筋膜リリースのやり方について、近年では筋膜ローラーや筋膜リリースガンなど、道具を用いて行う方法が流行っています。
しかし、実際には効果的なやり方がわからず困っている人も多いのではないでしょうか?
実は、筋膜リリースは道具なしでも簡単で効果的に行える方法があるんです。
筋肉の緊張を改善し、体の不調やバランスを整える方法として、近年注目されている筋膜リリース。
忙しい日常の中でも取り入れやすい効果的な方法を、理学療法士で全国に80店舗以上の筋膜整体を展開する筋膜の専門家がお伝えします。
目次
筋膜リリースとは?基本の知識
筋膜リリースとは、身体を包み込んでいる筋膜の緊張やねじれをほぐして解消する技術です。
本来、筋膜は筋肉を保護し、その機能を支える役割を持っています。
しかし、怪我や手術で長い時間動かさないでいるとストレスがかかってしまいます。
また、誤った姿勢で長時間過ごすことで、一部分に負担がかかり異常を起こしてしまいます。
結果的に、これが筋膜のコリを引き起こし、痛みや不調、体の硬さや動かしにくさに繋がってしまいます。
これに対し筋膜リリースは、筋膜が正常に機能するように働きかけ、柔軟性や可動域の改善を可能にしてくれます。
筋膜リリースで期待できる効果は?
筋膜リリースは、主に
- 筋膜・筋肉がほぐれ、動きがスムーズになる
- 体のコリや痛みが軽減する
といった効果が期待できます。
筋膜・筋肉がほぐれて動きがスムーズになる
筋膜がほぐれると、体の動きが非常にスムーズになります。
筋膜は筋肉を1本1本包んでいる膜状の組織で、この筋膜が硬くなると当然筋肉も硬くなってしまいます。
また、筋膜は筋肉の中にある神経やセンサーも包んでいるため、筋膜に緊張が生じると、それが動きの制約に繋がります。
筋膜リリースによって筋膜をほぐすことで、筋膜が柔軟性を取り戻し、筋肉がスムーズに動くようになります。
アスリートやスポーツ選手ではとくに、動作のパフォーマンスが向上し、体がより快適に感じられるようになります。
また、足を動かしたり腕を伸ばしたりする際の抵抗感が減り、身体の使い方に対する意識も高まります。
身体のコリや痛みが軽減される
筋膜には痛みを感じるセンサーが非常に多くあるため、筋膜が固くなると痛みに繋がってしまいます。
筋膜は柔軟な組織であるため、萎縮や癒着(からまりやくっつくこと)が起こりやすい特性を持っています。
この筋膜の萎縮や癒着が、コリや痛みの原因となり、筋肉の柔軟性を低下させてしまいます。
筋膜リリースで、筋膜の萎縮や癒着を剥がしたり、擦ることで、筋膜を本来の状態に戻していきます。
これにより、痛みの緩和や柔軟性の改善が得られるため、慢性的な不快感が和らぎます。
道具(フォームローラー)を使った筋膜リリースのやり方
フォームローラーは、近年では筋膜リリースに広く使用されている道具です。
突起のついたローラーをほぐしたい部分にあて、体重をかけながらゴロゴロとほぐしていきます。
フォームローラーを使うことで、手軽に圧力をかけることができ、特定の部位をほぐすことができます。
自宅でも簡単に実施できるため、忙しい日常生活の中でも取り入れやすく、継続しやすいのが特徴です。
ローラーを使って肩甲骨まわりをほぐす方法
長時間のデスクワークなどで硬くなりやすい肩甲骨まわりの筋膜をフォームローラーを使って簡単にほぐす方法をご紹介します。
まず、フォームローラーを肩〜背中の下に置き、ゆっくりと仰向けになり両膝を立てます。
肩甲骨を中心に、圧をかけながら体重を使ってローラーを前後に動かしほぐしていきます。
この際、圧の加減には注意が必要で、無理のない範囲で行うことが重要です。
肩周囲の筋膜がほぐれることで、肩甲骨の動きが良くなり、肩こりの軽減にもつながります。
ローラーを使ってふくらはぎをほぐす方法
立ち仕事のあとのふくらはぎの張りやむくみが気になる時、また運動前のウォーミングアップの時に、ローラーを使ってふくらはぎを簡単にほぐす方法を紹介します。
長座の姿勢になり、ふくらはぎのほぐしたい部分をローラーの上に乗せます。
手を後ろにつき、圧をかけながらローラーを前後に動かし、ゆっくりとほぐしていきます。
この際、圧の加減をしながら無理のない範囲で行うことが重要です。
道具なしでできる!セルフ筋膜リリースのやり方
道具なしで行うセルフ筋膜リリースのポイントは、筋膜のコリのポイントをしっかりとおさえて行うことです。
筋膜のコリが生じている部分(=トリガーポイント)を見つけ、そのポイントをしっかりとほぐすことで、筋膜リリースの効果を最大限引き出すことができます。
これは国際的に認められているイタリア式の筋膜リリースを行っている当店だからこそ、お伝えできる方法です。
実はこの方法こそが、フォームローラーで行う筋膜リリース以上の効果を期待できます。
無闇に全身をゴロゴロとほぐしてもいまいち効果が得られないのは、ローラーではこのポイントを探すのが難しいからなんです。
肩まわりをセルフでほぐす|筋膜リリースのやり方
四十肩や五十肩の人、また長時間のデスクワークで肩周りがガチガチで動きにくくさを感じている人におすすめの筋膜リリースの方法を紹介します。
まず、肩まわりで筋膜のコリが生じやすい部分を確認します。(下記画像の黄色部分)
ここでは、とくに硬くなりやすい胸の前側の筋膜をほぐす方法をご紹介します。
鎖骨の中央より、少し外側で鎖骨の下側を指で上下や左右、斜めにマッサージをしていきます。
(※痛みのない範囲で行いましょう)
セルフでできる腰痛対策の筋膜リリース
慢性的な腰痛で悩まされている方におすすめの筋膜リリースの方法をお伝えします。
まず、腰痛で悩まされている方が硬くなりやすい筋膜のポイントを確認します。(下記画像の黄色部分)
ここでは、特に硬くなりやすい骨盤の後ろ〜股関節の外側の筋膜リリースの方法をお伝えします。
骨盤の後外側のマッサージ
骨盤の真ん中の少し外側にある骨の出っ張りを見つけます。
その骨の出っ張りの外側を指で上下、左右、斜めにマッサージをしていきます。
股関節の後外側のマッサージ
お尻を下からすくって触れる骨の出っ張りを見つけます。
その少し外側を指で上下、左右、斜めにマッサージをしていきます。
筋膜リリースを行うときの注意点とポイント
筋膜リリースを行う際には、
- 適切な時間と力加減で行う
- 水分補給を忘れずに行う
という2つの重要な注意点があります。
適切な時間と力加減で行う
筋膜リリースの効果を最大限に引き出すためには、適切な時間と力加減が非常に重要です。
初めてリリースを行う方や筋膜が硬く感じる部位では、20〜30秒程度の時間から始めるのが理想的です。
少しずつ時間を延ばし、筋膜が緩んでいく感覚を楽しみながら続けていきましょう。
また、無理な力をかけて行うと筋肉や筋膜を傷めてしまう可能性があるため、注意が必要です。
具体的には、リリースしたい部位に対して適切な圧力をかけ「痛気持ちいい」程度の圧で行いましょう。
※痛みが強く感じられる場合やはすぐに中止しましょう。
水分補給を忘れずに行う
筋膜リリースを行った後の水分補給も忘れずに行うことが重要です。
筋膜リリースにより血行が促進され、筋肉や筋膜内に蓄積された老廃物が流れ出ていく過程で水分が必要になります。
リリース後は、体内の水分が失われることがあるため、こまめに水分を摂取することが効果的です。
また、入浴後や運動後にも水分補給を行い、体の水分バランスを保つことで、筋膜の柔軟性を保てるように心がけましょう。
これにより、リリース効果をさらに実感できるようになります。
体がつらいときは、筋膜の施術に特化した整体へ
腰痛や肩こりなど、体の不調でつらいときはセルフケアにも限界があります。
そんなときは、専門家に頼るのが圧倒的におすすめです。
当院は、筋膜の施術に特化した整体で、スタッフ全員が体のプロである理学療法士の国家資格を取得しています。
さらに、当院の施術は医師と理学療法士にしか学ぶことのできない、イタリア式の筋膜リリース(正式名称は、筋膜マニピュレーション)として人気を集めています。
イタリア式の筋膜リリースは特別な技術が必要になる分、普通の筋膜リリースよりも圧倒的に筋膜がほぐれるため、痛みなどの不調を改善できる可能性も高くなります。
つまり、筋膜リリースよりも効果があるという事です。
近年になって、日本でもこのイタリア式筋膜リリースを使う人が増えてきました。
しかし未だ、日本でこの筋膜リリースを受けられる整体は、当院以外ではほぼありません。
(・筋膜リリース専門の整体院|本当に効果のある施術を解説!で詳しく解説しています)
そのため、最近ではありがたいことに来院される方が急増し、毎月予約が取りづらい状態です。
店舗によっては、来月の予約もいっぱいの状況です…!
当院にて早めに「施術」を検討される方は、ぜひ、お近くの店舗を覗いていただき、予約があるかを確認頂けると幸いです。
筋膜リリース やり方【まとめ】
筋膜リリースにはローラーなどの道具を使った方法が人気ですが、効果の面でいうと筋膜のコリのポイントを押さえた方法が最も有効です。
流行に惑わされず、本当に効果のある方法で継続することが何よりも重要です。
また、セルフケアでは限界があるので、今すぐ痛みをどうにかしたい人は一度専門家に相談するのがおすすめです。
体の不調でお困りの方は、ぜひプロの筋膜の施術を体感してみてください。
投稿者プロフィール
- 【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。
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