筋膜リリースボールの効果と使い方|理学療法士が選び方とおすすめを紹介!

この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)

プロ選手や箱根駅伝のケアを担当、痛みの原因に向き合う世界レベルの筋膜施術『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』を修得。整体院は全国90店舗超、「通わせない整体」として3回以内の最短で改善するアプローチを目指すプロフィール詳細→

木城先生

筋膜リリースボールは、体のコリや痛みの原因となる筋膜の癒着をほぐすためのセルフケアツールです。
マッサージボールとも呼ばれ、その手軽さから多くの人に利用されています。

この記事では、全国に100店舗ちかく店舗展開する筋膜整体の専門家が、筋膜リリースボールの本当の効果や、症状に合わせたおすすめのボールの選び方、そして部位別の具体的な使い方を詳しく解説します。
正しい知識を身につけることで、日々のセルフケアの効果を最大限に高め、体の不調を根本から改善することを目指します。

筋膜リリースボールで期待できる3つの効果

筋膜は筋肉を包む薄い膜で、全身に張り巡らされています。

長時間同じ姿勢を続けたり、筋肉を使いすぎたりすると、この筋膜が硬くなったり、周囲の組織と癒着したりして、血行不良や痛みを引き起こします

筋膜リリースボールを使って圧をかけることで、この筋膜の癒着を解放し、柔軟性を取り戻すことができます

これにより、筋肉の動きがスムーズになり、肩こりや腰痛といった不調の緩和が期待されます。

また、血行が促進されることで疲労物質の排出が促され、体の回復力が高まる効果も期待できます。

自分にぴったりの筋膜リリースボールを選ぶ【3つのポイント】

筋膜リリースボールやストレッチボールには様々な種類があり、どれを選べば良いか迷うかもしれません。

しかし、自分の体の状態や目的に合わないものを選ぶと、十分な効果が得られないばかりか、逆に体を痛めてしまう可能性もあります。

効果的かつ安全にセルフケアを行うためには、「形状」「素材・硬さ」「サイズ」という3つのポイントを総合的に考慮することが不可欠です。

これらの基準を理解し、自分のケアしたい部位や求める刺激の強さに合わせて、最適なボールを選びましょう。

ほぐしたい範囲に合わせて形状(球体・ピーナッツ型)を選ぶ

ボールの形状は、アプローチしたい部位や範囲によって選び分けます。

最も一般的な球体型は、お尻や肩甲骨周り、足裏など、特定の筋肉の硬結部(トリガーポイント)にピンポイントで深く圧をかけたい場合に適しています。

筋膜リリースボール 球型

 

一方、ピーナッツ型は中央にくぼみがあり、背骨や首、腕といった骨を避けながら、その両側にある筋肉を同時に効率よくほぐせるのが特徴です。

例えば、背骨の両脇にある脊柱起立筋をケアする場合に非常に有効です。

筋膜リリースボール 

広範囲をほぐすフォームローラーとは異なり、ボールはより局所的で深層の筋膜にアプローチできるため、目的に応じて使い分けることが望ましいです。

 

刺激の強さに合わせて素材や硬さを選ぶ

筋膜リリースボールの素材や硬さは、刺激の強さに直結するため慎重に選ぶ必要があります。

シリコンや合成ゴム製のものは硬めでしっかりとした圧を加えやすく、EVA樹脂などの素材は比較的柔らかく、初心者や痛みに敏感な人に向いています。

硬すぎるボールで無理に圧をかけると、筋肉が防御的に収縮してしまい、かえって緊張を高めてしまうことがあります

まずは少し柔らかめのものから始め、慣れてきたら徐々に硬いものへ移行するのが安全です。

また、電動の振動機能が付いたタイプは、振動刺激を介して筋肉の緊張を緩め、痛みを和らげながらリリースを促進する効果が期待できます。

ケアしたい部位や持ち運びやすさでサイズ(S・M・L)を選ぶ

ボールのサイズは、ケアしたい部位の大きさや曲面に合わせることが重要です。

直径6cm前後の小さいサイズは、足裏や手首、首の付け根といった細かい部分へのアプローチに適しており、ピンポイントで深い刺激を入れられます。

直径8〜10cm程度の中くらいのサイズは、お尻や背中、太ももなど多くの部位に使いやすく、汎用性が高いため最初に選ぶのにおすすめです。

直径10cm以上の大きめのサイズは、背中や腰などの広い面を一度にほぐしたい場合に便利で、安定感があります。

持ち運びやすさも考慮し、外出先や職場で使いたい場合は小さいサイズを選ぶなど、使用シーンに合わせて選択します。

【部位別】筋膜リリースボールの基本的な使い方

筋膜リリースボールを効果的に使用するためには、正しいやり方を理解することが大切です。

闇雲に転がすだけでは、目的の筋膜に適切にアプローチできません。ここでは、体の悩みが多い主要な部位別に、基本的な使い方を紹介します。

重要なのは、ボールを当てる正確な位置、体重のかけ方、そして呼吸を止めずにリラックスして行うことです。

痛みを感じる手前の「痛気持ちいい」と感じる程度の圧で、各部位をゆっくりと丁寧にほぐしていきましょう。

背中・腰|デスクワークによる疲れを解消

背中や肩甲骨周りのケアは、仰向けになり、ほぐしたい部分にボールを当てて行います。

膝を立てることで、お尻の上げ下げによる圧の調整が容易になります。

特に肩甲骨の内側にボールをセットし、腕をゆっくり上下させたり回したりすると、肩甲骨の動きに関わる深層の筋膜までアプローチできます。

腰の場合は、腰椎の骨に直接ボールが当たらないよう注意し、背骨のすぐ外側にある筋肉に当てます。

仰向けで膝を立てた状態でボールを当て、膝を左右にゆっくり倒すことで、腰方形筋などの硬くなりやすい筋肉を効果的にストレッチしながらリリースできます。

お尻・もも周り|座り仕事のコリをリフレッシュ

長時間座っていると硬くなりやすいお尻の筋肉(殿筋群)には、椅子か床に座った状態で行いましょう。

お尻の少し外側にあるくぼみ部分にボールを当て、体重をかけながら体を前後左右に小さく揺らします。

圧を強めたい場合は、ケアする側のお尻の足を、反対側の膝の上に乗せ(半分胡座をかいた姿勢)ると、筋肉がストレッチされた状態でより深く刺激が入ります。

太ももの裏側(ハムストリングス)は、椅子に座って太ももの下にボールを入れ、膝をゆっくり伸ばしたり曲げたりすることでリリースします。

太ももの外側は痛みが出やすいので、最初は軽めの圧から始めましょう。

ふくらはぎ・足裏|立ち仕事のむくみをケア

立ち仕事などで疲れがたまりやすいふくらはぎは、床に座って足を伸ばし、ふくらはぎの下にボールを置いてケアします。

お尻を少し浮かせて体重をかけ、アキレス腱から膝裏に向かってゆっくりとボールを転がします。

特に硬いと感じる部分で動きを止め、足首を上下に動かす(底背屈させる)と、筋膜の滑走をより促すことができます。

足裏のケアは、立った状態または座った状態でボールを踏み、土踏まずやかかと周りを中心に体重をかけながら転がします。

足底筋膜をほぐすことは、足の疲れだけでなく、全身のバランスを整える上でも重要です。

肩・首|スマホやPCによる頑固なコリにアプローチ

肩や首のコリには、壁を使ったリリースが安全で効果的です。

壁と背中の間にボールを挟み、肩甲骨の上部や内側など、凝っていると感じる部分に当てます。

膝を軽く曲げ伸ばしすることで、ボールを上下に動かし、圧の強さを調整しながらほぐします。

首の付け根(後頭下筋群)をケアする場合は、仰向けになり、首の骨を避けるようにボールを当てます。

この部位にはピーナッツ型ボールが特に適しています。

強い圧は避け、ボールに頭の重みを乗せる程度にして、ゆっくりと首を左右に倒したり、頷くように小さく動かしたりして、深層の筋肉にアプローチします。

効果を高めるために知っておきたい3つの注意点

筋膜リリースは手軽にできるセルフケアですが、方法を誤ると効果がないばかりか、体を傷つけるリスクも伴います

これから説明する3つのポイントを必ず守り、安全かつ効果的に体のコンディションを整える知識を身につけることが、セルフケアを成功させる鍵となります。

強い痛みを感じる場合は使用を中止する

筋膜リリースを行う際の圧の強さは、「痛気持ちいい」が最適な指標です。

もし鋭い痛みやしびれ、放散するような痛みを感じた場合は、神経や血管を圧迫しているか、炎症部位を刺激している可能性があるため、直ちに使用を中止してください。

強い痛みは体が危険を知らせるサインであり、我慢して続けると筋肉が防御的に収縮し、リリースどころか逆効果になります。

特に、amazonなどで手軽に購入できる野球ボールやソフトボール、テニスボール、ラクロスボール、100均のボールなどを代用する場合、専門のボールに比べて硬すぎることが多いため、圧の調整には細心の注意が必要です。

1つの部位への使用は30秒~1分程度に留める

効果を期待して長時間同じ部位に圧をかけ続けるのは避けるべきです。過度な圧迫は、局所の血行を阻害したり、筋組織や毛細血管を損傷したりする原因となります。

1つの部位に対するアプローチは、30秒から長くても90秒程度を目安にしてください。

筋膜は、ゆっくりとした持続圧に対して最もよく反応するため、この時間でも十分に組織の変化を促すことが可能です。

リラックスして深呼吸をしながら行うと、副交感神経が優位になり、筋肉がより緩みやすくなります。

1箇所を長くやるよりも、関連する複数の部位を短時間ずつケアする方が効果的です。

毎日ではなく2~3日に1回の使用頻度が理想

筋膜リリースによって刺激を受けた筋膜や筋肉の組織は、修復と回復のために一定の時間が必要です。

毎日同じ部位に強い刺激を与え続けると、微細な損傷が回復する前に新たな負担がかかり、かえって炎症を引き起こしたり、組織を硬くしてしまったりする可能性があります。

そこまで強い圧で行い場合は毎日行っても問題ありませんが、セルフケアの頻度としては、2~3日に1回程度が理想的と言われています。

ケアを行わない日は、軽いストレッチやウォーキングなど、別の方法で体を動かし、血行を促進させましょう。

自分の体の反応をよく観察し、痛みや強い疲労感が残っている場合は無理せず休むことが、長期的な改善には不可欠です。

【タイプ別】おすすめの筋膜リリースボール

これまで解説してきた選び方のポイントを踏まえ、ここでは具体的なボールのタイプを2つ紹介します。
筋膜リリースの効果を最大限に引き出すには、自分の目的や体の状態に合ったツールを選ぶことが重要です。

初心者の方から、より専門的なケアを求める方まで、それぞれのニーズに応じたボールのタイプとその特徴を解説します。
これから紹介する「球体型」と「ピーナッツ型」の利点を理解し、自分のセルフケアプランに最適なボールを見つけてください。

初心者でも使いやすい定番の球体型ボール

球体型のボールは、形状がシンプルで、体のほとんどの部位に使える高い汎用性が特徴です。

お尻や太もも、背中、足裏など、気になる部位にピンポイントでアプローチできるため、筋膜リリースを初めて行う方に最もおすすめです。

市場には様々な硬さ、素材、サイズの製品があるため、自分の体力や痛みの感じ方に合わせて選びやすいという利点もあります。

まずは、表面が滑らかで適度な弾力を持つ素材のものを選び、基本的な使い方を習得することから始めると良いでしょう。

 背骨や腕などを効率的にほぐせるピーナッツ型ボール

ピーナッツ型ボールは、2つの球体を連結させたような形状をしており、特定の部位へのアプローチに特化しています。

最大の特徴は、中央のくぼみ部分が背骨やアキレス腱などの骨の突起に当たるのを防ぎつつ、その両側に沿って走行する筋肉を同時に刺激できる点です。

これにより、背骨の両脇にある脊柱起立筋や、首の付け根、腕、ふくらはぎなどを安全かつ効率的にほぐせます。
球体型でのケアに慣れ、さらに特定の部位を集中してケアしたいと考えた際の、次のステップとして適したツールです。

筋膜ボールでも痛みや不調がよくならない人へ

手軽に自分で筋膜リリースができる一方で、痛みや不調がすでに出ている方については、筋膜ボールを活用した筋膜リリースは手軽な一方で、本来の効果はやや得られにくいのが事実です。

筋膜リリース専門店の整体では、実は筋膜リリースは手を使って行われる事が多いです。

というのも、本来の筋膜リリースの効果は、実は約1トンの重さをかけないと得られないことが科学的に明らかになっています。

しかし、これを可能にするのが、ポイントを押さえて手で行う手法です。

この本来の筋膜リリースはイタリアで開発されたもので、実は医師と理学療法士しか学ぶことができない手法になります。

そのため、ニセモノがかなり多く、質が低い筋膜リリースが多く世の中で出回っているのも事実です。

筋膜リリースイタリア式 修了証

この筋膜調整を日本でできる人はかなり少ないですが、当院のスタッフは全員が行う事ができるため、筋膜リリース専門店として展開してています。

もし、セルフケアでも体の痛みや不調がよくならない人は、ぜひ当院へ一度ご相談ください。

\通わない整体/
3回以内の改善を目指す
理学ボディの店舗を
確認してみる

まとめ

筋膜リリースボールは、筋膜の癒着を解消することで血行を促進し、筋肉の柔軟性を高め、体の痛みを緩和する効果が期待できる優れたセルフケアツールです。

ボールを選ぶ際には、ほぐしたい範囲に応じた「形状」、求める刺激に合わせた「素材・硬さ」、そしてケアする部位に適した「サイズ」の3点を考慮することが重要です。

使用する際は、強い痛みを避け「痛気持ちいい」と感じる圧で、1部位あたり30秒~90秒、2~3日に1回の頻度を目安に行います。

これらの基本的な知識を基に、日々の生活に筋膜リリースを取り入れることで、自身の体のコンディションを効果的に保つことが可能になります。

投稿者プロフィール

ナガシマカホ
ナガシマカホ
【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。

私たちの経験から、あなたの症状を改善させるための動画をプレゼントしています。

完全無料ですが、痛み改善に効果的な方法をお伝えしていますので、ぜひお受け取りください!

 

当院の施術【筋膜整体】で良くなったケース(動画)

当院のお客様の声

 

【各店舗の住所や地図も確認できます】