スポーツや趣味のランニングで、急な激しい痛みに襲われる「肉離れ」。
スポーツを頑張る中高生やアスリートにとって、大会前や練習中に痛みでトレーニングができなくなってしまうのは大きな悩みです。
そんな「肉離れ」には、早く治すコツがあります。本記事では、体のプロである理学療法士が肉離れの正しい知識と、効果的なストレッチ法を徹底解説します。
目次
肉離れとは?【原因と症状】
肉離れとは、筋肉の一部が裂けることを指し、医学的には筋挫傷と呼ばれています。
このケガは、瞬発的な動きや急なストップなどによって、筋肉にかかる負担が大きくなったときに発生します。
筋肉が普段以上の力を求められるとき、身体はその負荷に耐えられなくなり、結果として肉離れにつながります。
特に、不十分なウォーミングアップや筋肉の疲労が蓄積している状態では、肉離れのリスクが高まります。
肉離れをしやすいのは、太ももとふくらはぎ
肉離れは主に太ももやふくらはぎの筋肉に多く見られます。
通常、ダッシュやジャンプなどの動作が関連しているため、これらの部位は特に注意が必要です。
太ももの裏側や内側は力を入れる機会が多く、瞬発的に過度の緊張が生じやすいです。
一方で、ふくらはぎも走る動作の際に重要であり、急な方転やストップ時に強い負担がかかります。
したがって、事前のマッサージやストレッチが有効であり、これにより筋肉の柔軟性を高め、肉離れを予防することが可能です。
肉離れの症状は?
肉離れの症状は重度によって異なりますが、一般的には激しい痛みと共に肉が切れるような感覚を経験します。
場合によっては「ブチッ」という音が聞こえることもあり、痛みが生じるとその部分を動かせなくなります。
この痛みは、筋肉の繊維が断裂し、いわゆる内出血が引き起こすものであり、その箇所が膨らんで腫れるケースも見受けられます。
軽度の場合は、痛みを感じるものの日常生活に支障がない場合もあります。
しかし、外見上の変化が少ないからといって油断するのは禁物です。
早期の症状を見逃さず、適切な対処を行うことが回復に向けた第一歩となります。
肉離れを早く治すコツ【応急処置】
肉離れを早く治すコツは、受傷直後に正しい応急処置をすることです。
応急処置として効果的なのは、RICE(Rest:安静、Ice:アイシング、Compression:圧迫、Elevation:心臓より高い位置へ)処置です。
まず、肉離れが起きた直後は、無理に力を加えず、早急に安静にすることが必要です。
次に、患部をアイシングすることで、血の流出や腫れを防ぎ、血流を冷却して痛みを和らげます。
その後、圧迫バンドやテーピングを使用して、患部を適度に固定しながら圧迫することで、血流や腫れをさらに抑えます。
更に、患部を心臓よりも高い位置に固定(Elevation)することで、腫れや内出血を抑制し、悪化する可能性を最小限に抑えることができます。
肉離れを早く治すコツ3つ【おすすめストレッチも】
肉離れを早く治すための基本的な3つのコツは、
- 適切なストレッチ・マッサージをする
- 必要な栄養を摂る
- 専門家に見てもらう
の3つです。
肉離れを早く治す【ストレッチ・マッサージ】
柔軟性を維持・向上させるために重要なのが、適切なストレッチとマッサージです。
ストレッチやマッサージは血流を促進し、結果として痛みの軽減や炎症の早期回復につながります。
しかし、注意すべき点もあります。
ストレッチやマッサージは、時期や方法が不適切であると、逆に筋肉への負担を増し、症状を悪化させるおそれがあります。
ふくらはぎの肉離れに効果的な2つのストレッチ方法を動画でご紹介しますで、ぜひ実践してみてください。
- 両手を壁につけ足を前後に広げる
- 前の膝は曲げ、後ろは伸ばし踵をつける
- 後ろ足のふくらはぎが伸びている状態でキープ
- 左右20〜30秒じっくりとストレッチ
- 椅子に浅く座り、片足を前に伸ばす
- 膝をまっすぐに伸ばした状態で徐々に体を前に倒す
- 膝裏が伸びている状態で20〜30秒キープ
- ※痛みのない範囲で行いましょう
筋肉の回復に必要な栄養を摂る
肉離れが発生した場合、損傷部位の回復を早めるために、食事で栄養を摂取することは最も大切です。
筋肉の構成成分であるタンパク質は筋繊維の修復に必須であり、常日頃からの確実な摂取が推奨されます。
さらに、ビタミンCも筋肉の修復に重要な役割を果たします。
食事での栄養管理が難しい場合でも、方法の一つとして、タンパク質が豊富なプロテイン含有のサプリメントなどの併用も効果的です。
また、筋肉の50%以上を占める水分補給が不足すると、筋肉の修復が遅くなる可能性があるため、水分摂取も忘れてはなりません。
以上のように、肉離れの予防と損傷部位の適切な回復には、タンパク質をはじめとする栄養素の摂取と、水分補給が重要です。
専門家に見てもらう
応急処置までは自分でもできますが、その後の治療では専門家の指導が早期回復のカギとなります。
傷は深さや回復の度合いが異なるため、どの段階で何をすべきか、正確に判断するのは個人では困難なケースもあります。
自己判断で治療を行うと痛みの悪化や、再発のリスクが高まる可能性もあります。
肉離れの早期回復と再発防止を図るには、定期的に医師や理学療法士に診てもらうことを強くおすすめします。
肉離れを早く治すコツ【今すぐどうにかしたい人へ】
「応急処置もしっかりできてストレッチやマッサージを取り入れたのに、なかなか痛みが良くならない…」
そんな時は、セルフケアの限界かもしれません。
中には、数ヶ月前の肉離れの痛みがずっと続きスポーツのパフォーマンスがさがってしまったり、再発してしまう人もいます。
そんな時は、一度わたしたち理学BODYにご相談ください。
理学BODYでは、あなたの痛みの原因がどこにあるのかを徹底的に調べます。
ふくらはぎの肉離れだからといってふくらはぎだけをみるのではなく、全身の状態をみてから痛みの原因となる部分へアプローチをしていきます。
つらい痛みや症状を根本から改善できるよう施術をしていきます。
もし病院や治療院へ通ってもなかなか症状が改善しない場合は、カラダのプロである私たちに一度ご相談ください。
肉離れを早く治すなら避けるべき【NG行動4つ】
肉離れの治療を進める上で注意すべきNG行動は
- 無理なストレッチ
- 温湿布で温める
- 入浴
- 飲酒
の4つです。それぞれについて詳しく解説していきます。
無理なストレッチ
無理なストレッチは絶対NGです。断裂した筋肉組織がさらに傷つく可能性があります。
肉離れの疑いがある場合は、自己判断をするよりも整形外科で詳しい診断を受け、肉離れの度合いを正確に把握しましょう。
適切な治療を行わなければ、いつまでたっても完治せず、常に痛みとともに生活することになりかねません。
回復状況に合わせて、筋肉の痛みが和らいだら、ゆっくりとリハビリを開始するのがおすすめです。
温湿布で温める
肉離れを起こした際には一般的に冷却することが推奨されます。
温湿布などで温めてしまうと、患部の炎症や内出血を悪化させる可能性があります。
さらに炎症部分を温めることで、治癒までに時間がかかってしまうため、温湿布の使用は避けましょう。
入浴
入浴により肉離れの箇所を温めると、血行が促進され肉離れの炎症を悪化させてしまう可能性があります。
炎症が治るまでは、入浴は湯船に浸からず、シャワーのみの利用をおすすめします。
患部を温めないように注意しましょう。
飲酒
アルコールは血管を拡張させる働きがあるため、炎症の強い時期に飲酒してしまうと、血流が増え炎症や内出血を悪化させる可能性があります。
また、アルコールは脱水症状を引き起こす傾向にあるため、水分が不足し、血行が悪化する恐れもあります。
肉離れの早期回復・重症化を予防するためには、飲酒は控えましょう。
十分な水分補給と睡眠を心がけることで、筋繊維の修復を促進し、肉離れの早期回復を目指しましょう。
肉離れを早く治すコツ【まとめ】
肉離れを早く治すためには、いくつかの重要なポイントがあります。
まず、肉離れの受傷直後は適切な応急処置を行い、避けるべき行動に注意して過ごしましょう。
内出血や腫れ、痛みが強い場合は直ちに整形外科を受診するのも重要です。
痛みが落ち着いてきたら、ストレッチやマッサージで少しずつ回復を目指しましょう。
なかなか良くならない人は、専門家に頼るのも有効です。
肉離れの痛みを、いますぐどうにかしてほしい。
そんな方はぜひ、私たち理学ボディにご相談ください。
確かな実績をもとに、改善に向けて全力でサポートさせていただきます。
肉離れを早く治すコツ【よくある質問】
ここでは肉離れに関するよくある質問を取り上げていきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
肉離れに湿布は有効ですか?
肉離れの直後は湿布は有効ではありません。
そもそも肉離れの発生直後は、患部の炎症をいち早く静めることが重要です。
そこで重要となるのがアイシングです。
アイシングは患部を冷却し炎症を抑える働きがありますが、湿布には冷却の効果はほとんどありません。
湿布はメントールが含まれるため冷感を感じますが、冷却の効果はほとんどないんです。
消炎鎮痛成分を含むため、炎症がある程度治まり医師の許可が出てから使用することをお勧めします。
肉離れを早く治すのにテーピングは必要ですか?
肉離れを患った際にはテーピングが有効な治療法の一つです。
テーピングによる適度な圧迫は、無駄な筋肉の動きを抑制し、二次的な損傷を防ぐだけでなく、患部の痛みやむくみをやわらげる効果も期待できます。
さらに筋肉への適切な負荷を保つことで筋力の低下を予防し、肉離れの早期回復に有効な手段となります。
ただし、テーピングには注意点があります。
不適切な方法でテーピングを行うと、逆に症状を悪化させてしまう可能性があるのです。
必ず専門家に正しい方法を教えてもらいながら、使用するようにしましょう。
投稿者プロフィール
- 【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。
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