即効!ぎっくり腰を治す方法4選!正しい治し方と予防方法について

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この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)

理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。

木城先生

ぎっくり腰になってしまったけど仕事を休めない。

ぎっくり腰を正しく即効で治したい。

治りにくいぎっくり腰で、以上のように悩んでいませんか。

普段の生活のなかで、ぎっくり腰は誰にでも起こりうる病態です。原因がわかりにくいため、困ってしまう方も多くいらっしゃると思います。

結論からいうと、ぎっくり腰を即効で治すのは難しいといえます。

理由は腰痛と呼ばれる病態のうち、原因がわからない非特異的腰痛が腰痛全体のうち85%もの割合1)を占めており、ぎっくり腰もそれに含まれるからです。

※参考1)腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版

レントゲンなどではっきりとわかる骨折などに比べて、原因がわかりにくいぎっくり腰は即効で治すのも難しいでしょう。

自己判断でぎっくり腰に対処してしまうと、病状が悪化する恐れがあります。痛みが悪化すると回復まで時間がかかったり、入院が必要になったりする場合もあります。

そのため本記事では、ぎっくり腰を少しでも早く治すための正しい知識と方法を解説しています。ぜひ最後までご覧ください。

ぎっくり腰を即効で治す方法はある?

結論、ぎっくり腰を即効で治す方法はありません。

正式には急性腰痛症といい、腰痛が発症してから4週間以内のもの2)を指します。
※参考2)Medical Note

身体の筋肉や靭帯、関節に何らかのストレスが生じて炎症が起きているサインです。炎症が起きている以上、即効では治せません。

ぎっくり腰が起こる原因や痛みの状態に合わせて適切に対処しましょう。

 

ぎっくり腰とは?痛みの原因を解説!

ぎっくり腰による痛みのメカニズムについて解説していきます。

一般的にぎっくり腰が起きやすいタイミングは以下の通りです。

  • 重い物を持ち上げたとき
  • 咳やくしゃみをしたとき
  • 寝具から身体を起こそうとしたとき

腰に負担がかかると関節や筋肉が耐え切れずに損傷し、急性的な腰痛が起こります。

痛みの原因はさまざまで、腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかって怪我をしたような状態(捻挫、椎間板損傷)、腰を支える筋肉やすじ(腱、靱帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷などが多いとされます。
引用:公益社団法人日本整形外科学会

 

ぎっくり腰の症状【軽度〜重度】

ぎっくり腰といっても、個人によって症状は異なります。

特に痛み以外にも症状がある方は、注意が必要です。

 

ぎっくり腰のレベル|①軽度の場合

少し痛みがあるが歩ける方は、軽度な腰痛である可能性が高いでしょう。

生活を送るには支障がない程度の痛みですが、前かがみになったり、腰を反らしたりする動作は痛みが出やすいと言えます。

軽度の痛みは、安静にすることで自然に痛みや炎症が回復する可能性が高く、痛みが落ち着いてきたら少しずつ軽いストレッチを行っていきましょう。

痛みが気になる方は、迷わず整形外科にを受診しましょう。

 

ぎっくり腰のレベル|②中等度の場合

安静にしていても痛みを感じたり、痛み以外に腫れや熱感などの症状があったりする場合、中等度の腰痛の可能性が高いでしょう。

その場合、氷嚢やビニール袋に氷水を入れて患部を冷やすのが効果的です。

早く治したいからと保冷剤でアイシングをするのは避けましょう。

温度がマイナス以下になっているため、凍傷を起こす危険性があります。

炎症が落ち着いたら少しずつ身体を動かしましょう。

 

ぎっくり腰のレベル|③重度の場合

痛みが強くて動けない方は、重度の腰痛と考えられます。

痛みが強いまたは痺れがある場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。

重度の場合、以下の病気の可能性も考慮する必要があります。

  • 椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 骨折やがん
  • 椎間板の感染症

 

最短で症状を和らげる!ぎっくり腰の正しい治し方4選

ぎっくり腰を発症してしまったら、まずは整形外科を受診して正しく診断してもらうのが大切です。

どの程度の症状なのかを医師に診てもらった後に、症状の程度に合わせた対処法を行いましょう。

整形外科の受診後のぎっくり腰の治し方として一般的なのが、「安静」「患部を冷やす(アイシング)」「コルセットを利用する」「整体院を利用する」の4つです。

 

安静に過ごす

痛みが強い時期は炎症が起きているため、無理に身体を動かさずしっかりと休めましょう。

ぎっくり腰が起きたときと同じような姿勢や前に身体をかがむ、腰を反らす、捻るといった動作はやめましょう。

安静にする場合は、以下のような姿勢が効果的です。

  • 仰向けの場合、膝を立てるか足が高くなるようクッションを入れる
  • 横向きの場合、背中を軽く丸めて足の間にクッションを入れる
痛みを軽減する寝方

引用:大正製薬

 

患部を冷やす(アイシング)

痛みのある部位に腫れや熱感がある場合、冷やすと炎症を抑えられます。
痛みが強い時期にアイシングで使用するものとしては、以下のものがおすすめです。

  • 冷湿布
  • 氷嚢
  • 氷水をいれたビニール袋

アイシングはあくまで炎症を抑える手段のため、患部が冷えたらアイシングをやめましょう。

 

コルセットを利用する

「痛みがまだ残っているけれど、仕事や家事をしなければならない」など、動かなければならない時に頼りになるのがコルセットです。

コルセットで局所的に固定すると、炎症を起こしている筋肉に変わって腰をサポートしてくれます。

これにより一時的に痛みが和らいだり、動かすのが楽になることがあります。

また、無理な動きを抑制することにつながり、痛みや症状のさらなる悪化を防ぐこともできます。

コルセットは形状や材質によってその効果は異なります。必ず医師の相談のもと、自分の症状にあったものを選んで着用することが重要です。

適切に着用することで日常生活の支えにもなりますが、着用のしすぎは過度の安静により筋力の弱化につながってしまうため注意が必要です。

 

整形外科や整体院を利用する

一度診断してもらった後で、なかなか痛みが改善しない場合や、増悪により生活に支障が出ている場合、整形外科を再度受診するのが重要です。

また増悪はないけれど、なかなか重だるさが改善しない場合は、整体院で体の状態を専門家に見てもらうこともおすすめです。

自分の症状にあったストレッチや対処法などを正しく指導してもらうことで回復を早めることができます。

このとき、特におすすめなのが理学療法士など、体や動きの専門家がいる整体を選ぶことです。

ぎっくり腰の施術経験が豊富な整体を選ぶことが、なによりも重要です。

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ぎっくり腰を早く治すには?経過別の対処法

ぎっくり腰を少しでも早く治すには、経過時期に適切な対処法が必要です。以下で確認しましょう。

痛みが強い急性期(目安:発症〜2日目)

最も痛みが強い急性期の時期は、安静な姿勢を心がけ患部に負担をかけないようにしましょう。

  • 腫れや熱感がある方は、アイシングを行なう
  • 市販または病院から処方されたコルセットで患部を固定する

痛みが強くまったく動けなかったり、痺れがあったりする方は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

 

動き出せる亜急性期(目安:3日目〜6日目)

3日目から6日目ごろ、痛みが少しずつ落ち着いて動けるようになるのが、亜急性期です。前かがみや腰を反らさない動きから行なうようにしましょう。

ある程度動けるようになったら、下記で紹介するストレッチなどを行いましょう。

 

違和感がなくなる慢性期(目安:7日目以降)

7日目以降で痛みや違和感がなくなったら、ぎっくり腰の再発予防のためしっかりと運動を行いましょう。

コルセットを使用している場合は、少しずつ外す時間を増やしましょう。

この時期にコルセットに慣れてしまうと、筋肉が十分に鍛えられず身体も硬くなってしまう可能性があります。

 

ぎっくり腰におすすめのストレッチを紹介!

最も重要なのは、適切な対処と再発予防です。

事実、腰痛を発症した方の約6割は再発経験があると回答しています。3)
参考3)平成25年国民生活基礎調査(厚生労働省)

効果的なストレッチを経過別に紹介します。

 

痛みが強い急性期(目安:発症〜2日目)

急性期のぎっくり腰に一番大切なのは、安静です。

生活に支障がほとんどなくある程度動ける場合は、以下のストレッチを行いましょう。

 

股関節周りのストレッチ

股関節の後面にある大殿筋(だいでんきん)のストレッチを紹介します。

大殿筋の柔軟性を確保することで腰の負担を減らし、痛みを軽減する効果があります。

開始姿勢:仰向け

  1. 片足を抱える
  2. 反対の肩に向かってひねる
  3. そのまま姿勢が崩れないよう意識する

腹式呼吸

ぎっくり腰のときは背筋に強い負担がかかっています。

腹式呼吸で体幹を安定させ、背中の負担を減らしましょう。

腹式呼吸をすることで胸筋膜を通して、インナーマッスルを活性化できます。

それによって腰の筋肉の負担軽減が期待できます。

開始姿勢:仰向けで膝を立てる

  1. お腹を触り腹筋を感じる
  2. 息をゆっくりと吐き、腹筋を意識する

 

動き出せる亜急性期(目安:3日目〜6日目)

痛みが落ち着いてきたら、身体の柔軟性を取り戻すためにストレッチを行います。

 

少しずつ腰のストレッチを行う

極度なストレスで硬くなっている背中の筋肉を柔らかくしていきます。

恐怖心を徐々に減らしていく訓練にもなるため、運動を開始する際に最もおすすめです。

開始姿勢:仰向け

  1. 両足を抱える
  2. 足を身体に引き寄せ丸くなる
  3. 背中をしっかりと丸めるように意識する

 

おしりの筋肉を使って安定性を強化

おしりの筋肉を強化し、腰痛の再発予防を図ります。

背中の筋肉とつながりのある臀部を強化することで、骨盤の安定性を高める効果が期待できます。

開始姿勢:仰向けで膝を立てる

  1. 両足を使ってゆっくりとおしりを持ち上げる
  2. 腰を使わないように意識しゆっくりと下ろす

 

違和感がなくなる慢性期(目安:7日目以降)

痛みや炎症を感じなくなったら、再発予防のためにしっかりと運動を行いましょう。

普段の生活でもゆっくりと腰を動かす意識を持つことが重要です。

 

腰の運動で不安を取り除こう

腰痛が再発することへの不安や恐怖心で全身の緊張が高まってしまい、腰の痛みが再発する場合があります。

そのため、恐怖心を取り除くためにゆっくりと腰の運動を行いましょう。

開始姿勢:椅子に座った姿勢

  1. 身体をかがめ足の甲を触る
  2. ゆっくりと身体を後方へ傾ける
  3. 元の姿勢にゆっくりと戻る

 

股関節の使い方を覚えよう

腰の負担を減らすためには、股関節を上手く使う必要があります。

股関節や膝関節を上手く動かすことができれば、腰の負担を軽減する効果が期待できます。

開始姿勢:立った姿勢

  1. 両足を開き、手を頭の後ろに置く
  2. 股関節を曲げて身体をかがめる

 

ぎっくり腰を再発予防:5つの注意点

つらいぎっくり腰を再発させないために、5つの注意点を紹介します。

その注意点は、以下のとおりです。

  • 正しい姿勢を心がける
  • 適度な運動で筋肉を落とさない
  • 重い物の持ち方に気をつける
  • 寝るときの姿勢を見直す
  • ストレスをため込まない

 

正しい姿勢

実は身体が静止しているときも、腰はしっかりと機能し続けています。

また立っている姿勢と比較して、座ってデスクワークをしているときのほうが腰の負担は大きいといえます。

腰椎の椎間板にかかる負荷

引用:米盛病院

スマホを見ているときに下を向きやすい方や、立っているときに重心が偏っている方は、腰に負担がかかりやすいため注意が必要です。

 

適度な運動

普段運動をしない方も、ぎっくり腰を起こした後は運動の習慣化が大切です。

運動療法は、腰痛症に対してしっかりとした効果が判明しています。

腰痛診療ガイドライン2019では慢性的な腰痛に運動療法を推奨しており、本記事で紹介した運動やウォーキングなどの全身運動も効果的です。

 

物を持ち上げるときは気をつける

前かがみの姿勢は、腰椎の椎間板にかかる負担が立っているときの約1.5倍、物をもつと約2倍、座った状態で物を持てば約3倍の負担がかかります。

物を持つときはなるべく前かがみにならず、身体の近くで持ちましょう。

低いところから持ち上げるときは片膝立ちを使い、身体をまっすぐ持ち上げることが大切です。

 

寝るときの姿勢に注意する

仰向けは腰を反らす方向へストレスがかかりやすいため、横向きに寝たり、仰向けは安静姿勢と同じように膝下にクッションを入れたりして工夫しましょう。

 

ストレスを軽減する

実は心理的ストレスも、腰に対して負担がかかります。

ある一定のストレスがたまると、身体化という症状が起こります。

身体化の症状一覧

引用:厚生労働省

身体化の症状のなかに腰痛や背中の張り感があり、おもに血行不良が影響しているとされています。

心理ストレスを減らすために、身体と心を休める工夫も大切です。

 

まとめ

ぎっくり腰はおもに筋肉や靭帯、関節へのストレスがリスクとなって起こります。

急性期は安静やアイシングを行ない、痛みが軽減したら運動を再開しましょう。

痛みが強く動けない場合は、すぐに医療機関へ相談しましょう。

もし病院や治療院へ通ってもなかなか症状が改善しない場合は、筋膜のプロである私たちに一度ご相談ください。

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投稿者プロフィール

ナガシマカホ
ナガシマカホ
【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。

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