「朝起きた最初の一歩が痛い」「長く歩けない」――そのつらい足底腱膜炎の痛みにお困りの方へ。
足底腱膜炎は、適切な知識と治療があれば高い確率で改善が見込める疾患です。
しかし、対処法を間違えたり、痛みを我慢したりすると慢性化し、スポーツや趣味どころか、日常生活の質(QOL)を著しく低下させてしまいます。
本記事では、体の専門家であり、筋膜の施術を専門とする理学療法士が、医学的根拠に基づき、足底腱膜炎の改善までの道のりを具体的に解説します。
ご自宅でできる効果的なセルフケア(ストレッチ・トレーニング)から、整形外科で受ける最新の治療法(体外衝撃波など)、そして根本原因となりうる筋膜へのアプローチまで、すべて網羅しています。
どこで、何をすれば良いのか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
足底腱膜炎の治し方をまとめたYouTubeチャンネルもぜひ合わせてご活用ください。
目次
足底腱膜炎(足底筋膜炎)とは?
足底腱膜炎とは、足裏の指の付け根からかかとまでの足底腱膜が炎症を起こす病気です。
(※場合によっては足底筋膜炎と言われることもありますが、2つの違いについてはこちらの記事をご参照ください。)
加齢や過度な運動時に足底の筋(腱)膜に傷がつくことにより、痛みが生じます。
スポーツをする若者や、加齢に伴いふくらはぎやアキレス腱が硬くなる40~50代の方に多くみられる症状です。
足底腱膜炎の原因ーなぜ、炎症が起こるのか?
足底腱膜は、歩行や走行時に地面からの衝撃を吸収する足のアーチ構造(クッション機能)を支える重要な役割を担っています。
この足底腱膜に、繰り返し過度な引っ張りや圧迫の負荷がかかることで微細な損傷が生じ、炎症が起こります。主な原因は以下の通りです。
① 過度な負荷(使いすぎ):
- 長時間の立ち仕事、長時間の歩行や走行。
- 急に激しい運動を始めたことによる負荷の増加。
② 身体構造の問題:
- 加齢による脚の筋力や柔軟性の低下。
- 足のアーチが高すぎる(ハイアーチ)または低すぎる(扁平足)など、足部の構造的異常。
③ 環境要因:
- 合わない靴(薄い靴底、ハイヒールなど)の着用。
- 肥満(体重の増加)による足への負担増大。
足底腱膜炎の症状ー見逃せない3つ
足底腱膜炎の最も特徴的な症状は、以下の3点です。
① 朝起きた直後の痛み:
夜間の安静で足底腱膜が縮んだ状態から、体重をかけることで急激に引っ張られ、強い痛みを感じます。
② 動き始めの痛み:
しばらく座っていて、立ち上がって歩き出す最初の一歩で痛みを感じますが、しばらく歩き続けると痛みが治まることがあります。
③ かかとの内側の圧痛(圧痛点):
かかとの骨の内側の端を押すと強い痛み(圧痛)を感じます。
足底腱膜炎で、やってはいけないこと【要注意】
足底腱膜炎の場合、痛みを悪化させたり、治癒を遅らせたりする行動があるので要注意です。早期改善を目指すなら、必ず以下の点に注意してください。
① 痛みを我慢して運動や活動を続ける
足底腱膜炎は、足底腱膜に炎症が起きている状態です。炎症が起きている急性期に、痛みを我慢してランニングや激しい運動を続けるのは最も危険な行為です。
炎症が慢性化すると、治るまでに数ヶ月〜1年以上かかる原因となります。
【対処】 痛みが強い期間は、運動量を減らすか、完全に中止し、安静を最優先にしてください。
② 足に合わない靴を履き続ける(特に底が薄い靴やヒール)
足底腱膜は、衝撃吸収のクッションの役割を果たしています。
靴底が薄すぎる靴や、クッション性がない靴は、地面からの衝撃がダイレクトに足底腱膜に伝わり、炎症を悪化させます。
また、ハイヒールなどのヒールが高い靴も、足底腱膜を常に緊張させ、炎症部位に負担をかけ続けます。
【対処】 かかとのクッション性が高く、足のアーチを適切にサポートしてくれる、フィット感の良いウォーキングシューズなどに切り替えてください。
③ 痛い部分を強く揉みすぎる
痛みがある部分(かかとの付け根など)を指で強く揉んだり、ボールでゴリゴリと強く押し付けすぎたりすると、かえって炎症を悪化させる可能性があります。
【対処】 痛みが強い急性期は、炎症を抑えるためにアイシング(患部を冷やすこと)が有効です。マッサージは、炎症が落ち着いてから、専門家の指導のもとで適切な部位に行いましょう。
自宅で出来るセルフケア|ストレッチとトレーニング
足底腱膜炎の保存療法において、最も効果が期待できるのが、理学療法士が指導する運動療法(リハビリテーション)です。ここでは、現場でも推奨しているセルフケアの方法を解説します。
(※痛みが強い場合は無理に行わず、まずは整形外科を受診しましょう。)
セルフストレッチ(ふくらはぎの柔軟性確保が最重要)
足底腱膜炎の予防には、足裏の筋肉・筋膜を柔軟に保つための適切なストレッチが大切です。
理学療法士の目線から日頃取り入れて欲しい、足裏のストレッチとふくらはぎのストレッチを紹介します。
ふくらはぎのストレッチ(下腿三頭筋)
足底腱膜炎の根本原因の多くは、アキレス腱を介してつながるふくらはぎ(下腿三頭筋)の硬さにあります。ここが硬いと、歩くたびに足底腱膜が引っ張られ、負担がかかり続けます。
- 壁に手をつき、片足を後ろに置く
- 人差し指を軸につま先をまっすぐにし、かかとを浮かさないよう膝を伸ばす
- その状態で身体を適度に反らす
- 逆足も同様に行う
足底腱膜(足裏)のストレッチ
足底腱膜のストレッチ方法は、以下のとおりです。
- 足の裏全体を広げて地面にフラットに置く
- つま先をゆっくりと身体の方向に引き寄せる動きを繰り返す
このほかにも、ソフトボールやテニスボールを使って足底を転がすストレッチも効果があります。
これらのストレッチによって足底腱膜の緊張を和らげ、筋肉の柔軟性を高めることで足底筋膜炎の発症リスクが期待できるでしょう。
運動前後のストレッチは、特に効果的です。
足底のセルフトレーニング(アーチ構造の強化)
足底を鍛えることで、衝撃吸収機能を高め、足底腱膜への負担を減らします。
足底を鍛える運動で、代表的な運動を2つ紹介します。
グー・チョキ・パー運動
足底腱膜炎の1つ目の予防法として、グー・チョキ・パー運動がおすすめです。
足の指を大きく動かすことで、足指や足裏の動きをスムーズにし、足底腱膜への適度な刺激を与えます。
- 足首を伸ばした状態で足指をグー、チョキ、パーの順で動かす
- グーでは足指を曲げる
- チョキでは広げる
- パーでは最大限に伸ばす
- 20回繰り返す
足底腱膜への適度な刺激が加わることで、筋膜が適度に伸びて痛みの予防が可能です。
寝る前や運動前にこのエクササイズをすることで、足指や足裏の動きがスムーズになり予防につながります。
タオルギャザー
足底腱膜炎の2つ目の予防法が、タオルギャザーです。この運動は足底内在筋を効果的に刺激し、失われた足のアーチ機能をサポートします。
- 床にタオルを広げ、タオルの端に足を置く
- 足の指を曲げ伸ばし(グー)しながら、タオルをたぐり寄せ、足元に引き寄せる
- これを数回繰り返す
足底腱膜が硬くなってしまうと、足底腱膜炎を引き起こす可能性があるため柔軟な状態をキープすることが重要です。
適度な運動によって、筋力を保つことも忘れずに行いましょう。
日々の生活のなかで少しの工夫と注意を払うことで、足底腱膜炎の予防につながります。
足底炎の腱膜炎のセルフケア|セルフマッサージ
ストレッチではなかなかほぐせない、腱膜の硬さを解消するにはマッサージがおすすめです。
足底腱膜炎の痛みを抱える方の場合、以下の図の丸で示した部分の筋・腱膜の硬さが痛みにつながっているケースがとても多いです。
当院で実際に行なっている筋膜マッサージで、セルフでも行える方法を数種類ご紹介していきます。ぜひ、実践してみてください。
足底腱膜炎の治し方【ふくらはぎの外側のマッサージ】
膝の斜め下にある出っ張った骨と外くるぶしを結んだ線上1/3の位置にある部分を探します。
その骨の後ろ側を、指で上下にマッサージしていきます。
※この時骨をゴリゴリしないを注意してください。
足底腱膜炎【ふくらはぎの内側のマッサージ】
ふくらはぎの内側の筋肉の盛り上がりがなくなった部分を探します。
その部分を指で上下にマッサージしていきます。
※この時骨をゴリゴリしないを注意してください。
足底腱膜炎【足の外側のマッサージ】
足の指を反らせると脚の外側にポコッと出てくる筋肉を探します。
その筋肉の上を指で上下・斜め・左右にマッサージしていきます。
足底腱膜炎の一般的な治療法と治癒の目安
セルフケアを行っても痛みが引かない場合は、整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
足底腱膜炎の一般的な治療法は、以下のとおりです。
- 薬物療法・安静
- リハビリテーション
- 体外衝撃波治療
- 装具療法
- 手術
治癒までの期間の目安
足底腱膜炎の治癒には時間がかかることが多く、多くの場合、数週間から数ヶ月(3〜6ヶ月)の保存療法が必要となります。慢性化させないためには、治療を途中で諦めないことが大切です。
足底腱膜炎の治し方:薬物療法・安静
足底腱膜炎のおもな治療法として、特に発症直後では薬物療法や安静が重要です。
薬物療法とは、抗炎症効果のある薬を使用する方法です。
薬によって炎症を抑え、足底筋膜の痛みを和らげることが期待できます。
足底筋膜炎は、過度な運動や立ち仕事などで足に負担がかかった場合に発症することが多いため、負担を緩和するためには足を十分に休ませることが必要です。
ただし、完全な安静も逆に筋肉が硬くなる原因になるため、適度な運動を心がけましょう。
足底腱膜炎の治し方:リハビリテーション(理学療法)
炎症が落ち着いた段階で、整形外科クリニックなどで理学療法士によるリハビリテーションが開始されます。
理学療法士は、単にストレッチ指導をするだけでなく、足裏の使い方や立ち方・歩き方の癖(動作エラー)を分析し、足底腱膜炎になってしまった根本的な原因を探ります。
このような体の使い方のエラーを分析できるのも、体のプロである理学療法士の強みでもあります。
足底腱膜炎の治し方:体外衝撃波治療
6ヶ月以上の保存療法で効果が見られない難治性の足底腱膜炎に対し、近年特に注目されているのが体外衝撃波治療です。
特定の領域に高エネルギーの衝撃波を送り込むことにより、炎症を抑制し痛みを和らげます。
さらに衝撃波は、新たな血管形成を促進して組織の再生を助ける作用がある点も特徴です。
治療は日帰りで、痛みは少ないという利点もあります。ただし、全ての患者さんに効果があるわけではありません。
その効果を最大限に引き出すためには、適切な使用法や症状に応じた設定が重要です。
足底筋腱炎の治し方:装具療法(インソール・夜間副子)
専用のシューズインソール(足底板)や、寝ている間に装着する夜間副子(ナイトスプリント)を用いて、足部を適切な位置に保持し、腱膜への負荷を減少させ、治癒を促進します。
仕事や何らかの都合で、なかなか安静にできない場合などにも装具を勧められることがあります。
しかし、装具の着用は根本改善にはつながりません。まずは炎症の原因を見極めて、適切な対処をとることが重要です。
足底腱膜炎の治し方:手術(最後の手段)
足底腱膜炎の治療は、おもに保存療法が優先されます。痛みを和らげるためのアイシングやOTCの痛み止めが用いられることが多いでしょう。
手術は最後の手段と考えられており、ほかの治療法が効果を示さない持続的な疼痛の場合にのみ検討されます。
一般には足底腱膜の部分的な除去や、あるいは足底筋膜からカルカネウス骨(踵)を解放する手術が実施されます。
ただしリハビリが必須となるため、病状や生活スタイルによっては手術を避けるほうが良い場合もあるでしょう。
足底腱膜炎の痛みに筋膜リリースがおすすめの理由
なぜ、一般的な整形外科の治療のほかに、私たち理学療法士が筋膜の施術にこだわるのか。
それは、長引く足底腱膜炎の真の原因が、足裏だけでなく、ふくらはぎや体幹を含む全身の筋膜の硬さにあることが非常に多いためです。
足底腱膜炎と全身の筋膜の連鎖
足底腱膜は、ふくらはぎや太ももの裏、さらには背中の筋膜と筋膜のつながり(アナトミートレイン)で連動しています。
例えば、ふくらはぎの外側の筋膜が硬くなると、それが原因で足のアーチが崩れ、結果として足底腱膜に過剰な負担がかかることがあります。
単に痛い足裏だけを揉んでも、根本の硬さを解消しなければ、痛みは再発してしまいます。
ただし一般的な筋膜リリースはNG【イタリア式こそ効果あり】
ここで注意したのが、一般的なリラクゼーション目的の筋膜リリースではあまり効果が期待できないという点です。
一般的な筋膜リリースは、どこに異常があるかわからずに行うため、広範囲にほぐすことはできますが痛みの改善には効果が低いです。
これに対し、イタリア式の筋膜の施術(筋膜マニュピレーション)は、筋膜の異常が起きているポイントを探してから、局所的にアプローチを行い異常を改善します。
- 一般的な筋膜リリース:広範囲をほぐすことはできるが痛み改善には不向き
- イタリア式の筋膜施術:異常となる部位を探してから行うので痛み改善に有効
この特別な手技が学べるのは医師と理学療法士のみ限定されており、全国でも施術が受けられる店舗は数が限れています。
日本では、私たちの整体院『理学ボディ』でこの筋膜の施術を提供しています。
日本でも珍しい理学療法士しかいない整体です。
もちろんイタリア式の筋膜の施術をスタッフ全員が習得しており、行う事ができます。
足底腱膜炎の痛みを【3回以内】に改善する整体
多くの整体が長期間の通院を前提としている中、私たちは、この専門的な筋膜の施術により、なるべく最短で痛みや不調の改善を目指しています。
実際に、足底腱膜炎の痛みが改善した方も多数いらっしゃいます。
他にも、当院の施術の特徴や3回以内で痛みの改善ができる秘訣は、
「下記の記事(↓)」でわかりやすく解説しています。
ぜひ、参考にしてみてください。
関連記事:事例多数!3回以内の改善にこだわる整体院『理学ボディ』とは?
足底腱膜炎の治し方は?【まとめ】
足底腱膜炎は、普段から歩く・立つときに負荷のかかる足底の筋(腱)膜が炎症を起こすことで生じる疾患です。
男女、年齢問わず、誰にでも痛みが出る可能性があります。
一般的には、湿布を貼る、リハビリテーションを行うなどの治療法で回復が可能です。
しかし、症状が重い場合は手術が必要になることもあるため、痛みが続く場合は担当の医師へ早めに相談しましょう。
足底腱膜炎は、一度痛みが出てしまうと病院や整体、接骨院で治療を行う必要があります。
痛みが出る前に、日頃から簡単に行うことのできるストレッチやトレーニングを取り入れていくことがおすすめです。
少しの時間で取り組めるため、早速今日から取り入れてみてはいかがでしょうか。
足底腱膜炎のよくある質問
足底筋膜炎と足底腱膜炎の違いはなんですか?
「足底筋膜炎」と「足底腱膜炎」は同じ疾患を指しますが、呼び方が異なります。
足裏のかかとから指先までを覆う膜状の組織は「足底腱膜」と呼ばれ、これに炎症が生じると「足底腱膜炎」となります。
日本足の外科学会では正確な用語として「足底腱膜炎」を推奨していますが、一般的には「足底筋膜炎」とも呼ばれ、混同されることが多いです。
足底腱膜炎の痛みが治るまでの期間はどれくらいですか?
個人差がありますが、適切な保存療法(安静、リハビリ、インソールなど)を続けた場合、多くは3〜6ヶ月程度で改善します。ただし、痛みを我慢して運動を続けていると慢性化し、1年以上かかるケースもあります。根気強く治療を続けることが大切です。
病院に行く目安(重症度)は?
以下の症状が見られる場合は、なるべく早めに整形外科を受診してください。
- 朝の痛みが1週間以上続いている。
- 痛みのせいで、日常生活(通勤、買い物など)に支障が出ている。
- 歩き始めだけでなく、長時間歩いている間も痛みが続く。
投稿者プロフィール

- 【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・東京都の高齢福祉事業など分野問わず活動中。


木城先生


















