「朝起きると、肩が痛い…」「首と肩がガチガチで動かしにくい」
そんな、寝起きの肩の痛みや不調に悩んでいませんか。
朝方、痛みで目が覚めたり、起き上がるときに肩がズキっとしたりすると、なにかと不安になってしまいます。
この不快な症状の原因の多くは、就寝時の姿勢からくる寝違えや日中の不良姿勢、枕やマットレスなどの寝具にある場合が多いです。
しかし、なかには、四十肩や五十肩、腱板損傷などの隠れた病気の危険なサインである可能性も考えられます。
この記事では、理学療法士の視点から、寝起きの肩の痛みの原因を多角的に解説し、自分でできる対処法や簡単なストレッチ、さらには専門家への相談の目安まで詳しく紹介します。
目次
寝起きの肩の痛みは危険なサイン?四十肩・腱板損傷などの病気の可能性
寝起きの肩の痛みが続く場合、まずは単なる寝違えや、肩こりはなく、何らかの病気が隠れている可能性を考慮する必要があります。
代表的なものに、肩関節周囲炎、いわゆる四十肩・五十肩が挙げられます。
これは肩関節の周りの組織に炎症が起こることで、特に夜間から朝方にかけて痛みが強くなる(夜間痛)のが特徴です。
また、肩を動かす重要な筋肉の腱が切れてしまう「腱板損傷」や、肩の関節内に石灰が溜まる「石灰沈着性腱板炎」なども、朝の強い痛みの原因となりえます。
※このような場合は、まず整形外科を受診することが最優先となります。
四十肩・五十肩などの病気の場合の対処法
四十肩・五十肩や腱板損傷などで夜間に痛む場合は、受診するまでは無理に動かさず、痛みを和らげる寝姿勢(ポジショニング)を工夫することが重要です。
仰向けで寝る際は、痛む方の肩甲骨の下から腕にかけて、折り畳んだバスタオルを挟み込むと、肩関節が安定し痛みが和らぎます。
横向きで寝る場合は、痛いほうの肩を上にして、抱き枕やクッションを抱えるようにして腕を乗せましょう。
これにより、腕の重さが肩にかかる負担を軽減できます。
炎症が起きている時期に無理なストレッチを行うと症状を悪化させる危険があるため、まずは安静を保ち、楽な姿勢を見つけることが先決です。
朝起きたら肩が痛い【6つの原因】
病気ではない場合、寝起きの肩の痛みの原因は、睡眠中の環境や無意識の習慣、日中の過ごし方など、様々な要因が複雑に絡み合っているケースがほとんどです。
ここでは、寝起きの肩の痛みを引き起こす代表的な6つの原因について、それぞれのメカニズムを詳しく解説します。
ご自身の生活習慣と照らし合わせながら、痛みの根本原因を探っていきましょう。
原因1:枕の高さが合っていない
枕の高さが合っていないことは、寝起きの肩の痛みの主な原因の一つです。
枕が高すぎると、睡眠中に首が不自然に前に曲がった状態になり、首から肩にかけての筋肉が常に緊張を強いられます。
逆に枕が低すぎる場合も、頭が心臓より低い位置に下がり、首周りの血行が悪くなるうえ、頸椎を支える筋肉が過剰に引き伸ばされてしまいます。
理想的な高さは(人によって異なりますが)、基本的には、立っているときの自然な姿勢と同じように、首の骨が緩やかなS字カーブを描ける高さの枕です。
合わない枕を使い続けることは、首や肩への負担を蓄積させる大きな要因となります。
原因2:マットレスの硬さが合わず、体圧分散がうまくできていない
マットレスの硬さも、睡眠中の体の負担に大きく影響します。
硬すぎるマットレスは、肩甲骨やお尻など体の出っ張った部分に体重が集中し、その部分の血行を妨げます。これが肩への圧迫となり、痛みを引き起こすことがあります。
一方、柔らかすぎるマットレスでは、体の最も重い部分である腰が深く沈み込み、背骨が不自然な形で固定されてしまいます。
この姿勢は、肩周りの筋肉に余計な緊張を生むだけでなく、腰痛の原因にもなりかねません。
また、体が沈み込み過ぎてしまうと、寝返りが打ちにくくなるなど、長時間同じ姿勢を強いられることにもつながります。
適度な反発力で体圧を均等に分散し、自然な寝返りをサポートするマットレスを選ぶことが重要です。
原因3:横向きで寝るクセ(肩に負担のかかる寝姿勢)がある
横向きで寝る姿勢は、下になっている方の肩関節に体重が集中しやすいため、長時間の圧迫が血行不良や痛みを引き起こす原因となります。
特に、いつも同じ側を下にして寝る癖がある場合、片方の肩にばかり負担が蓄積してしまいます。
また、うつ伏せ寝は首を左右のどちらかに捻った状態が続くため、首から肩にかけての筋肉に大きなストレスを与えます。
理想的なのは仰向け寝ですが、横向きで寝る場合は抱き枕などを活用し、上の腕の重さを分散させることで、下になる肩への負担を軽減できます。
両方の肩を休ませるためにも、睡眠中にスムーズな寝返りができる環境を整えることが大切です。
原因4:睡眠中の体の冷えによる血行不良
睡眠中に体が冷えると、血管が収縮して筋肉への血流が滞りがちになります。
血行不良に陥った筋肉は硬くなり、疲労物質が溜まりやすくなるため、痛みやこりを引き起こします。
特に、明け方は一日の中で最も体温が下がる時間帯であるため、冷えの影響を受けやすいです。
冬場の寒い時期はもちろん、夏場でも冷房をつけたまま寝ていると、無意識のうちに体が冷え切ってしまうことがあります。
朝起きる時間に肩の痛みが強い場合は、パジャマを保温性の高いものに変えたり、掛け布団を調整したりして、睡眠中の温度管理に気を配る必要があります。
原因5:歯ぎしりや食いしばりのクセがある
睡眠中に無意識に行っている歯ぎしりや食いしばりも、寝起きの肩の痛みの原因となりえます。
食いしばる際には、顎の筋肉だけでなく、首や肩にかけて広がる僧帽筋にも強い力が入ります。
この緊張状態が睡眠中ずっと続くことで、僧帽筋が凝り固まり、朝の痛みやこりとして現れるのです。
歯ぎしりや食いしばりの主な原因はストレスとされていますが、噛み合わせの問題が関係している場合もあります。
朝起きたときに顎が疲れている、あるいは頭痛がするといった症状がある場合は、歯ぎしりを疑ってみると良いでしょう。
原因6:デスクワークやスマホ操作による、姿勢の乱れ
日中の姿勢の乱れは、夜間の体の状態に大きく影響します。
特に、長時間のデスクワークやスマートフォン操作で前かがみの姿勢を続けると、頭が前に出て両肩が内側に入る「巻き肩」や猫背の状態が癖になります。
この姿勢は、肩甲骨周りの筋肉や、筋肉を包む筋膜に持続的なストレスをかけ、過度な緊張や癒着を引き起こします。
日中に蓄積されたこの負担は、寝ている間も完全には解消されず、血行不良を招いて朝の痛みとして現れることがあります。
睡眠中の問題だけでなく、日中の過ごし方を見直すことが根本的な改善につながります。
朝起きると肩が痛いときの対処法3選
朝起きた時の痛みが強いときに無理に動かすのは禁物ですが、いくつかの簡単な対処法で症状が楽になる場合があります。
ここでは、起床時に試せる3つのセルフケアを紹介します。
※ただし、これらの方法はあくまで一時的な対処法であり、痛みが続く場合は専門家への相談が必要です。
首・肩のストレッチ【専門家おすすめ3選】
目が覚めたら、動き始めるまえに首や肩を動かすストレッチを試してみましょう。
急に動かすと痛みを悪化させる可能性があるため、あくまで気持ち良いと感じる範囲で行うのがポイントです。
- 両方の肩をすくめるように上げて、ストンと力を抜く動作
- 首をゆっくりと左→左斜め下、右→右斜め下に倒す
- 肩甲骨を後ろにぎゅっと寄せ、ストンと力を抜き戻す動作
①〜③を、深呼吸とともに数回繰り返してみましょう。
特に、痛い肩そのものを動かすのではなく、首〜肩甲骨まわりをゆっくり動かすことで、肩周り全体の血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれやすくなります。
体を温める(蒸しタオルや入浴)
筋肉の緊張や血行不良による慢性的な痛みには、体を温めて血行をよくすることで楽になります。
朝起きた後、濡らしたタオルを固く絞り、電子レンジで1分ほど加熱して蒸しタオルを作り、ビニール袋などに入れてから首〜肩の辺りに当ててみましょう。
心地よい温かさが血行を促進し、筋肉の緊張を和らげてくれます。
また、夜の内にぬるめのお湯にゆっくり浸かっておくことも、全身の血流を改善し、朝の痛みを予防する効果が期待できます。
湿布薬の利用
つらい痛みを一時的に和らげる手段として、湿布薬の利用も選択肢の一つです。
湿布には、炎症や痛みを抑える成分が含まれています。
ズキズキと熱を持つような痛みがある場合は冷湿布、慢性的なこりや鈍い痛みには温湿布が適しているとされます。
ただし、湿布はあくまで対症療法であり、痛みの根本原因を解決するものではありません。
湿布を使っても症状が改善しない、あるいは悪化する場合には、自己判断で使い続けず、医療機関を受診してください。
肩を痛めない体の動かし方
肩に痛みがあるときは、日常生活での体の動かし方にも注意が必要です。
痛みが強い炎症期には安静にすることが推奨されますが、痛みが軽減してきたら、痛みを誘発しない範囲で意識的に体を動かすことが重要です。
全く動かさないでいると、関節や筋肉が固まってしまい、症状の改善を妨げる可能性もあります。
重要なのは、痛みを誘発しない範囲で、意識的に体を動かすことです。
例えば、痛みのある方で荷物の持つことや、無理に重たいものを持つことは避けましょう。
ものを取る際には、痛い方の腕だけでなく、反対の手を添えて負担を減らすなどの工夫が有効です。
日常生活の中で、痛みの出ない角度や動かし方を探りながら、少しずつ可動域を保つように心がけてください。
こんな時は要注意!受診の目安と見分け方
寝起きの肩の痛みはセルフケアで改善することも多いですが、中には受診が必要なケースも存在します。
痛みを放置することで症状が悪化したり、重大な病気のサインを見逃したりすることもあります。
特に、起床時の痛みに加えて特定の症状が見られる場合は、自己判断せずに医療機関(整形外科)を受診することが重要です。
ここでは、受診を考えるべき症状の目安や、危険なサインの見分け方について解説します。
整形外科を受診すべき症状
以下のような症状が続く場合は、整形外科への受診を検討してください。
- セルフケアを試しても痛みが2週間以上改善しない
- または徐々に悪化している
- 安静にしていてもズキズキと痛む
- 夜中に痛みで目が覚めることが頻繁にある
- 肩の痛みに加えて、首のこりや頭痛、吐き気などを伴う
骨や腱、関節の異常が疑われる場合は整形外科を受診し、MRIやレントゲンなどの検査をしてもらうと原因が明らかになります。
筋肉や筋膜の問題が原因と考えられる場合は、理学療法士のいる整骨院や整体院に相談してみると良いでしょう。
しびれや腕が上がらないなど、危険なケースの見分け方
肩の痛みに加えて、特定の症状が見られる場合は、より緊急性が高い可能性があります。
特に注意すべきは、腕や指先にしびれや麻痺を感じる場合です。
この場合、首の骨(頸椎)の神経が圧迫されている頸椎症などの可能性があります。
また、特にきっかけがないのに突然腕が上がらなくなった、あるいは特定の角度に動かせないといった症状は、腱板断裂が強く疑われます。
さらに、じっとしていられないほどの激痛や、肩だけでなく胸のあたりにも痛みや圧迫感がある場合は、心臓など内科系の疾患の可能性も考えられるため、速やかに医療機関を受診してください。
寝起きの肩の痛みに関するよくある質問
寝起きの肩の痛みについて、多くの方が抱える疑問にお答えします。ご自身の状況と照らし合わせながら、不安の解消にお役立てください。
Q. 痛むのが右肩だけ(左肩だけ)なのはなぜですか?
利き腕である右肩に日中の負担が蓄積しやすいため、または、寝る際にいつも同じ側を下にする寝姿勢の癖があるためと考えられます。
バッグをいつも同じ肩にかける、ゴルフなど片側の腕を多用するスポーツの習慣も、片方の肩だけに痛みが出る原因になり得ます。
また、肩の疾患である場合も、片側に症状が起こることが多いです。
Q. 枕なしで寝るのは肩にとって良いのでしょうか?
人に寄りますが、枕なしで寝ることはあまり推奨できません。中にはマットレスが柔らかいなどの理由で枕なしの方が寝やすい、という方もいますが、寝た時の首のカーブの状態で選ぶのがよいでしょう。
枕なしの場合、頭が心臓より低い位置になることで血流が滞りやすくなるなど、首の骨の自然なカーブを支えられず、首や肩の筋肉に過剰な負担をかけてしまうケースが多くみられます。
結果的に、かえって痛みやこりを悪化させる可能性があるため、自分にあった適切な高さの枕を使用してください。
Q. 肩の痛みを悪化させないための寝方はありますか?
仰向けで寝るのが最も肩への負担が少ない寝方です。痛む方の肩の下に丸めたタオルを挟むと、関節が安定し楽になります。
横向きで寝る場合は、痛い方の肩を上にし、抱き枕を利用して腕の重さを支えることで、肩への直接的な圧迫を避ける工夫が痛みの軽減につながります。
つらい肩の痛みを、今すぐどうにかしたい人へ
ここまで紹介したセルフケアを行なっても、なかなか不調が改善しない人も多いです。
特に、寝起きの肩の痛みが長引いて悩んでいる人は、セルフケアでは限界があります。
「今すぐ肩の痛みやだるさをどうにかしたい」という人は一度専門家に相談するのがおすすめです。
実は、なかなか治らない肩まわりの痛みは「筋膜」に問題が出ているケースが意外と多く見られています。
当院は、筋膜の施術に特化した整体で、スタッフ全員が体のプロである理学療法士の国家資格を取得しています。
さらに、当院の施術は医師と理学療法士にしか学ぶことのできない、イタリア式の筋膜リリース(正式名称は、筋膜マニピュレーション)として人気を集めています。
イタリア式の筋膜リリースは特別な技術が必要になる分、普通の筋膜リリースよりも圧倒的に筋膜がほぐれるため、痛みなどの不調を改善できる可能性も高くなります。
去年辺りから左肩に違和感を覚え、他社の整骨院に通っていましたが、一向に改善されず、お試しで予約してみました。 初回、施術して頂いてからすぐに体感がありました。 ずっと抱えていた違和感がすぐに無くなり3回目の時にはほぼ完治に近い状態で、非常に感謝しております。 自身で行えるストレッチ等もご教授頂けるので安心です。 お値段はリーズナブルでは無いですが、そのくらいの価値があります。 引き続き、通わせて頂きたいと思います。
最近ではありがたいことに来院される方が急増し、毎月予約が取りづらい状態です。
店舗によっては、来月の予約もいっぱいの状況です…!
当院にて早めに「施術」を検討される方は、ぜひ、お近くの店舗を覗いていただき、予約があるかを確認頂けると幸いです。
寝起きの肩の痛み:まとめ
寝起きの肩の痛みの原因は、枕やマットレスといった寝具の問題、睡眠中の冷えや寝姿勢だけでなく、日中のデスクワークやスマホ操作による不良姿勢の蓄積など、多岐にわたります。
また、中には腱板損傷や頚椎症、肩関節周囲炎など病気のサインが隠れているケースもあります。
まずは、受診が必要かどうかを判別した上で、本記事で紹介した対処法や予防策を実践し、ご自身の生活習慣を見直してみてください。
セルフケアで改善しない痛みや、しびれを伴うなどの危険なサインがある場合は、自己判断せずに必ず専門の医療機関を受診してください。
痛む肩だけを気にするのではなく、痛みの根本原因をしっかりと見極め、適切な対処をすることがなによりも重要です。
投稿者プロフィール

- 【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・東京都の高齢福祉事業など分野問わず活動中。


木城先生















