。
手首は大きく動く関節ですが、それだけ関節として弱い関節なので、偏った動きを繰り返すことで組織が損傷する可能性があります。
他にも、肘を曲げ伸ばしする際に、手首をひねって無理やり曲げていると、これもまた手首を痛くしてしまう可能性が高いです。
無理に重いダンベルでするのが良いわけではなく、満足に持ち上げられないと変なフォームになってしまい、関節に負担をかけることにつながります。
ダンベルを使って手首が痛くなった時に考えられる事
ダンベルを使って手首が痛くなった時に考えられる事としては、おもに以下の3つが挙げられます。
- TFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷
- 腱鞘炎
- 手根管症候群
それぞれ解説していきます。
TFCC損傷
スポーツや外傷、手首の使いすぎによって、手首の小指側の痛みを感じる代表的なものがTFCC損傷です。
TFCCとは、手首の小指側と腕の骨をつなぐ複数ある靭帯や腱の総称を指します。
手首は大きく動きますが、その反面、非常に負担がかかりやすい関節でもあります。
その手首にかかる負担を減らすクッションのような役割をTFCCが担っています。
TFCCが損傷すると、手首にかかる負担を減らせなくなり、骨や腱、靭帯同士でこすれて炎症を起こすので痛みを感じるようになります。
ダンベルを使う時、手首を手のひら側へ曲げると思いますが、小指側に傾いて曲げているとTFCCに負担がかかります。
そもそも、手首は親指側よりも小指側への動きの方が大きいので、自然と小指側へ傾いてしまうかもしれませんが、TFCCを痛める可能性があるので注意が必要でしょう。
以下のテストで手首の小指側に痛みが出現する場合、TFCC損傷の可能性が高くなります。
骨や靭帯が原因の痛みを評価するテスト(Ulnocarpal stress test)
- 手首を真っ直ぐに保つ
- そのまま手首を小指側に倒す
- 痛みが出ればTFCC損傷の可能性あり
腱鞘炎
腱鞘炎には大きく分けると、以下の2種類あります。
- 尺側手根伸筋炎
- ドケルバン病
尺側手根伸筋腱は手首の腱の中でも小指側を通る腱です。
この腱が周りの靭帯や骨とこすれたり炎症を起こすことで痛みを感じることを尺側手根伸筋腱炎と呼びます。
一方、ドケルバン病は手首の親指側にある腱鞘とそこを通過する腱に炎症が起こった状態で、腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなり、手首の親指側が痛み、腫れます。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
腱鞘とは、腱の通り道になるトンネルのような部分で、ここで靭帯や骨とすれたり炎症を起こすことで痛みを感じることをドケルバン病と呼びます。
原因としては、ドアノブを回すような手首の動きで、不慣れな作業、手を酷使する作業などが問題となります。
ダンベルを使う時にも、手首の曲げ伸ばしだけでなく、ドアノブを回すようなひねりの動きが加わっていると、腱鞘炎になる可能性が高いです。
以下のテストでそれぞれ小指側に痛みがある場合は尺側手根伸筋腱炎、親指側に痛みがある場合はドケルバン病の可能性があります。
小指側の腱鞘炎を評価するテスト(合掌回外テスト)
- 胸の前で手のひらを合わせて合掌する
- 合掌したまま、指を下に向けるように手首を動かす
- この時に痛みが出れば尺側手根伸筋腱炎の可能性あり
親指側の腱鞘炎を評価するテスト(Eichhoff test)
- 親指を人差し指から小指で握り込む
- 握り込んだまま小指側へ手首を倒す
- この時に痛みが出ればドケルバン病の可能性あり
手根管症候群
手根管とは、手のひらにある複数の小さな骨とその上を横切る靭帯とで作られるトンネルのような空間のことを指します。
手根管の中には、いくつかの腱と神経が通っており、ここが圧迫されたり、腱や神経がこすれることによる摩擦でしびれや痛みが起こることを「手根管症候群」と呼びます。
原因としては、特発性というものが多く、原因不明とされています。
妊娠・出産期や更年期の女性が多く生じるのが特徴です。
そのほか、骨折などのケガ、仕事やスポーツでの手の使いすぎ、透析をしている人などに生じます。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
ダンベルを使う場合、手首を曲げたり反らしたりするので、手根管とその中を通る腱の間では摩擦が生じます。
特に手首を反らす時には、手根管を構成する靭帯が横に引き伸ばされるため、手根管の中が狭くなります。
すると、中を通る腱や神経が圧迫、摩擦を受けやすく、手根管症候群につながる可能性があります。
以下のような症状がある場合は手根管症候群の疑いがあるので、一度整形外科を受診し診察してもらうことをお勧めします。
- 夜中から明け方にかけて強くなる痛み
- 手を使う作業、運動時に強くなる痛み
- 手を振ることで痛みが和らぐ
- 親指、人差し指、中指と薬指の親指側の痛み、しびれ
手首の痛みへの対処法
手首を痛めてしまった時の対処法としては、以下の4つが挙げられます。
- アイシング
- サポーター
- 負荷量を調整する
- 筋トレの方法を変える
それぞれ解説していきます。
アイシング
痛みがある場合、炎症が起きている可能性が高いので、炎症を抑える目的でアイシングは有効です。
ビニール袋に氷を入れ、患部を10〜20分冷やすと感覚がなくなってきますので、その時点で冷やすのをやめて大丈夫です。
サポーター
サポーターは関節の動きを制限して、動きすぎないようにすることで、痛みを出にくくしてくれます。
手首の動きが制限される分、ダンベルがしにくくなるかもしれませんが、関節に過剰に負担がかかることは避けられるので、痛くてできない場合は一度試してみる価値はあるでしょう。
負荷量を調整する
自分に合った適切な負荷や回数で行うことは、腕立て伏せに限らず、トレーニングを行う上で重要なことです。
筋トレの効果がどのようにして決まるかと言うと、総負荷量によって決まります。
総負荷量とは、「強度×回数×セット数」で決定されます。
強度とは、たとえば重りをつけて運動したり、あえて動かしにくい位置に関節を置いて運動したり、ゆっくりと運動して負荷をかけたりなどが挙げられます。
ただ、強度を上げると痛めてしまう可能性もあるので、おすすめは強度以外の回数やセット数で調整するのが良いです。
一度に多くの回数をこなさないと意味がないと思っている方もいるかもしれませんが、3つの要素のかけ算なので、回数が少なくてもセット数を増やせば同じだけの効果は得られます。
また、一般的に筋肉をつけるためには、限界の7〜8割くらいの強度で筋トレをこなす必要があるとされています。
たとえば、ダンベルを持ち上げるのが連続で10回が限界の場合、7〜8回くらいは行う必要があるということです。
ただ、それだと強度が強すぎて手首を痛めてしまう場合もあるので、上記の強度×回数×セット数に則って、回数を減らしてセット数を増やすやり方が良いでしょう。
これは手首にかかる負担を減らしながら、効果もちゃんと得られるので、お勧めの方法です。
筋トレの方法を変える
ダンベルだけが肩や腕、前腕を鍛える方法ではありません。
タンベルは重さを利用した筋トレなので、それで痛みが出るのなら重りを使わない自重トレーニングから始めるのが良いでしょう。
今回は前腕、腕、肩それぞれ鍛える自重トレーニングの方法を解説します。
前腕を鍛える自重トレーニング
- 両手を真っ直ぐに伸ばす
- 手をグーにして握り込む
- 手をパーにして開く
- 100回程度繰り返す
基本的には手をグーパーするだけで負荷量が少ないので、その分回数やセット数を増やしてトレーニングしましょう。
腕を鍛える自重トレーニング
- 両手を真っ直ぐ前に伸ばす
- 握手するように両手を組む
- 下側の手を胸に引きつけるように肘を曲げる
- 上側の手で下側の手を押し返すように力を入れる
- 肩辺りまで引きつけたら元に戻す
- 20〜30回程度繰り返す
ポイントは、押し返す力が弱すぎると効果も低くなるので、ある程度力を入れて押し返すことと肩がすくまないように注意しましょう。
肩を鍛える自重トレーニング
- 両手の親指以外を互いに胸の前で引っ掛けるように組む
- 指同士が離れないように引っ張り合う
- 10秒程度キープする
- 手を上下入れ替えて再度行う
ポイントは、これも力の入れ具体で負荷量が変わってしまうので、ある程度強く引っ張るようにしましょう。
また、引っ張る時に肩がすくまないように注意しましょう。
関連記事:手首の痛みを治した事例多数!3回以内の改善にこだわる整体院『理学ボディ』とは?
理学ボディのおすすめ
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理学ボディでは、最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
筋膜は筋肉を覆っている膜状の組織で、筋膜が硬くなると筋肉の柔軟性が低下、筋力が発揮しにくいなどが起こります。
筋膜の硬さのある場所はピンポイントで存在しているため、ストレッチやマッサージでは中々ほぐすことができません。
もし、筋膜の硬さが手首の痛みに影響しているのなら、ストレッチやマッサージをしていても中々改善することは難しいでしょう。
ですが、筋膜の施術に精通している理学ボディのセラピストなら、ピンポイントの硬さでも見つけることができます。
もし、手首の痛みがなくならなくて困っているという方は、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。
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投稿者プロフィール
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理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。
その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。
筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。