- 動き始めや歩き始め
- 体重をかけた時
- 長時間立ったり歩いたりしていると・・・
「股関節の右だけ(左だけ)痛い」
片側の股関節に痛みが出てしまう人は意外と多いです。
その理由として病院や整体でよく言われるのが、炎症や何らかの病気の可能性です。
しかし、言われた通りのストレッチや筋トレで、その場だけは良くなっても
「しばらくすると、また痛みが出現する・・・」
そんな経験はありませんか?
実は、ほとんどの人が気づいていない意外な原因があるんです。
本記事では、全国に80店舗以上店舗展開をする筋膜整体の理学療法士の目線から
- 症状別の原因から痛みの対処法
- 9割が勘違いしている意外な原因
をわかりやすく解説していきます。
目次
股関節が右だけ(左だけ)痛い一般的な原因
股関節の右だけ(左だけ)など片側が痛むケースでは、まず関節の炎症や変形、神経や筋肉などの痛みなどの原因が考えられます。
単なる使いすぎや、疲れによるいわゆる筋肉痛などのちょっとした炎症症状の場合は2〜3日経てば徐々に痛みは軽減してきます。
しかし、
- 日増しに痛みが強くなる
- 何日経っても良くならない
- 痛みで歩けない
などの場合は、後述するような何らかの病気が隠れている可能性があります。
そこまでではないけれど、
- たまにズキっと痛むことがある
- ずっと変わらないような違和感や痛み
- 少し無理をすると痛くなる
このようなケースでは、筋肉や関節に問題が生じて痛みにつながっているケースが多いです。
股関節が右だけ(左だけ)痛いときに考えられる6つの疾患
股関節の右だけ(左だけ)など、一般的に片側の股関節の痛みで考えられるのは次の6つです。
- 変形性股関節症
- リウマチ性の変形性股関節症
- 臼蓋形成不全
- 鼠径部痛症候群(グロインペイン)
- 坐骨神経痛
- 筋・筋膜性疼痛症候群
これらはいずれも整形外科での診察やレントゲン撮影により、医師に診断されることが多いです。
(※不安に感じた方は、一度お近くの整形外科を受診してみましょう。)
1.変形性股関節症
変形性股関節症はいわゆる、股関節の骨と骨がぶつかって痛む状態です。
- 生まれつきの股関節の形成不全
- 形成不全のまま大人になり、関節がすり減る
といった原因で痛みが生じ、比較的高齢の女性に多くみられます。
初期・進行期・末期と進行によって痛みが悪化し、日常生活に支障が出てしまうこともあります。
主に立ち上がるときや、歩き始めなどの「動き」に伴って痛みが生じるケースが多いです。
レントゲンを撮ることで確実にわかります。
2, リウマチ性変形性股関節症
リウマチ性変形性股関節症は、関節リウマチが股関節に影響して起こる変形性股関節症です。
一般的な変形性股関節症との違いは、原因や関節の破壊のしかたにあります。
関節の摩耗によって痛みが生じる一般的な変形性股関節症と異なり、リウマチ性変形性股関節症は、リウマチ特有の免疫の異常が根本的な原因で起こります。
この場合、股関節に炎症が起こり、軟骨だけでなく関節全体(骨や周囲の組織)が破壊されてしまいます。
リウマチ性の場合は、片側というより両側に症状が生じることが多く、また朝方にこわばりや動かしにくさといった症状がでてきます。
放っておくと日常生活に支障をきたすこともあるので、早めに整形外科への受診が必要です。
3,臼蓋形成不全
臼蓋形成不全とは股関節の構造的な問題で、股関節のかぶり浅い状態です。
赤い丸で示した「臼蓋と呼ばれる、股関節の受け皿の部分。
ここが発育せずに小さいままとなってしまうので、その分負担がかかりやすくなってしまいます。
症状としては、
- (最初は)股関節を捻る動作で痛む
- 徐々に太ももや足の付け根が痛む
- 股関節の動きが狭くなる(スムーズに動かない)
- 左右で足の長さがちがう
といったようなことが見られます。
これもレントゲンを撮る事でわかります。
4.鼠径部痛症候群(グロインペイン)
少し難しい名前ですが、グロインペインは簡単に言うと、
股関節の前側の筋肉の硬さによって股関節を曲げたり後ろに伸ばす時に痛みが生じることです。
サッカー選手など「蹴る動作」をする人に見られ、痛みの部位は下記の図の様に様々です。
一度なってしまうと慢性化しまいますが、基本的には筋肉の問題なので適切な施術を行うことで改善する可能性が高いです。
5.坐骨神経痛
坐骨神経痛を簡単に言うと、おしりを通る神経が圧迫されて痛みや痺れを出す事です。
人によっては股関節の後ろやおしりの奥などに痛みが出ますが、股関節に限定する痛みというよりはおしりから下全体に痛みやしびれが生じます。
■参照:日本薬師堂
症状としては、
- 長時間同じ姿勢でいるとつらい
- 座るとおしりが痛くなる
- ジンジン・ピリピリする様なしびれを伴う
- 少し休むと症状は良くなる
といった様に、特徴的な症状が見られます。
坐骨神経痛の場合、やってはいけないことが明確にあるので注意が必要です。
6.筋・筋膜性疼痛症候群
筋・筋膜性疼痛症候群は、簡単に言うと筋膜が硬くなり股関節に痛みや違和感を出すことです。
筋肉は全身にあるので、もちろん左の股関節だけが痛む場合にもよく見られます。
特に、レントゲンで異常がなく他の病気の可能性もないのに痛む場合に考えらえるのがこのケースです。
筋肉が弾力性を失い、痛みを起こす物質が局所にたまることによって起こる病気を筋・筋膜性疼痛症候群(MPS) といいます。この病気は、採血やレントゲンなどの検査でも異常が認められません。
■参照:公益社団法人 前橋医師会
症状としては、
- ある特定の部位の痛みや違和感
- 筋肉痛の様な鈍い痛み
- ときに鋭く痛むことや痺れることもある
- 慢性的な痛みがずっと続いている
といった特徴があります。
筋膜に原因がある場合は、筋膜の専門家であるの施術を受けるのがおすすめです。
筋膜が原因の痛みの特徴や、痛みの対処法について、筋膜施術の専門家である当院の施術内容もぜひ覗いてみてください。
股関節が右(左)だけ痛い|一般的な治療法【3つ】
股関節が右だけ(左だけ)痛い時の一般的な治療法は3つあります。
- ストレッチ
- 筋トレ
- 筋膜をほぐす
治療院などで、ごく一般的に言われるのが
①ストレッチと②筋トレ
です。
しかし、すでに試したけど良くならなかったという人も多いと思います。
そんな人は意外な落とし穴にはまっているかもしれません。
1.ストレッチで痛みがよくならない理由
股関節が痛くて病院や整体に行くと、
- 筋肉が硬いからです
- 筋肉のストレッチをしましょう
と言われるケースがほとんどです。
しかし、ストレッチをしても痛みが良くならないという人が大勢います。
その理由は、股関節の痛みの原因が筋肉の問題ではないケースが多いからです。
痛みの原因が筋肉ではない場合は、いくら筋肉をストレッチしても治らない事が多いです。
筋肉をストレッチしても治らない人は筋膜をほぐす事が必要になります。
2.筋トレでも痛みがよくならない理由
ストレッチ以外に多いのが
- 筋肉が足りないと痛くなる
- 股関節を鍛えましょう
といった筋トレを推奨されるケースです。
頑張って筋トレを行っても良くならない場合、痛みの原因が単なる筋力の低下ではないことが多いです。
実は、筋力の低下の原因が筋膜の硬さである場合、筋肉がスムーズに伸び縮みできなくなることがあります。
その結果として、筋力が弱くなってしまいます。
筋肉がスムーズに伸び縮みして、力を十分に発揮できるようにするには、それを邪魔している筋膜の硬さをとることが最優先です。
そのため、筋膜をほぐすことで、筋力もつきやすくなり痛みが改善していく人がほとんどです。
3.筋膜をほぐすのが現代では1番効果的
股関節の片側の痛みで悩んでいる場合、
- 単なるストレッチ
- 闇雲な筋トレ
では、痛みは改善しません。
それ以前に、筋膜に原因がある人が多いのです。
■参照元:トリガーポイント
実際に当店にも筋膜が原因で股関節が痛くなっている人が多く来られており、
多くの人は筋膜の硬さをほぐす事で股関節の痛みが改善します。
このように、股関節が痛い原因は筋膜である事が近年ではわかってきています。
股関節の右だけ(左だけ)痛い人の9割が見落としていること
なぜ片側の股関節だけに痛みが出るのか
その理由は、過去に痛みがでる方の半身の筋膜が硬くなるような出来事があった可能性が高いです。
以下のような出来事がこれまでで一度でもあると、筋膜は硬くなると言われています。
- 軽い怪我(捻挫など)
- 骨折、ヒビ
- 手術
- 固定(ギプスやサポーターなど)
- 使いすぎ
- 内科的な不調
そのため股関節が右だけ(左だけ)痛い人は、
上記のような事が過去に右半身(左半身)にあった可能性が高いです。
もっと細かく言うと、
以下の内容を1つでも経験した事があれば、
あなたの筋膜は確実に硬くなっています。
- 捻挫
- 膝の痛み
- 腰の痛み
- 肉離れ
- 骨折、ヒビ
- 靭帯を伸ばした、痛めた
- 手術
- ギプスやサポーターでの固定歴
- 胃もたれ
- 便秘、下痢をしやすい
- 逆流性食道炎
- 胸のモヤモヤ感
- 喘息、気管支炎
- 心臓系の不調
- 婦人科系の不調
なので、これらに当てはまる人は、その過去の不調によって左半身の筋膜が硬くなり、
右(左)の股関節だけに痛みが出る状態になっている可能性が高くなります。
つまり、右半身で硬くなっている筋膜をほぐすと、
右の股関節の痛みが改善する可能性が高くなると言う事です。
股関節が右だけ(左だけ)痛い時の正しい対処法【動画あり】
股関節が右だけ(左だけ)痛い時の正しい対処法は、筋膜をほぐすマッサージです。
注意すべきは、ただ闇組に痛む場所をマッサージするのではなく、不調の原因となっているポイントを見極めて行うことです。
以下にそのポイントとマッサージの方法を動画で解説しますので、ぜひ実践してみてください。
誰でも簡単!筋膜マッサージのやり方とポイント
マッサージの基本のポイントは以下の3つです。
- 時間は1箇所5分程度で
- 硬い場所や滑りが悪い場所を探す
- 悪い場所は押すと痛い事が多い
ほぐす場所は画像の青の部分で示していますが、過去に不調があった場所から優先的にほぐすのがポイントです。
マッサージの具体的なやり方について、画像の1〜12の番号順に動画で解説しています。
「痛気持ちいい」程度の圧で実践してみましょう。
①足首の内側
②土踏まずの内側
③ふくらはぎ〜スネの内側にかけて
④モモの内側(膝寄り)
⑤モモの前側(やや外側寄り)
⑥モモの内側(股関節寄り)
⑦足の甲の外側
⑧かかとの外側
⑨ふくらはぎの外側周辺
⑩モモ裏の外側周辺
⑪おしりの真ん中
⑫おしりの外側
これらの場所をマッサージして
右(左)の股関節の痛みが軽減するなら続けましょう!
変わらない人は自分では限界があると思います。
当院にも右だけ(左だけ)股関節が痛い人が多く来ますが、
治らない場合は私たちを頼ってください。
股関節の左だけが痛い人の当院の【改善例】
ここからは、当院で実際に施術をして痛みが改善したケースをご紹介します。
1週間後につくばマラソンを控えていたAさん。
練習中に、股関節の奥?股関節の付け根?らへんが痛くなってしまいました。
今まではいくら走ってもこんなことはなかったので、初めての感覚で少し怖いです。
すぐ良くなるかと思っていましたが、数日しても痛みはほとんど変わりません。
今は歩くときに若干痛いです。
あとは、股関節を曲げても痛いです。
少しなら無理して走れなくもなさそうだけど、42Kmは厳しそうです。
もうつくばマラソンが来週に迫っているので、かなり不安です。
なんとかなりますか?
とのことでした。
股関節に出る痛みをチェック
Aさんの左股関節の痛みを実際にチェックしていきました。
腰を後ろに反ると左股関節に痛みが出ました。
腰を左に倒しても痛みが出ました。
歩く時に体重がかかるだけで痛みがあるようで、
歩くだけで痛いのにマラソンを走るのはとても不安とのこと。
他にも寝ながら左股関節を動かしても痛いし、
可動域も狭くなっているとのことでした。
Aさんの股関節はこのような状態でした。
Aさんの筋膜をチェック
次にAさんの筋膜で硬くなっている場所がないか、硬さをチェックしていきました。
すると、以下の場所に筋膜の硬さが確認できました。
- 足首
- ふくらはぎの内側・外側
- モモの内側・外側
- 臀部
- 股関節の前側
このように、痛いのは左の股関節でも
筋膜が硬い場所は股関節以外に多くあります。
※右側になっていますが、左側の間違いです。
これでは、いくら股関節をストレッチしても治らない理由がわかります。
次はこの硬い筋膜をほぐしていきました。
その結果、
Aさん「だいぶ良くなりました!痛みはほとんどなくて、さっきを10だとしたら今2ぐらいです!」
とのことでした。
ただ、1週間後にフルマラソンということで、2回目の予約を入れてくれました。
2回目の筋膜調整
2回目に来てもらった時点でほとんど痛みはなくなっていました。
Aさん「あれから木城さんの言っていた通りに、3日後から急になんともなくなりました。何故なんですか?」
筋膜調整では、硬くなった筋膜内のヒアルロン酸を炎症反応による熱で溶かしています。
その炎症反応は生理学的に72時間ぐらいは持続するので、日が経てば経つほど良くなるケースが結構あるんです。木城
ということで、股関節の痛みはなかったのですが、念のために1回目でチェックしきれなかった痛い足とは反対足の右足の筋膜もチェックしていきました。
すると、
右の膝と股関節周りにも硬さがありました。
ここを入念に筋膜調整した結果、
股関節の痛みが改善されました。
詳細は以下の動画をご覧ください。
Aさん「痛み0です!今日は可動域もめちゃくちゃ広がりました!!」
と喜んでいただけました。
股関節の右だけ(左だけ)の痛みが治らない人へ
股関節の右だけ(左だけ)の痛みが治らない人の中には、痛みを我慢して生活や運動をしてしまう人が多いです。
「今はまだ大丈夫」と無理をして放ってしまうと、どんどん状態が悪くなるだけでなくどんどん治りにくくなってしまっています。
その結果、最後は手術になってしまう人も多いので、少しでも早い状態から適切な治療を受けることが重要です。
もし、私たちが力になれる時は全力で対応させていただきます。
他にも気になる事があれば、気軽にお問い合わせしてください!
投稿者プロフィール
- 【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。
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