ふくらはぎの外側・片側の痛みの原因と対処法|筋肉痛から危険なケースまで

ふくらはぎの外側が痛い!片足だけ筋肉痛?痛みの原因はなに?

この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)

理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。

木城先生

「ふくらはぎの外側が筋肉痛のように痛い」

「片足だけ痛い」

ふくらはぎの外側や片側の痛みで困っている方へ。

ふくらはぎの痛み以外にも、むくみやだるさ・違和感などを伴う場合は、単なる筋肉痛ではなく病気が隠れている場合があります。

本記事では理学療法士の目線から、ふくらはぎの痛みやむくみ、だるさの原因や効果的な治療法、受診する科など幅広く解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

 

目次

ふくらはぎの外側の痛みの原因は筋肉痛?

ふくらはぎの外側が痛む原因として、比較的多いのが筋肉痛です。

筋肉痛は、スポーツなどで傷ついた筋繊維が修復される際に起きます。

筋肉は大きく伸ばす際に痛みを感じやすく、ふくらはぎの場合はランニングや階段を下る動作のときに筋肉痛が起きやすくなります。 

ふくらはぎの外側の痛みは、運動による怪我やふくらはぎの筋肉への負荷など身体の使いすぎが原因であることが多く、適切な治療と十分な休養をとることが重要です。

ふくらはぎの外側の痛み以外にも症状が出ている方に向けた記事も紹介しております。

ぜひ参考にしてみてください。

 

ふくらはぎの外側・片側の痛み【5つの原因】

サッカーなどのスポーツによるふくらはぎの外側・片側の痛みは、肉離れやアキレス腱断裂、シンスプリントや疲労骨折などを起こしている危険なケースもあります。

また、就寝時によくあるこむら返りでも、ふくらはぎに筋肉痛のような痛みが起こります。

  • 肉離れ
  • アキレス腱断裂
  • シンスプリント
  • 疲労骨折
  • こむら返り

の5つについて、危険を見過ごすと痛みが重症化してしまいます。ご自身で見分けられるように、それぞれ簡単に解説します。

 

ふくらはぎの外側・片側の痛み①:肉離れ

肉離れは、筋肉が断裂して痛みが起きている状態です。

ふくらはぎの場合は、おもに下腿三頭筋かたいさんとうきんの内側にある筋肉の部分断裂で、スポーツ中において筋肉に急激に強い力が働くことが原因です。

症状としては、ふくらはぎ内側の中央上部に痛みがあり、腫れやへこみ、内出血などがみられる場合もあります。

 

ふくらはぎの外側・片側の痛み②:アキレス腱断裂

アキレス腱断裂は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐアキレス腱が断裂した状態です。

スポーツ中にするジャンプやダッシュなどの動きで、下腿三頭筋の急激な収縮によって起こります。

アキレス腱が断裂してしまうと、転倒や体重を支えきれずにしゃがみこんでしまうこともありますが、痛みはそれほど強くないため歩くことは可能です。

ただしアキレス腱断裂の場合、歩けてもつま先立ちができない点が大きな特徴です。

 

ふくらはぎの外側・片側の痛み③:シンスプリント

シンスプリントは、ふくらはぎの内側に痛みが起きる症状のことをいいます。

ふくらはぎの外側の痛み シンスプリント

スポーツ以外にも、足裏全体が平たくなった状態である偏平足などの足の形状も原因の一つです。

脛骨過労性骨膜炎けいこつかろうせいこつまくえんともいわれ、脛骨の周りにある骨膜が炎症を起こすことで痛みます。

症状が悪化するとスポーツ時以外でも痛みが発生し、歩くことが困難になる場合もあります。

 

ふくらはぎの外側・片側の痛み④:疲労骨折

疲労骨折は、長距離や長時間走り続けるスポーツなどをすることによる、反復する負荷をかけることが原因で起こる骨折です。

初期の場合はレントゲン写真では検出されず、MRIで初めて分かることもあります。

ふくらはぎにある脛骨と腓骨は、どちらも疲労骨折を起こすことがあるため注意が必要です。

 

ふくらはぎの外側・片側の痛み⑤:こむら返り

こむら返りは、ふくらはぎの筋肉がけいれんして足がつることです。

就寝中に起きることが多く、筋肉が硬直してなかなか元に戻らず痛みを伴います。

こむら返りが起こる原因は、以下の6つが考えられます。

  • 疲労
  • 冷え
  • 運動不足
  • 水分不足
  • スポーツ時の筋肉疲労
  • 筋肉の収縮や緩みに関わるミネラルの不足

 

ふくらはぎの外側・片側を押すと痛いのはむくみ?

ふくらはぎを押すと痛い場合は、むくみが原因の場合があります。

ふくらはぎのむくみは、血液やリンパ液の流れが悪くなることが原因です。

滞ってしまった血液や水分がふくらはぎに溜まってしまうため、押すと痛みを感じます。

あまり自覚がなくても、すねを押すと指の跡がついてなかなか戻らない、または靴下の跡が足にいつまでも残るという状態があれば、むくみの証拠です。

 

ふくらはぎを押すと痛い部位と身体の関係

ふくらはぎは、第2の心臓と呼ばれるほど重要な部位です。

ふくらはぎのどの部位が痛むかによって、痛みが筋肉の炎症や水分や老廃物が滞っているのか、臓器の機能低下や神経、血管に問題が起きているのかが分かります。

急な痺れや痛みが強い場合は病気が隠れている場合もあるため、無理に押さないようにしましょう。

 

内側を押すと痛い場合

ふくらはぎの内側が痛い場合は、婦人科系のトラブルや肝臓の不調が生じている場合があります。

ホルモンバランスが乱れると内側に痛みが出やすいため、生活習慣を改善するよう心がけましょう。

また、冷えや便秘が痛みの原因である場合もあり、痛みを感じる場所を優しく揉みほぐしあげると効果的です。

 

外側を押すと痛い場合

ふくらはぎの外側を押すと痛い場合は、ふくらはぎの外側の筋肉が過剰に刺激されて筋肉が硬くなり、痛みを引き起こしている場合があります。

立ち仕事や長時間運動を続けていると起こりやすいといわれています。

これらの症状は、ふくらはぎの外側を優しく揉むと少し改善する可能性があるため、優しく包み込むようにして揉みほぐしましょう。

 

裏側を押すと痛い場合

ふくらはぎの裏側が痛い場合は、ストレスなどの精神的な不調やむくみが原因であることが考えられます。

睡眠が十分にとれていないと、さまざまな痛みが出ます。

そのため、睡眠の質を見直すことが大切です。

ふくらはぎの裏側を優しく揉むと改善できるケースもあります。

ふくらはぎの外側・片側の痛み【3つの対処・予防法】

ふくらはぎのむくみや、だるさなどの症状は、過度な運動や立ち仕事などによる筋肉疲労が原因の場合と、なんとなくむくみやだるさを感じる場合があります。

筋肉疲労が原因の場合は、血液やリンパ液の流れが悪くなっている場合が考えられるため、ストレッチやマッサージが効果的です。

ふくらはぎの痛み予防には、軽い運動のほかにマッサージやツボ押しが効果的です。

また、慢性的な痛みやだるさを抱えている人は、立ち姿勢や歩き方に問題があるケースも少なくありません。

以下で紹介する方法は、誰でも簡単に取り入れられるものです。ぜひ自分のタイミングで取り組んでみてください。

 

ふくらはぎの外側の痛み【効果的なストレッチ】

ふくらはぎの筋肉のストレッチや運動は、血液循環の改善が期待でき、ふくらはぎの痛み予防に効果的です。

停滞していた血液が老廃物や余分な水分とともに流れるため、だるさやむくみの改善が見込めるでしょう。

ふくらはぎの外側の痛みの原因となる下腿三頭筋のストレッチは特に効果的です。

起床後や、仕事・家事の合間に簡単にできるストレッチを紹介します。

ポイントは、ふくらはぎの伸びがしっかりと感じることができるかどうかです。

後ろ足を少し内向き(つま先が内向き)にすると、よりふくらはぎの外側に聞いてきます。

ぜひ、日々の生活に取り入れてみましょう。

 

その他、その場での足踏みや、あお向けに寝て両手両足を上にあげてブルブル小刻みに震わせるなどのエクササイズも効果的です。

 

ふくらはぎの外側の痛みにおすすめ【マッサージ・ツボ押し】

ふくらはぎがむくんでいる場合は、マッサージやツボ押しがおすすめです。

ふくらはぎにたまった老廃物や水分が流れるように、リンパに沿ってマッサージしましょう。

マッサージは、ふくらはぎの外側の部分の上下、左右に手を動かして行ってください。

 

ふくらはぎの外側・片側の痛み【姿勢や歩き方の見直し】

長時間デスクワークや立ち仕事で同じ姿勢を続けていたり、運動不足が続いたりすると筋力が低下してむくみやすくなります。

また、普段から猫背や巻き型で上半身が前方に傾いている方や、つま先立ちやすり足であるいている方は、ふくらはぎに負荷がかかり痛みが生じる可能性があります。

他にも、ガニ股で足の外側に体重を乗せるクセがある、ヒールなどの踵の高い靴を好んで履いている人もふくらはぎの外側に痛みが生じやすいです。

 

つま先はまっすぐ足の親指の付け根・小指の付け根・踵の3点でしっかりと体重を支え、背筋を伸ばして立つように心がけましょう。

普段の生活のなかで、背筋や歩き方を変えるだけでふくらはぎの痛み予防ができるため、意識的に行いましょう。

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ふくらはぎの外側・片側の痛み【危険なケース】

腰や下肢の病気が原因でふくらはぎが痛くなるのは、坐骨神経痛やエコノミークラス症候群、閉塞性動脈硬化症へいそくせいどうみゃくこうかしょうなどがあります。

重症化すると命に関わる病気でもあるため、ふくらはぎに違和感があれば病院で診察を受けましょう。

 

坐骨神経痛について

坐骨神経痛は、坐骨神経が圧迫されることにより、腰やおしり、太ももの裏側、ふくらはぎ、すね、足の裏にかけて痛みや、痺れが現れます。

ふくらはぎの外側が痛み、伸ばすと痛みが悪化するのが特徴です。

もっとも多い原因は腰椎椎間板ようついついかんばんヘルニアで、背骨の骨と骨の間にある椎間板の一部が飛び出して、神経繊維を圧迫するために痛みが引き起こされます。

また、症状は片足だけに見られるのが大きな特徴で、痛みや痺れは身体を動かすと悪化し、くしゃみや咳をすると痛みが足全体に響くこともあります。

 

下肢動脈瘤かしどうみゃくりゅうについて

下肢静脈瘤は足の血管がこぶ状に浮き出て見える状態になる病気です。

下肢静脈瘤の症状は、以下のとおりです。

  • 血管が浮き出て目立つ
  • だるさ
  • 痛み
  • かゆみ
  • むくみ
  • こむら返り
  • 湿疹や色素沈着
下肢静脈瘤は、心臓へ戻る血流に何らかの障害が起こり、血液が足に逆流することが原因で引き起こされます。

美容師や調理師など、ずっと同じ姿勢であまり筋肉を使わない仕事に従事する方に多いです。

 

下肢閉塞性動脈硬化症かしへいそくせいどうみゃくこうかしょうについて

下肢閉塞性動脈硬化症は、足の血管が動脈硬化した症状です。

初期の段階では、歩くとふくらはぎなどが締め付けられるように痛み、歩き続けるのが困難で冷えや痺れといった症状がみられます。

症状が悪化すると歩行時以外にも痛みがあり、ひどくなると手足に潰瘍ができて壊死する場合もあるため注意が必要です。

おもに糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病や、肥満や喫煙などが原因で引き起こされます。

 

エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症はいけっせんそくせんしょう)について

エコノミークラス症候群とは、肺毛血栓塞栓症ともいい、窮屈な座席で長時間同じ姿勢のままでいると血の流れが悪くなる症状です。

その結果、ふくらはぎの静脈内に血栓ができ、エコノミー症候群を引き起こします。

 エコノミークラス症候群の症状には、むくみや痛み、腫れなどがあり、片方のふくらはぎだけに症状が出ることもあります。

予防のためには、以下のことを心がけましょう。

  • ときどきストレッチや軽い体操をする
  • こまめに水分をとる
  • ふくらはぎをマッサージする
  • ゆったりした服装をする

 

ふくらはぎの外側・片側の痛み:何科を受診するべき?

ふくらはぎが痛いときは、怪我だけでなくスポーツ後や長時間歩いた後の筋肉疲労が原因と自分で分かっているようなら、整形外科を受診するのが一般的です。

怪我のきっかけがなく、痛みや腫れ、痺れがある場合は整形外科または内科を受診しましょう。

また持病がある場合など、自己判断がつきにくい場合は総合診療科を受診することをおすすめします。

 

ふくらはぎの外側・片側の痛み【まとめ】

今回は、ふくらはぎの外側が痛む原因や、対処法、予防方法について解説しました。

ふくらはぎの外側が痛む場合は、肉離れをはじめとし、さまざまな疾患も考えられるため、痛みなどが続くようだったらすぐに医療機関を受診しましょう。

理学BODYでは、ふくらはぎ周辺の硬くなった筋肉や筋膜へアプローチすることにより、症状の改善や予防を行います。

痛みが落ち着かない、自分での改善が難しいと感じるときには、ぜひお気軽にご相談ください。

理学BODYではLINE登録をした方限定で、ふくらはぎの痛みに効果的な筋膜リリース動画をプレゼントしております。

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ふくらはぎの外側・片側の痛み【よくある質問】

ふくらはぎの外側の痛みにテーピングは有効ですか?

ふくらはぎの痛みがある際にテーピングを巻くことで痛みの軽減や、怪我の予防に効果的な場合もあります。

特に、肉離れや打撲などのスポーツ外傷では有効となるケースが多いです。

症状によって巻き方が異なる場合が多いので、整形外科や整体など専門家に相談し、ご自身の痛みに合った巻き方を教えてもらいましょう。

ふくらはぎの外側・片側が痛い時は安静にすべき?

急性の痛みや腫れ、生活に支障をきたすほど痛みが強い場合は安静にします。

スポーツや外傷など明らかな原因がある場合は、直ちに近くの整形外科を受診しましょう。

原因が不明確で血管や心臓の病気の可能性がある場合は、循環器内科が適応となる場合があります。

ご自身での判断が難しい場合は、総合病院を受診しましょう。

投稿者プロフィール

ナガシマカホ
ナガシマカホ
【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。

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