「ランニングをすると腰が痛んで思うように走れない」「走るたびに悪化してしまう」
そんな悩みを抱えていませんか?
ランニングによる腰痛は、実は多くの人が経験している身近なトラブルです。それにもかかわらず、「なかなか良くならない」と感じている方も少なくありません。
しかし、適切なアプローチやケアを行えば、腰痛は改善できます。
この記事では、「通わせない整体」を全国に展開している理学療法士が、ランニングによって起こる腰痛の原因と、自宅で実践できる対処法をわかりやすく解説します。
ぜひこの記事を参考に、腰痛を改善しながらランニングを楽しんでください。
目次 [非表示]
ランニングで腰痛になる3つの原因

ランニングで腰痛になる原因の多くは、大きく分けて以下の3つに分けられます。
- 股関節の硬さ
- 筋膜の硬さ
- 体幹の弱さ
実は「腰が悪い」から痛むわけではなく、他の部位に原因があるケースが非常に多いのが特徴です。
1.股関節の硬さ
足を後ろに蹴るときに股関節の可動範囲が正常より不足していると、代わりに腰を反らせてカバーしようとします。
これが腰の過剰な負担につながり、痛みの原因になります。


左の画像と比べると、右の画像は股関節の代わりに腰が動いています。
この動きのまま10km、20kmと走れば、腰が痛くなるのは当然です。
さらに放っておくと、腰椎すべり症や、腰椎分離症、脊柱管狭窄症になってしまうリスクもあります。
ではどうすればいいのでしょうか?
ポイントは、股関節が後ろに引けない原因をつきとめて、可動範囲を広げることです。
自分で正確な原因を見つけるのは難しいですが、原因として多いのは、股関節の前面の筋肉が硬くなっていることです。
2.筋膜が硬い
腰痛というと「腰の筋肉が硬くなっている」と思われがちですが、実は“筋膜”の硬さが原因になっているケースが多いことが分かってきています。
筋膜は、筋肉を包む薄い膜で、足の裏から頭の先まで全身に張り巡らされています。

引用:トリガーポイント
そのため、腰とは直接関係のなさそうな足の裏や太ももの裏の筋膜が硬くなることでも、腰痛が引き起こされる可能性があります。
こうした痛みの原因として知られるのが「筋膜性疼痛症候群」です。
筋膜性疼痛症候群とは、筋肉と筋肉の間の膜である「筋膜」が原因となって痛みを引き起こす病気です。特に、筋膜が厚くなったり、滑りが悪くなったりすることによって引き起こされるとされています。これは長年の間、「原因不明の痛み」とされてきました。それはレントゲンで痛みの原因を発見することができないからです。

さらに、腰痛のある方には「太ももの裏」など、腰痛に影響しやすい部位もわかってきています。
それについては、後ほど詳しく解説します。
3.体幹が弱い
体幹が弱いと、ランニング中に腰へ過剰な負担がかかり、腰痛を引き起こしやすくなります。
体幹は、走るときに身体の軸として機能し、全身のバランスを保つ重要な役割を担っています。
しかし、体幹の筋力が不足していると、その分の衝撃や動きを腰が支えることになり、痛みの原因になります。
実際、ランニングで腰痛になるランナーは、走っている時に腰が大きくブレて、腰に負担が集中しています。
そのため、腰痛を予防・改善するには、体幹の筋肉を鍛えることが重要です。
体幹を鍛える具体的な方法は、後ほど紹介します。
ランニングによる腰痛で多い4つの症状

ランニングによる腰痛には、以下のような症状が出る人が多いです。
- 走った後に腰痛が強くなる
- 腰を後ろに反ると痛い
- 足を着く時に痛い
- たくさん走ると腰が痛い
なぜこうした症状が多いのか、詳しく見ていきましょう。
1.ランニング後に腰痛が強くなる
ランニング後に腰痛が強くなるのは、走り終えたあとに体が冷えて筋肉が硬くなるためです。
走っている最中は体が温まり、交感神経が優位になって血流も促進されるため、痛みを感じにくい状態になっています。
これは、お風呂に入っているときに痛みが和らぐ感覚と似ています。
つまり、ランニング中は一時的に痛みを感じにくくなっているだけで、運動後に体温が下がると、腰の痛みを強く感じやすくなるのです。
2.腰を後ろに反ると痛い
ランニング中の動きは、腰を反らせる動作が繰り返されやすいため、反る動作で痛みが出やすくなります。
特に、股関節が硬いとその分腰に負担が集中しやすく、走った後に痛みを感じることが多くなります。
3.足を着く時に痛い
ランニング中に足を着くたびに、腰へ衝撃や負荷が加わることで、痛みを感じやすくなります。
具体的には以下のような影響があります。
- 腰に衝撃が加わる
- 腰に力が入る
- 反り腰になりやすい
こうした動きが繰り返されることで、腰痛が悪化するケースは少なくありません。
4.たくさん走ると腰が痛い
長距離を走ると腰痛が出やすくなるのは、わずかなフォームの乱れが繰り返されて負担が蓄積するからです。
1歩の負荷は小さくても、10km走れば約10,000歩になります。わずかな歪みや偏ったフォームでも、それが何千回も繰り返されると、やはり使いすぎている部位は痛くなります。
つまり、「少しのクセ」も、距離を重ねることで大きなダメージに変わってしまうのです。
腰痛を防ぐには、フォームを整えることが大切ですが、その前に正しいフォームを支えられる身体を作る必要があります。
たとえば、体幹が弱いとフォームを意識しても安定せず、腰への負担は減りません。
まずは体幹トレーニングなどで、痛みの出にくい体を作ることが重要です。
ランニングで腰痛がある時に考えられる疾患や状態

ランニングによる腰痛は、体の使い方だけが原因とは限りません。
以下のような疾患や体の状態が関係している場合もあります。
- 中学生や高校生の場合
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰椎分離症
- 筋肉や筋膜の痛み
中には危険な腰痛も隠れているため、しっかり理解しておきましょう。
1.中学生や高校生の場合
中学生や高校生で腰痛が起きる場合には、注意が必要です。
というのも、この年代は筋肉が柔らかく、通常であれば腰痛が起こりにくいからです。
それでも腰痛があるという場合には、腰の骨に問題が起きているケースや悪性腫瘍(がん)などの可能性もゼロとは言いきれません。
そのため、中学生や高校生で腰痛がある場合は、一度医療機関で診てもらうことをおすすめします。
医師の診断によって大きな問題がないと確認できれば、この記事で紹介しているケアを進めていきましょう。
2.腰椎椎間板ヘルニア
ランニング時に腰痛だけでなく足に痺れがある人は、腰椎椎間板ヘルニアの可能性も考えられます。
腰椎椎間板ヘルニアは、腰の骨の間にあるクッションに負担がかかる事で椎間板の中身が飛び出てしまい、近くにある神経を圧迫して腰痛や足のしびれなどを引き起こす疾患です。
椎間板は線維輪と髄核でできていて、背骨をつなぎ、クッションの役目をしています。その一部が出てきて神経を圧迫して症状が出ます。椎間板が加齢などにより変性し断裂して起こります。
悪い姿勢での動作や作業、喫煙などでヘルニアが起こりやすくなることが知られています。
症状が当てはまる場合は、自己判断せず医療機関での診察を受けることをおすすめします。
ヘルニアかどうかは、医師の診断で確認できます。
3.腰椎分離症
走ると腰が痛い人の中でも、腰にピンポイントで痛みが出る人は腰椎分離症の可能性も考えられます。
腰椎分離症は、腰の骨にストレスがかかることで起こり、局所的な腰痛を引き起こします。
多くは体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。「ケガ」のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰椎をそらしたり回したりすることで起こります。
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特に成長期のスポーツ経験者に多く見られるため、思い当たる場合は注意が必要です。
分離症かどうかは、レントゲン検査で確認することができます。
4.筋肉や筋膜の痛み
これまで紹介したような疾患が原因の腰痛もありますが、ランニングによる腰痛の多くは、筋肉や筋膜が原因であるケースがほとんどです。
実際、神経や関節などに異常が見つかる腰痛は全体の約15%しかなく、残りの約85%は、検査をしてもはっきりとした異常が見つからない腰痛だといわれています。
腰痛の約 85%は、さまざまな検査をしても「この神経が圧迫されている」といった明確な原因が見つからない腰痛なのです。
この“原因がはっきりしない腰痛”の多くは、筋肉や筋膜の硬さや偏った体の使い方が関係していると考えられます。
そのため、走ると腰が痛いという場合には、まず筋肉や筋膜の状態を整えることが大切です。
記事の後半では、具体的な対処法について詳しく解説していきます。
腰痛がある時はランニングしても大丈夫?

「腰が痛いけど、走っても大丈夫かな?」と迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、腰痛があるときにランニングを続けてよいかどうかには、判断の基準があります。
ランニングを休養するべき人
以下のような症状がある場合は、無理に走らず休養を取ることをおすすめします。
- 走ると腰痛が強くなる
- 走ると痺れも出てくる
このように、ランニングをすることによって腰痛などの症状が悪化する人は、ランニングを休養すべきです。
ランニングをしても大丈夫な人
一方で、以下のような場合は、ランニングを継続しても問題ないケースが多いです。
- ランニングをしても腰痛は変わらない
痛みが変わらないのであれば、腰痛の原因がランニング以外にある可能性が高く、継続しても問題ないと考えられます。
ただし、次のような場合は注意が必要です。
-
ランニング後に腰痛が出る
-
痛みが翌日まで残る
このような場合は、距離を短くする・頻度を減らす・一時的に休むといった対応が効果的です。
ランニングに伴う腰痛を改善する3つの方法

次は、ランニングで起こる腰痛を改善する方法を解説します。
腰痛を改善させる方法は大きく分けて3つです。
- 股関節の硬さを改善する
- 筋膜をほぐす
- 筋トレで体幹を鍛える
1.股関節の硬さを改善する方法
股関節の後ろへの動きを制限している筋肉は、具体的に言うと、腸腰筋と大腿四頭筋です。

なので、まずはこれらの筋肉をストレッチしてみてください。
やり方は簡単です!
腸腰筋のストレッチ

大腿四頭筋のストレッチ

ストレッチをする時間は1〜2分くらいがいいので、やってみて腰痛が変わるか確認してみてください!
腰痛が軽ければこれでも治りますが、治らない人は次以降に紹介する方法も試してみてください!
2.筋膜をほぐす方法
腰痛の人は腰だけが悪いのではなく、このように腰と繋がっている足の筋膜などに問題があるケースが多いです。

なので、おしり〜足にかけてマッサージしてみてください。
特に、過去に怪我や不調があった場所の筋膜は硬くなりやすいので、入念にやってみてください!
※マッサージを不適切な方法や自己流でやった場合は、効果がなかったり悪化するケースがあるので、わからない場合や痛みが悪化する場合は無理に行わないようにしましょう。
この筋膜のマッサージで少しでも腰痛が変わる場合は、あなたの腰痛の原因が筋膜である可能性が高くなります!
3.筋トレで体幹を鍛える方法
ランニングでは単純な腹筋や背筋よりも、体幹の筋肉を刺激した状態で手足を動かすトレーニングが効果的です。
具体的な筋トレ方法を動画で解説をしています。
これができるとランニングの時にも体幹の筋肉が働きやすくなるので、腰痛を予防する事ができます。
また、よくある一般的な腹筋や背筋はオススメできません。
と言うのも、腰痛がある人はが腹筋や背筋をやっても逆に腰痛が悪化してしまう可能性が高いからです。
実際に、腰痛がある人はインナーマッスルが弱い人が多いですが、一般的な腹筋や背筋はインナーマッスルではなくてアウターマッスルを鍛えるものなので、効果がありません。
なので、筋トレの方法は注意しましょう!
関連記事:ランニングの腰痛を治した事例多数!3回以内の改善にこだわる整体院『理学ボディ』とは?
ランニングの腰痛が治った人の改善例

ここまで書いてきましたが、股関節のストレッチやマッサージをしているのに走ると痛い!と言う人もいると思います。
そのような人は、筋膜が硬くなっているのが本当の原因かもしれません。
と言うのも、自分でマッサージをやる場合も少しはほぐれますが、筋膜をしっかりとほぐすにはかなり専門的な技術が必要になるんです。
なので、これらをやっても腰痛が改善しない人は、筋膜の硬さが残っている可能性が高いです。
そこで先日、腰痛があるランナーの筋膜をほぐした事で、腰痛が改善しましたのでここで報告させていただきます。
筋膜をほぐしたら腰痛が治ったAさん
マラソンに出るために、週に3~4回は朝ランニングをしているというAさん
10年ほど前から慢性的な腰痛がありましたが、ランニングをはじめてから腰痛の痛みが強くなり、2ヵ月ほど前から膝にまで痛みが出て来てしまったそうです。
痛みが出はじめてからは、定期的に近所の接骨院に通われているそうですが、あまり変化はないとのことでした。
この方の体を診させていただくと、やはり股関節などの下半身周りが硬く、腰にかなり負担がかかっていそうでした。
腰の前屈と後ろに反る動きをしていただくと、反る時に強い痛みが腰の真ん中にありました。
私はこれらの痛みや、硬さを解決するためにまず筋膜をみます。
筋膜が原因となってこれら多くのことが起きていることが多いからです。
この方の筋膜の状態を確認したところ、背中~腰~膝にかけて外側と内側の両サイドに筋膜の硬さがありました。

そのため、これらに対して筋膜の施術を行いました。
当院で行っている筋膜の施術に関しては、以下の動画と記事にも詳しく書いてあります。
施術の結果、後ろにそった時の腰痛がなくなりました!
動画を見ていただくと、先ほどよりも股関節が動くようになって、少し後ろにそれる量も増えたのがわかっていただけるかと思います。
この施術を2回ほど行なわせていただき、Aさんは普段の腰痛が気にならなくなり、ランニング時の痛みもなくなったようです。

この後、長期的にランニングを続けてどうなるかは、経過を見ていかないと何とも言えないのですが、とりあえず走れるようになって、喜んでいただけているようなので、私としてもすごくうれしいです!
このようにランニングで腰痛になる人は、硬くなっている筋膜が原因である可能性が高いです。
また、当院では腰痛であれば、3回以内の施術で改善することを目標としてやっており、腰痛であれば3回以内に改善できるケースが多いです。
ですので、あなたの腰痛も最短の回数で改善できる可能性が高いです。
ランニングの腰痛を改善したい人へ

今回紹介した対処法で腰痛が改善する人もいれば、あまり変わらない人もいると思います。
あまり変わらない人は、自分でやるには限界があると思いますので、私たちプロに任せてください。
実際に、当院にはランニングで腰痛になってしまった人が多く来られていますが、多くの人が1〜3回以内の施術で改善しています。
もちろん、あなたも必ず1〜3回以内に腰痛が改善するとは言い切れませんが、他の整体よりは早く改善できる自信があります。
ですので、私たちに任せてください!
あなたは、腰痛が改善したら、
- どれだけ楽になりますか?
- すごい嬉しくありませんか?
- 気持的にも楽ですよね?
私たちがそれを実現させるために、全力でサポートさせていただきます。
少しでも気になる事がありましたら気軽にお問い合わせしてください!
投稿者プロフィール

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理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。
その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。
筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。