「ベンチプレスをしてから肩の痛みが気になる・・・」
「ベンチプレスをすると肩の付け根が痛い!」
「トレーニングを再開したいけど、大丈夫・・・?」
このようにベンチプレスによる肩の痛みや、肩の付け根の痛みで悩んでいませんか?
ベンチプレスは、前胸部や肩を鍛えるのにとても効率的なメニューです。
重量がみてわかるので、重い重量を上げられたときはモチベーションも上がりますよね。
しかし、メニューに取り入れている方が多い反面、肩・肩の付け根を痛める方も少なくありません。
肩や肩の付け根は、筋肉以外にも関節もあるので痛みがあると心配になりますよね。
結論から言うと、ベンチプレスによる肩・肩の付け根の痛みの原因は、以下の通りです。
- 肩の負担の掛かるフォームになっている
- 肩に炎症や腱の損傷などの外傷が起きている
上記のような原因を判断するためには、正しく痛みの状態を知ることが大切になります。
間違った理解や対処法は、肩の痛みを悪化させるだけではなく、トレーニング復帰までの期間を伸ばしてしまうことになります。
でも大丈夫です。
今回ご紹介する内容を確認すれば、痛みの状態を理解し、セルフケアでも改善させられる可能性があります。
本記事は、痛みと体の専門家である理学療法士が、ベンチプレスによる肩・肩の付け根の痛みをわかりやすく解説していきます。
当院は、今回ご紹介するトレーニングによる痛みも、即時的に改善することのできる筋膜リリース専門店です。
痛みを抱えてどうしたらいいかわからない!という方は、肩・肩の付け根の痛みを今すぐどうにかしたい人へをご覧ください。
また、痛みが強くて病院を受診したらいいか不安な方は、ベンチプレスの肩・肩の付け根の痛み【危険なケース】をご覧ください。
目次
ベンチプレスの肩の痛み・肩の付け根の痛み|よくあるケース
まずは、ベンチプレスで肩の痛み・肩の付け根の痛みが起こるよくあるケースについてご紹介していきます。
結論からいうと、肩・肩の付け根が痛くなってしまうのは、肩の使い方が大きく関係しています。
そもそもベンチプレスによって、肩が痛くなってしまうのは、
- 肩が自由度の高い関節で不安定になりやすい
- ベンチプレスが肩・肘を介した多関節運動種目である
- イメージで大胸筋を意識しても、肩を使っている場合が多い
上記の理由が関係しています。
今回は、より痛みの状態を理解するために初心者に起こりやすいケース、上級者に起こりやすいケースに分けて解説していきます。
初心者に起こりやすいケース
まずご紹介していくのは、初心者に起こりやすい肩の痛み・肩の付け根の痛みについてです。
初心者の定義としては、本記事内ではトレーニングを始めてから1年以内としています。
初心者に起こりやすいケースとして考えられるのは、以下のものになります。
- 肩に重量がかかっている
- バーベルを落とす位置が鎖骨付近になっている
- 上手くブリッジを組めていない
- 腕で上げることを意識してしまっている
しっかりとフォームを意識しすぎると、肩が開いてバーの位置が鎖骨に近くなってしまいます。
すると肩から腕の力で上げようとしてしまい、痛みが起きてしまうのです。
痛みを出さないためには、バーの位置を胸のあたりに来るように意識することが大切です。
上級者に起こりやすいケース
続いて上級者に起こりやすいケースです。
上級者の場合は、トレーニングにも慣れているということもあり、より負担がかかりやすい状況が多いことがあげられます。
上級者に起こりやすいケースとして考えられるのは、以下のものになります。
- 重量負荷が強く肉離れや関節の炎症がおきる
- 過度なストレスにより腱損傷
- 間違ったフォームによって関節の軌道がずれる
- 高頻度なトレーニングによって神経症状がでる
上級者における肩の痛み・肩の付け根の痛みで多いのが、使い過ぎ(オーバーユース)による問題です。
重量の負荷が高く、長期間同じ種目に取り組んでしまうと、筋肉だけではなく関節にも負担がかかってしまうのです。
肩を痛める【NGフォーム】を続けている
初心者~上級者に共通しているのが、肩を痛める間違ったフォームを続けてしまって起こる痛みです。
重要なのは間違ったフォームになっているという自覚はあまり持てないことが多いです。
肩の痛み・肩の付け根の痛みを感じる場合、見直してみることをおすすめをおすすめします。
以下のようなフォームでベンチプレスを行っている方は、肩の付け根に痛みが起こりやすい状態となっています。
- ブリッジが足りず、上手く組めていない
- 肘が45度以上開いてしまっている
- バーを胸より高い位置に下ろしている
- 肩が体に対し浮き上がるように出ている
ベンチプレスのような自由度の高い肩関節を使って、重量を扱うようなトレーニングは、正しいフォームがとても大切です。
特に肩の痛み・肩の付け根の痛みは、繰り返したり慢性化しやすいので注意が必要です。
一度覚えたフォームを修正するのは、難しいと感じるかもしれませんが大丈夫です。
本記事の後半で正しいフォームへの見直し方をご紹介しています。
【要注意】ベンチプレス肩の痛み・肩の付け根の痛み|4つの原因
肩の痛み・肩の付け根の痛みが起きた場合に考えられる4つの原因についてご紹介していきます。
今回ご紹介する内容は、以下の通りです。
- 肩鎖関節の炎症
- インピンジメント症候群
- 腱板損傷・断裂
- 上腕二頭筋長頭腱炎
今回ご紹介する疾患の中には、医療機関への受診・適切な治療が必要な緊急性のあるケースもあります。
不安な場合は、自己判断せず整形外科のある医療機関へ受診しましょう。
肩鎖関節の炎症
今回ご紹介する痛みの原因として最も多いのが、肩鎖関節の炎症です。
肩鎖関節炎は、肩甲骨と鎖骨をつなげる肩鎖関節が、使い過ぎによって炎症を起こす疾患です。
肩鎖関節炎は、広くは肩関節周囲炎ともとらえられることがあり、骨に異常がなく、靭帯や筋肉が炎症を起こしている状態を指します。
引用:マクダビッド
ベンチプレスにおいては、バーベルを持ち上げる際に体に対して腕が内側に移動する動き、水平内転という動きが起こります。
この水平内転の際に、肩鎖関節に大きな摩擦ストレスがかかります。
バーベルを持ち上げたときや前方から反対の肩に手をまわしたときに痛みがある場合は、肩鎖関節炎かもしれません。
- 痛みはおもに動作時、水平内転時に起こりやすい
- 肩鎖関節部分に圧痛もみられる
- おもな治療は、炎症を早期に抑える消炎鎮痛剤や関節内注射療法
インピンジメント症候群
続いて肩関節のインピンジメント症候群です。
インピンジメントとは、上腕骨と肩甲骨にある肩峰が衝突して起こる炎症性の疾患です。
ベンチプレスでは、腕を前方に出した状態で、手のひらを下にするようなグリップをするためインピンジメントを起こしやすいメニューでもあるんです。
同じメニューでも痛みがでる人と出ない人には特徴があります。
- 痛みがでる人、出ない人の差は、多くの場合フォームの問題
- 手のひらを下にして腕を上げると肩の付け根が痛む
- 炎症を早期に抑えることがポイントになる
- 症状が進行すると、腱板損傷にもなりやすい
腱板損傷・断裂
次に腱板損傷・断裂についてです。
肩を正常に動かすためには、腱板筋群と総称される4つの筋肉があります。
- 棘上筋
- 棘下筋
- 肩甲下筋
- 小円筋
上記の筋肉が、過度な負荷や高頻度なトレーニングによって、筋肉が切れたり断裂したりするのが腱板損傷です。
ベンチプレスに慣れてない初心者の肩の場合は、重量設定を間違うことで肩に対して急激なストレスとなり、発症します。
トレーニング上級者の方でも、オーバーユースやインピンジメント症候群から発症する場合もあるので注意が必要です。
- 四十肩、五十肩などの肩関節周囲炎に間違われやすいので注意が必要
- オーバーユースが一番の原因になる
- 腕を前方にあげてキープできなければ腱板の損傷が疑われる
- 保存療法の場合は、他の筋肉の機能を高める場合が多い
上腕二頭筋長頭腱
上腕二頭筋長頭腱炎は、上腕二頭筋の長頭の腱が過度な摩擦ストレスによって起こる炎症性の疾患です。
ベンチプレスでは、バーを持ちあげる前に肩を後ろに引くような動作が伴います。
この時に、肩の前方の組織が引き延ばされ、上腕二頭筋長頭腱にも負担がかかってしまうのが、発症の理由です。
バーに位置が鎖骨部当たりまで高くなっていたり、ブリッジがうまく組めていないなどの理由で腕に力が入ってしまいます。
また下記の画像のように、肘が外側に開いておらず内側に入っていると、肩に負担がかかりやすく発症する可能性が高まります。
引用:トレーニング教科書
- 肩より手を上にあげると痛む
- 手のひらを上にして下に押されたときに痛みがでると疑われる
- 基本的には炎症を抑えることを最優先
- 再発予防には、ストレッチやトレーニングが効果的
ベンチプレス肩の痛み・肩の付け根の痛み【危険なケース】
肩の付け根が痛い場合に、病院へ受診するべきか迷ってしまいますよね。
ここでは、肩・肩の付け根が痛い場合に考えられる危険なケースについてご紹介していきます。
基本的には、以下のような症状がある場合、すぐに医療機関を受診しましょう。
- 腕にあまり力が入らない、痺れている
- 腫れていたり、内出血をおこしている
- 肩の付け根以外にも痛みが複数個所ある
- 物を持ったり、安静時でも激しい痛みがある
ベンチプレスによる肩の痛み・肩の付け根の痛みは、原因として炎症性の疾患である場合が多いです。
受診のタイミングが遅れてしまうと、肩関節が硬くなってしまったり、力がうまく発揮できなくなってしまうケースもあるので注意が必要です。
上記のような症状に当てはまらず、痛みが軽度の方も、念のため受診することをおすすめします。
ベンチプレスで肩・肩の付け根が痛い【一般的な治療法と対処法】
ここからは、肩の付け根の痛みに効果的な対処法を5つご紹介していきます。
※患部の痛みが強かったり、腫れ、内出血などの炎症症状がある方は、一度病院を受診しましょう。
一般的な治療:痛みが強いときは安静
前提として、患部の痛みが強くて腕を動かすのがつらい、安静時も痛みがある方は、一般的な治療として正しい安静を取ることが推奨されます。
安静の際、の具体的な対処法として
- アイスバッグや保冷剤などで患部を間接的に冷やす
- 睡眠時、仰向けの時は肩の下にクッションを入れる、横向きでは患部を下側にしない
- 安静の効果を確認するために、トレーニングは行わない
を行いましょう。
アイシングの目安としては、当てている部分の感覚が少し鈍くなるくらいまで冷やせると良いです。
引用:宇部スポーツ整骨院
上記の画像のようにラップを利用してみるのも、簡単にできて効果的です。
それよりも長くやっても効果が増えるということはないので、冷やしすぎには注意しましょう。
体を柔らかくするエクササイズ
痛みが日常生活に支障をきたさない程度まで落ち着いてきたら、肩回りを柔らかくするエクササイズを行いましょう。
肩甲骨の水平伸展エクササイズ
肩甲骨周りにある広背筋、三角筋後部線維、棘下筋、小円筋に対する草サイズです。肩甲骨の可動性アップと筋のパフォーマンスアップが期待できます。
開始姿勢:ベンチでうつ伏せの姿勢
- 両手を肘を伸ばしたまま下におろす
- 手の甲が天井を向くように腕を横に持ち上げる
- 両方の肩甲骨が寄るのを感じたらゆっくりとおろす
再発予防のためのストレッチ
肩関節は自由度が高い分、不安定な特徴を持っています。
トレーニングを再開したときに、痛みが再発しないようストレッチしておきましょう。
スリーパーストレッチ
肩回りにあるインナーマッスルのストレッチです。肩後部にある腱板が柔らかくなります。
開始姿勢:横向き
引用:尾山台整形外科
- 胸の前で手を組むようにし、下側の肘を床に立てます
- 上側の手を使って、下側の肘を支点に手のひら側にゆっくりと倒します
- 肩後面が伸びるのを感じながら20秒キープ
補助種目を行う
補助種目は、メインとなるトレーニングで一緒に動く協同筋の活動を高めるトレーニングです。
補助種目を行い協同筋が安定すると、大胸筋の負担を減らすことができます。
ベンチプレスにおける協同筋は、上腕三頭筋と三角筋前部です。ほかにも僧帽筋や広背筋、大殿筋など幅広い筋肉が補助筋の対象となります。
上記の筋を鍛えるメニューとして、チェストプレスや、ダンベルサイドレイズなど比較的負荷を調整しやすいメニューがおすすめです。
サイドレイズは「肩関節のみ」関与する種目のため、負荷が逃げにくく、効率的に三角筋を鍛えられます。
三角筋は押し上げる力として関与する以外にも、バーベルの軌道をコントロールするさいにも大きく関わる部位。
つまり三角筋を鍛えることで、より安定した動作を実現できます。
引用:STEADY
マシンを使うメリットとしては、フォームが崩れにくいため、肩に対し急激な負担がかかりにくいのが特徴です。
ベンチプレスで肩を痛めるNGフォーム
ベンチプレスで肩を痛めるNGフォームは以下の3つです。
- 肩がベンチから浮いている
- バーベルの位置が胸よりも上か下に位置している
- ブリッジが不十分で腕に力が入りすぎている
ベンチプレス以外でも正しいフォームでトレーニングを行うことは、怪我の予防や効果を最大限に引き出すのにとても重要です。
関連記事:肩の痛みを治した事例多数!3回以内の改善にこだわる整体院『理学ボディ』とは?
ベンチプレスで肩を痛めない|正しいフォーム
ベンチプレスの正しいフォームは、以下の5つのポイントが重要となります。
- グリップの位置は、81cmラインに中指か人差し指か来るようにする(※手首が痛い場合は、リストラップがおすすめ)
- あごを引いて、後頭をベンチにつける
- 胸を張って、肩甲骨を内側に寄せる
- 床を足裏全体で踏ん張る
- 腕は床と垂直にし、手のひらで押すようにバーを上げる
他の人に見てもらうか、撮影しながらやってみると客観的に確認できるのでおすすめです。
肩の痛み・肩の付け根の痛みを今すぐどうにかしたい人へ
「肩の痛み・肩の付け根の痛みを今すぐなんとかしたい」
「セルフケアがなかなかうまくいかない」
このように感じている方もいらっしゃると思います。
上記のような方におすすめしたいのは、筋膜調整による体を原因から改善する方法です。
炎症や損傷などの疾患以外で肩の付け根に痛みがでる場合、姿勢や体の使い方が問題となる場合が多いです。
体には、筋肉を覆う筋膜という薄い膜があります。
この筋膜は、体の動きを円滑にするためにあるのですが、間違った体の使い方で局所的に負荷が集中し、筋膜が硬くなって痛みが起こることがあります。
当院は、痛みを引き起こすような固まった筋膜の調整に特化した、筋膜リリース専門店です。
筋膜に対して施術を行うため、痛みの改善が即時的に期待できます。
実際にどんな施術なのか、下記の動画をご覧ください。
他にもたくさんの方の痛みを改善しています。
気になる方は下記の記事をご覧ください。
さらに、当院の特徴として、施術してから卒業まで3回以内を目標としています。
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無料でご覧になれますので、ぜひ参考にしてみてください。
ベンチプレスで生じる肩の痛み・肩の付け根の痛み【まとめ】
ベンチプレスで生じる肩の痛み・肩の付け根の痛みのまとめは以下の通りです。
- 肩の痛み・肩の付け根の痛みは、間違ったフォームによるものが多い
- 炎症性の疾患の疑いがある場合は、迷わず病院へ受診
- 診断がつかないような痛みは、筋膜由来の可能性が高い
肩は、トレーニングにいても普段の生活においてもとても重要な部位です。
炎症や損傷の症状を悪化させてしまうと、トレーニング復帰までに時間がかかってしまします。
痛みやしびれ、他の症状を感じたら、迷わず医療機関を受診しましょう。
当院では、痛み以外にも体の使い方や姿勢についても丁寧にサポートしております。
ぜひお気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール
- 【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。
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