ゴルフの腰痛を抱えているあなたへ──
「マッサージしても治らない」 「腰のストレッチも試した」 「でもゴルフのあと、また痛くなる…」
このように、腰痛が“治ったようで再発”を繰り返していませんか?
実はその原因、筋肉ではなく筋膜にあるかもしれません。
この記事では、国家資格を持つ理学療法士が、
- なぜゴルフで腰痛になるのか
- なぜ一般的なマッサージでは治らないのか
- 根本から改善する筋膜マッサージの具体的方法
をわかりやすく解説し、最短でゴルフを再開できる体を目指します。
この記事を読む事であなたの腰痛の原因がわかり、改善する可能性がありますので実際にマッサージやストレッチをしてみて試してみてください。
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医学的に見た【ゴルフ腰痛】考えられる疾患3つ

腰痛になると、何かの病気?と不安になる人もいると思いますが、基本的には重大な病気である可能性は低いです。
それらも含めて、まずはゴルフで腰痛になる人は何が考えられるかを紹介します。
考えられる事は3つあります。
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰椎分離症
- 筋膜の痛み(筋膜性疼痛症候群)
1.腰椎椎間板ヘルニア
ゴルフでは腰に負担がかかりやすいため、ヘルニアになる人がいます。
ヘルニアとは、腰の骨の間にあるクッションが後方に飛び出てしまい、神経を圧迫して痺れや痛みを出します。
椎間板は線維輪と髄核でできていて、背骨をつなぎ、クッションの役目をしています。その一部が出てきて神経を圧迫して症状が出ます。椎間板が加齢などにより変性し断裂して起こります。
悪い姿勢での動作や作業、喫煙などでヘルニアが起こりやすくなることが知られています。
特に日頃から重いものを持ったり、長時間座っている人などは椎間板に負担がかかりやすいため、ヘルニアになりやすかったりします。
ヘルニアになると以下のような症状が出ます。
- おしりの痛み
- 足の痺れ
ここで注意なのは、ヘルニアで腰痛は出ないという事です。
ここは勘違いされている人が多いですが、ヘルニアはあくまで腰の神経に負担がかかっている状態です。
この腰の神経は足に繋がっている神経なので、神経が圧迫されたら足に痺れや痛みが出ます。
なので、腰が痛い原因はヘルニアというのは実は間違っているんです。
ですので、腰痛がある人はヘルニア以外の原因が考えられます。
(※ただし、ヘルニアの場合は、やってはいけない動作やストレッチなどがあるので、要注意です。)
2.腰椎分離症
腰椎分離症は腰を捻る動作によって、腰の関節を痛めてしまった状態です。
実際に腰の関節に負担がかかっているので、腰に痛みが出ます。
多くは体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。「ケガ」のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰椎をそらしたり回したりすることで起こります。
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ゴルフでは腰を捻る動作を頻回に行うので、腰の関節に負担がかかりやすいため、すべり症になる人もいます。
腰痛の特徴としては、腰の全体や広い範囲が痛むのではなく、指1本でさせる小さい範囲が限定的に痛みます。
なので、腰の広い範囲が痛い人や重だるい人は、他の原因が考えられます。
3.筋膜の痛み(筋膜性疼痛症候群)
ゴルフで腰痛になる人のほとんどは筋膜が原因です。
近年の研究でも「慢性腰痛の多くは筋膜由来である」と報告されています(日本腰痛学会・2023)。
今までは、腰痛の原因は筋肉だと考えられていましたが、筋肉をストレッチしたりマッサージしても腰痛が治らない人が多くいました。
そんな中、近年になって筋肉を包んでいる筋膜が硬くなると腰痛になる事がわかってきています。

正式名称は筋膜性疼痛症候群といい、腰に繋がっている筋膜が硬くなって痛みを出している状態です。
筋膜性疼痛症候群とは、筋肉と筋肉の間の膜である「筋膜」が原因となって痛みを引き起こす病気です。特に、筋膜が厚くなったり、滑りが悪くなったりすることによって引き起こされるとされています。これは長年の間、「原因不明の痛み」とされてきました。それはレントゲンで痛みの原因を発見することができないからです。
ですので、いくら筋肉をマッサージしても腰痛が改善しない原因は、筋膜にある事が多いんです。
ゴルフで腰痛になる3つの原因

次は、ゴルフで腰痛になる原因について解説をしていきます。
1.スウィングフォームの崩れ
ゴルフで腰痛になる人は、スウィングフォームが崩れている人が多いです。
ゴルフの場合、体を前傾させた状態から腰をひねり、スイングをします。
ですので、体を前傾させた時に腰が丸まっていたり、反っていたりすると腰に負担がかかりやすくなってしまいます。

なので、以下の内容はチェックしましょう。
- 反り腰になっていないか?
- 腰が丸まっていないか?
- 猫背ではないか?
- 股関節は回転しているか?
もちろんフォームだけが腰痛の原因ではない事が多いですが、1つの原因としてフォームがあります。
2.インナーマッスルが弱い
ゴルフでは腰を捻る動作をたくさんしますが、この時にインナーマッスルが働いているかいないかでは大きな違いがあります。
インナーマッスルが働いる場合は、腰に力が入るよりも少し前からインナーマッスルが勝手に働いて腰骨を安定させます。
その状態で腰を捻るのは問題になりにくいです。
しかし、インナーマッスルが働いていない人は、軸が安定していない状態で腰を捻る事になってしまうため、腰の問題を起こしやすくなってしまいます。
もちろん、インナーマッスルが全てではありませんが、腰痛の1つの原因になる可能性があります。
3.筋膜が硬い
近年では筋肉を包む筋膜に問題があっても、腰痛になる事がわかっています。
実際に腰にはこのように足〜頭までの筋膜が繋がっているため、たとえばですがふくらはぎの筋膜が硬い事で腰痛になる事もありますし、首の筋膜が硬い事で腰痛になる人もいます。
ですので、腰が痛い原因が必ず腰にあるとは限らず、離れた場所にある事も十分に考えられます。
実際に、いくらインナーマッスルを鍛えても腰痛が治らない人などは、筋膜が原因になっている事が多い印象です。
なので、筋膜も腰痛の原因になる事を覚えておきましょう!
ゴルフでの腰痛の場所による原因の違い
ゴルフでの腰痛は、片側の腰だけに痛みが出ることが少なくありません。
これは、ゴルフスイングが左右非対称の動きであるため、片方の腰に過剰な負担がかかることが原因の一つです。
また、スイング時に体がスムーズに回転できていない場合も、片側の腰に痛みを引き起こす可能性があります。
ここでは、右側と左側、それぞれの腰痛の原因について詳しく解説していきます。
右側が腰痛になる原因
ゴルフで右側に腰痛を感じる場合、スイングに原因があることが多くあります。
特にアドレス時に右肩が下がりすぎていると、上半身が右に傾き、右腰への負担が増加する可能性があります。
また、スイング中の体の回転がスムーズに行われないことも、右腰に痛みを引き起こす一因となります。
インパクトからフォロースルーにかけて右腰に痛みが出やすいとの報告もあります。
これらのスイングにおける問題点が、右側の腰痛につながることが考えられます。
左側が腰痛になる原因
右利きのゴルファーに多く見られる左側の腰痛は、スイングの際に右から左への強い腰の回転が主な原因と考えられます。
このとき、左側の腰に大きな負担がかかります。
また、スイング中に体が左に流れてしまう「スウェー」と呼ばれる動きも、左腰に負担をかける要因となります。
スウェーは、バックスイングでの過度な力みやグリップを強く握りすぎることによって引き起こされることがあります。
これらの問題により、スイング軸がぶれて左腰への負荷が増大し、痛みを引き起こすことがあります。
左側の腰痛を繰り返す場合は、ご自身のスイング軸が左に流れていないか確認してみましょう。
ゴルフの腰痛におすすめ!対処法3選
ゴルフで腰痛になる人が病院に行くと以下の3つの治療をしてもらう事が多いです。
- ストレッチ
- マッサージ
- なるべく歩く
ゴルフ腰痛におすすめ【ストレッチ】
基本的に腰の筋肉はおしりやモモの裏に繋がっています。
そのため、ゴルフで腰痛になる人はおしりやモモの裏の筋肉が硬くなっている事が多いです。
ですので、この場所のストレッチをやりましょう。
ストレッチはだいたい30秒〜2分程度する事で筋肉が伸びていきます。
このストレッチでも腰痛が治らない人は、他の方法を試しましょう。
ゴルフ腰痛におすすめ【筋膜マッサージ】
次は、ゴルフの腰痛に効くマッサージを紹介します。
ゴルフの腰痛では、基本的に筋膜をマッサージすると腰痛が改善されるケースが多いです。
筋肉じゃなくて筋膜をマッサージするんですか?と思う人もいますが、近年になってゴルフの腰痛には筋膜が関係している事がわかってきています。
実際に腰の筋膜は、このようにふくらはぎや背中などに繋がっています。

そのため、痛いのは腰でも腰痛を引き起こしている原因は、おしりやモモの裏など他の場所にある事が多いです。
もし、腰の筋肉に原因があるなら腰をマッサージすれば全員治るはずなので、腰をマッサージしても治らないのは、腰の筋肉に原因がないからなんです。
実際に私たちは、過去に何人もゴルフで腰痛がある人を施術してきましたが、経験上筋膜のマッサージが1番効果的な印象です。
先ほども説明しましたが、腰の筋膜は体全体に繋がっているため、様々な場所の筋膜が腰痛の原因になる可能性があります。
なので、筋膜が硬くなる場所を紹介します。
マッサージはだいたい3〜5分程度行うと筋膜はほぐれてきますので、やってみてください。
※マッサージを不適切な方法や自己流でやった場合は、効果がなかったり悪化するケースがあるので、わからない場合や痛みが悪化する場合は無理に行わないようにしましょう。
ゴルフ腰痛には歩くのが効果的?
ゴルフをやっていると、あまり歩かずに座っている時間が長くなりやすくなります。
確かに座って移動する方が楽なのですが、腰や下半身の筋肉は硬くなります。
実際に、長く座れば座るほど筋肉の柔軟性が一時的に低下しやすい印象があり、その状態でいきなりゴルフのスイングをすると腰への負担が多くなります。
ですので、なるべくゴルフをしている時は歩くことを意識したり、スイングをする前に体全体を動かしたり、腰を捻ったりして固まった体をほぐす事が必要です。
もちろん、そこまでしても腰痛になってしまう人もいますが、腰痛が軽度の人であれば少しの意識で腰痛が軽減したりします。
ここまでは、ゴルフで腰痛になる人の一般的な治療法を解説しましたが、ゴルフの腰痛に1番効果的なのはマッサージです。
次は、実際に腰痛は筋膜をマッサージした方がいいことを証明するために、ゴルフをやっている人ではありませんが腰痛があった男性の改善例を紹介します。
治らない腰痛が筋膜マッサージで改善した例

今回紹介するのは腰痛があるAさんの話です。
1ヵ月ぐらい前から走ると腰が痛くなりはじめました。
それからどんどん痛くなってきて、最近は走ると腰が痛くて練習に参加できていません。
病院では『椎間板ヘルニア』と言われました。
足が痺れたりはしていませんが、とにかく腰が痛いです。
マッサージやストレッチをしましたが、治らないです。
とのことでした。
走ると腰が痛いAさんの腰の状態
早速、Aさんの腰の状態を見させてもらいました。
すると、
腰を曲げるとこの辺りの角度で痛くて、これ以上曲げられないとのこと。

反る方は曲げる方ほどではないようですが、ここまで反ると痛いとのこと。

Aさんの筋膜の状態
次にAさんの筋膜をチェックしていきました。
すると、痛いのは腰ですが、以下の場所に筋膜が硬い場所が見つかりました。
- 足首
- モモ
- 臀部
- 背中
- 腹筋
- 肩甲骨周り

このように、筋膜は全身に繋がっているため、腰が痛いからと言って腰に原因があるとは限らず、腰と繋がっているどこかの場所に原因がある事が多いです。

ですので、いくら腰だけマッサージしても治らない人は多く、特にゴルフで腰痛になる人も腰〜下半身の筋膜にかけて硬くなっている人が多い印象です。
Aさんの腰痛はどうなったか?
次は上の図で示した、Aさんの硬い筋膜をマッサージしていきました。
まずはこの動画をご覧ください。
Aさんの場合、筋膜の硬い部分が多くあったので、施術の回数が3回かかってしまいましたが、腰痛は改善しました!
ちなみに、Aさんの場合は足首の付け根の筋膜が特に硬くなっており、そこの筋膜をほぐした後が、痛み可動域ともに1番効果がありました。
このように、腰が痛いケースでは1〜3回以内の施術で改善するケースが多いです。

ですので、筋肉をマッサージするよりも、筋膜の硬い場所を見つけてマッサージする方が腰痛が改善する人は多いです。
当院で行っている筋膜の施術に関しては、以下の動画と記事にも詳しく書いてあります。
それでも腰痛が治らない人は

今回紹介したマッサージでゴルフの時の腰痛が改善する人もいれば、あまり変わらない人もいると思います。
あまり変わらない人は、自分でやるには限界があると思いますので、私たちプロに任せてください。
実際に、当院にはゴルフで腰痛になってしまった人が多く来られていますが、多くの人が1〜3回以内の施術で改善しています。
もちろん、あなたも必ず1〜3回以内に腰痛が改善するとは言い切れませんが、他の整体よりは早く改善できる自信があります。
今すぐ痛みをどうにかしたい方はぜひ、スポーツ関連の痛みにも強い当院へ、お気軽にお問い合わせください。
投稿者プロフィール

- 【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。
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