筋膜リリースローラーの効果的な使い方|おすすめ商品・選び方まで理学療法士が解説!

筋膜リリースローラー

この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)

プロ選手や箱根駅伝のケアを担当、痛みの原因に向き合う世界レベルの筋膜施術『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』を修得。整体院は全国90店舗超、「通わせない整体」として3回以内の最短で改善するアプローチを目指すプロフィール詳細→

木城先生

フォームローラーとも呼ばれる筋膜リリースローラーは、体のコリや疲労を手軽にケアできるアイテムです。

今では様々な種類がありますが、どれを選びどのように使うべきか、いまいちわからない人も多いのではないでしょうか。

この記事では全国に100店舗ちかく店舗展開する筋膜整体の専門家が、ローラーを使った筋膜リリースの効果から、初心者でも分かりやすい部位別の使い方、自分に合ったおすすめのローラーの選び方までを解説します。

そもそも筋膜リリースローラーとは?

筋膜リリースローラーとは、体の重みを利用して筋肉を覆っている「筋膜」の緊張や癒着をほぐすためのセルフケア用品です。

フォームローラーや筋膜リリースローラーとも呼ばれ、円筒状の本体の上で体を動かすことで、まるでマッサージ師に施術されているかのような圧をかけることができます。

スティック状で手で持って使うタイプや、電動で振動するものなど種類は様々で、気になる部分にコロコロと転がすだけで手軽にケアできるのが特徴です。

筋膜の癒着をほぐすためのセルフケアアイテム

筋膜は、筋肉や内臓などを包み込む薄い膜組織で、全身に張り巡らされています。

長時間同じ姿勢でいたり、特定の筋肉を使いすぎたりすると、この筋膜が硬くなったり、周りの組織と癒着したりすることがあります。

この状態が、体のコリや痛みの原因の一つです。

筋膜リリースローラーは、体重をかけて圧迫しながら転がすことで、この癒着した部分を解放し、筋肉の柔軟性を取り戻すサポートをします。

単に筋肉を伸ばすストレッチとは異なり、筋膜そのものにアプローチすることで、より根本的なコンディション改善が期待できます。

 

筋膜リリースローラーの4つの効果

筋膜リリースローラーを使った筋膜リリースの効果は大きく4つ考えられます。

第一に、肩こりや首こり、腰痛といった慢性的な痛みの緩和が期待できます。筋膜の癒着をほぐすことで血行が促進され、痛みの原因となる物質の排出を助けるからです。

第二に、姿勢の改善です。猫背や巻き肩の原因となる胸や背中周りの筋肉の緊張を緩めることで、自然と正しい姿勢を保ちやすくなります。

第三に、関節の動き(可動域)が広がり、運動パフォーマンスの向上が見込めます。

第四に、血流やリンパの流れがスムーズになることで、脚やせやくびれ作りなど、ダイエットの補助としても役立ちます。

 

【部位別】筋膜リリースローラーの基本的な使い方

筋膜リリースローラーの効果を実感するためには、正しいやり方をマスターすることが不可欠です。
ここでは、特にケアしたい方が多い人気の部位別に、基本的な使い方を解説します。

太もも(前側・裏側)を効果的にほぐす方法

下半身の中でも特に張りやすい太ももは、前側と裏側でアプローチ方法が異なります。

前もも(大腿四頭筋)をほぐす際は、うつ伏せになり、ローラーを太ももの下に置きます。両肘を床について体を支えながら、膝の少し上から股関節の付け根までゆっくりとローラーを転がします。

裏側のハムストリングをほぐす場合は、床に座り、両手で体を支えながら脚を伸ばし、太ももの下にローラーを設置します。お尻を少し浮かせて、膝裏からお尻の付け根にかけてローラーを動かします。

脚や足全体の疲労回復に効果的です。

パンパンになったふくらはぎをスッキリさせる方法

立ち仕事や歩きすぎでパンパンになったふくらはぎのケアにも、筋膜リリースローラーは有効です。

床に座り、片方の脚を伸ばしてふくらはぎの下にローラーを置きます。
両手で体を支えながらお尻を少し浮かせ、体重をかけながら足首から膝裏にかけてゆっくりとローラーを転がしてください。

反対の脚を組むように乗せると、より圧を強めることができます。
また、小さいサイズのローラーを使えば、座ったまま足裏をコロコロと刺激することも可能で、足全体の疲れを取るのに役立ちます。

※より詳しいふくらはぎのほぐし方は、「ふくらはぎの筋膜リリースのやり方」でも紹介しています。

 

お尻周りの筋肉をしっかり緩める方法

デスクワークなどで長時間座っていると、お尻周りの筋肉は硬くなりがちです。

この部分をほぐすには、まずローラーの上にお尻を乗せて座ります。両手は後ろの床について体を支え、膝を軽く曲げましょう。

片方のお尻に体重をかけるように少し体を傾け、お尻全体をゆっくりとローリングします。

特に痛気持ちいいと感じる場所があれば、そこで動きを止めて数秒間圧をかけるのも効果的です。お尻周りの筋肉を緩めることで、腰の負担軽減にもつながります。

 

背中から腰にかけてのコリを和らげる方法

背中の広い範囲をほぐすには、ローラーを横向きに床へ置き、肩甲骨の下あたりに乗るように仰向けになります。

両膝を立て、足で床を押しながら体を上下に動かし、肩甲骨周りから背中の中央部までをローリングします。

腕を頭の上で組んだり胸の前で交差させたりすると、肩甲骨が開き、より深く刺激が入ります。

ただし、背骨に直接ローラーを当てると痛める可能性があるため、腰痛がある場合は腰の筋肉の側面をほぐす程度に留めましょう

首や肩、胸、腕など上半身の様々な部位のケアに応用できます。

背中の筋膜リリースのやり方腰痛の人に効果的な方法や注意点もぜひ覗いてみてください。

 効果を最大限に引き出すための3つのポイント

筋膜リリースローラーをただ使うだけではなく、適切な使用時間や圧の加え方、そして使用する頻度を知ることが重要です。

特に初心者のうちは、早く効果を出したいからと無理をしがちですが、かえって体を痛める原因にもなりかねません。ここで紹介するポイントを参考に、毎日少しずつでも継続してケアを行いましょう。

1つの部位につき30秒~90秒を目安にする

筋膜リリースを行う際、1つの部位にかける時間は30秒から長くても90秒程度を目安にしましょう。

ゆっくりとした呼吸を意識しながら、ローラーを1往復させるのに10秒ほどかけるペースが理想的です。

長時間同じ部位を刺激しすぎると、筋肉の繊維や周辺組織を傷つけてしまい、逆効果になることがあります。「やりすぎ」は、もみ返しのような痛みを引き起こす原因にもなるため注意が必要です。

複数の部位をケアする場合でも、1箇所あたりの時間を守り、全体で10分程度に収めるのがおすすめです。

痛みを感じる場合は、圧を調整する

筋膜が癒着している部分は、ローラーで圧をかけると痛みを感じることがあります。しかし、「痛いほど効く」というわけではありません。

強すぎる痛みは体が防御反応を起こして筋肉が逆に緊張してしまったり(防御性収縮)、組織を損傷させたりする恐れがあります。理想は「痛気持ちいい」と感じる程度の圧です。

もし強い痛みを感じる場合は、手や足で体を支える力を強くしてローラーにかかる体重を減らすなど、圧を調整してみましょう。

無理のない範囲で継続することが、安全かつ効果的なケアにつながります。

運動前後のウォーミングアップやクールダウンに最適

筋膜リリースローラーは、いつ使うかによっても得られる効果が変わります。

運動前に行うと、筋肉の柔軟性が高まり関節の可動域が広がるため、パフォーマンスの向上や怪我の予防につながるウォーミングアップとして最適です。

一方、運動後のクールダウンとして取り入れると、疲労した筋肉の回復を促進し、筋肉痛を和らげる効果が期待できます。

また、特に入浴後など体が温まっている時間帯は、筋膜がほぐれやすいためおすすめです。

就寝前に行えば、リラックス効果で睡眠の質を高める助けにもなります。

自分に合った筋膜リリースローラーの選び方【専門家が推奨】

筋膜リリースローラーには様々な種類があり、どれを選べば良いか迷うかもしれません。

表面の形状、素材の硬さ、そして本体のサイズという3つのポイントに注目して比較検討することで、自分の目的や体の状態に最適な一本を見つけることができます。

これから紹介する選び方のポイントを参考にして、効果的なセルフケアを始めましょう。

ポイント1:表面の凹凸の形状で選ぶ

ローラー表面の形状は、刺激の入り方を左右する重要な要素です。
大きく分けて、表面がフラットなタイプと凹凸があるタイプの2種類があります。

フラットなタイプは、圧が均一にかかるため、広範囲を優しくほぐすのに適しており、初心者におすすめです。
一方、凹凸があるタイプは、指圧のようなピンポイントでの刺激が可能です。
特にトリガーポイントを狙って深い部分の癒着をほぐしたい上級者や、強い刺激を求める方に適した形です。

凹凸の大きさや形によっても刺激の強さが変わるため、自分の好みに合わせて選びましょう。

ポイント2:刺激の強さが変わる素材の硬さで選ぶ

筋膜リリースローラーの素材は、主にEVAやポリエチレンなどが使われており、その硬さによって刺激の強さが大きく異なります。

初心者の人や痛みに敏感な人は、クッション性が高く、体重をかけても沈み込むような柔らかい素材のものから始めると良いでしょう。

体が慣れてきたり、より強い刺激が欲しくなったりしたら、少しずつ硬い素材のものへ移行するのがおすすめです。

硬い素材は変形しにくいため、体重をかけても安定して深層部の筋肉にアプローチできますが、使い方を間違えると体を痛める可能性もあるため注意が必要です。

ポイント3:使いたい部位に合わせたサイズで選ぶ

ローラーのサイズは、長さや直径によって使い勝手が変わります。

背中や太ももなど広い範囲を一度にケアしたい場合は、長さ60cm以上の標準サイズやロングタイプが安定していて使いやすいです。

一方、ふくらはぎや腕、足裏など特定の部位を集中的にケアしたい場合は、長さ30cm程度のコンパクトな小さいサイズが小回りが利いて便利です。

小さいものは持ち運びにも適しているため、職場や旅行先で使いたい場合にも重宝します。
直径は、一般的に太いほど安定感が増し、細いほどピンポイントな刺激を与えやすくなります。

【目的別】おすすめの筋膜リリースローラーを紹介

ここまでの選び方を踏まえ、具体的にどのようなローラーがあるのか、目的別に紹介します。

市場にはAmazonなどで手軽に購入できるものから、トリガーポイント(TRIGGERPOINT)のような有名ブランドの高機能なものまで多種多様な商品が存在します。

自分のレベルや目的に合わせて、「初心者向け」「全身ケア向け」「上級者向け」の3つのタイプから、最適な一本を見つける参考にしてください。

初心者でも使いやすい【ソフトタイプ】

初めて筋膜リリースに挑戦する方や、痛みに不安がある方には、ソフトタイプのローラーが最適です。

このタイプは、クッション性の高い柔らかめの素材で作られており、表面の凹凸が少ないか、まったくないフラットな形状が特徴です。

体に加わる圧がマイルドなため、痛みを過度に感じることなく、安心して使うことができます。

まずはこのタイプで正しいフォームを身につけ、筋膜リリースに慣れることから始めましょう。
全身を優しくほぐすことができ、リラックス目的での使用も簡単です。

全身のケアに最適【スタンダードタイプ】

ある程度筋膜リリースに慣れてきた方や、最初から全身をしっかりとケアしたい方には、スタンダードタイプがおすすめです。

適度な硬さの素材と、効果的に刺激を与えるための凹凸がバランス良く設計されています。

初心者向けのソフトタイプでは物足りなく感じ、かといってハードタイプでは刺激が強すぎると感じる方にちょうど良い使用感です。

背中から足まで、これ一本で全身の主要な筋肉に対応できる汎用性の高さが魅力です。

大小のローラーやボールがセットになった商品もあり、部位に応じて使い分けることでケアの幅が広がります。

上級者や強い刺激が欲しい方向け【ハードタイプ】

日常的にトレーニングを行っているアスリートや、スタンダードタイプでは物足りなくなった上級者には、ハードタイプのローラーが適しています。

このタイプは、非常に硬い素材で作られており、大きくはっきりとした凹凸が特徴です。これにより、体の深層部にある頑固な筋膜の癒着にも、強力にアプローチすることが可能です。

ただし、その分体への負荷も大きいため、初心者がいきなり使用すると、強い痛みを感じたり、アザになったりする可能性があります。

自分の体の状態を理解し、強い刺激を求めている場合に選ぶべきタイプです。

筋膜ローラーでも痛みや不調がよくならない人へ

手軽に自分で筋膜リリースができる一方で、痛みや不調がすでに出ている方については、筋膜ローラー(フォームローラー)を活用した筋膜リリースは手軽な一方で、本来の効果はやや得られにくいのが事実です。

筋膜リリース専門店の整体では、実は筋膜リリースは手を使って行われる事が多いです。

というのも、本来の筋膜リリースの効果は、実は約1トンの重さをかけないと得られないことが科学的に明らかになっています。

しかし、これを可能にするのが、ポイントを押さえて手で行う手法です。

この本来の筋膜リリースはイタリアで開発されたもので、実は医師と理学療法士しか学ぶことができない手法になります。

そのため、ニセモノがかなり多く、質が低い筋膜リリースが多く世の中で出回っているのも事実です。

筋膜リリースイタリア式 修了証

この筋膜調整を日本でできる人はかなり少ないですが、当院のスタッフは全員が行う事ができるため、筋膜リリース専門店として展開してています。

もし、セルフケアでも体の痛みや不調がよくならない人は、ぜひ当院へ一度ご相談ください。

\通わない整体/
3回以内の改善を目指す
理学ボディの店舗を
確認してみる

まとめ

筋膜リリースローラーは、体のコリや疲労をセルフケアするための有効なツールです。
その効果を最大限に引き出すためには、部位別の正しい使い方を実践し、やりすぎや強すぎる痛みを避けることが重要です。

また、表面の形状や素材の硬さ、サイズといった選び方のポイントを目安に、自分のレベルや目的に合った商品を選ぶことで、より快適で効果的なケアが可能です。
近年では電動で振動するタイプのローラーも登場しており、筋肉をより効率的に緩める選択肢も増えています。

猫背の改善や日々のコンディショニングに、ぜひ筋膜リリースローラーを取り入れてみてください。

\通わない整体/
3回以内の改善を目指す
理学ボディの店舗を
確認してみる

 

投稿者プロフィール

ナガシマカホ
ナガシマカホ
【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。

私たちの経験から、あなたの症状を改善させるための動画をプレゼントしています。

完全無料ですが、痛み改善に効果的な方法をお伝えしていますので、ぜひお受け取りください!

 

当院の施術【筋膜整体】で良くなったケース(動画)

当院のお客様の声

 

【各店舗の住所や地図も確認できます】