スポーツや趣味のランニング中、急な激しい痛みに襲われる「肉離れ」。
中高生の部活生や大会を控えたアスリートにとって、1日でも早く治したい!というのが本音ではないでしょうか。
実は、肉離れには早く治すための3つの重要なコツがあります。
逆に、やり方を間違えると、治りが遅くなったり、再発したりすることもあるため注意が必要です。
本記事では、体のプロである理学療法士が、肉離れを早く治すための正しい対処法や注意点、効果的なストレッチ方法まで徹底的に解説します。
少しでも早く元の生活やトレーニングに戻るために、正しい知識を身につけておきましょう。
目次
肉離れとは?【原因と症状】
肉離れとは、筋肉の一部が裂けることを指し、医学的には筋挫傷と呼ばれています。
このケガは、瞬発的な動きや急なストップなどによって、筋肉にかかる負担が大きくなったときに発生します。
筋肉が普段以上の力を求められるとき、身体はその負荷に耐えられなくなり、結果として肉離れにつながります。
特に、不十分なウォーミングアップや筋肉の疲労が蓄積している状態では、肉離れのリスクが高まります。
肉離れをしやすいのは、太ももとふくらはぎ
肉離れは主に太ももやふくらはぎの筋肉に多く見られます。
通常、ダッシュやジャンプなどの動作が関連しているため、これらの部位は特に注意が必要です。
太ももの裏側や内側は力を入れる機会が多く、瞬発的に過度の緊張が生じやすいです。
一方で、ふくらはぎも走る動作の際に重要であり、急な方転やストップ時に強い負担がかかります。
したがって、事前のマッサージやストレッチが有効であり、これにより筋肉の柔軟性を高め、肉離れを予防することが可能です。
肉離れの症状は?
肉離れの症状は重度によって異なりますが、一般的には激しい痛みと共に肉が切れるような感覚を経験します。
場合によっては「ブチッ」という音が聞こえることもあり、痛みが生じるとその部分を動かせなくなります。
この痛みは、筋肉の繊維が断裂し、いわゆる内出血が引き起こすものであり、その箇所が膨らんで腫れるケースも見受けられます。
軽度の場合は、痛みを感じるものの日常生活に支障がない場合もあります。
しかし、外見上の変化が少ないからといって油断するのは禁物です。
早期の症状を見逃さず、適切な対処を行うことが回復に向けた第一歩となります。
肉離れを早く治すコツ【応急処置】
肉離れを早く治すには、発症直後に「RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)」という正しい応急処置を行うことが重要です。
- 安静(Rest):無理に力を加えず、早急に安静にする
- 冷却(Ice):患部をアイシングすることで、血の流出や腫れを防ぎ、血流を冷却して痛みを和らげる
- 圧迫(Compression):圧迫バンドやテーピングを使用して、患部を適度に固定しながら圧迫することで、血流や腫れをさらに抑える
- 挙上(Elevation):患部を心臓よりも高い位置に固定することで、腫れや内出血を抑制し、悪化する可能性を最小限に抑える
肉離れを早く治すコツ3つ【おすすめストレッチも】
肉離れを早く治すための基本的な3つのコツは、
- 適切なストレッチ・マッサージをする
- 必要な栄養を摂る
- 専門家に見てもらう
の3つです。
肉離れを早く治す【ストレッチ・マッサージ】
ストレッチやマッサージは血流を促進し、柔軟性の向上や痛みの軽減、炎症の早期回復に役立ちます。
ただし、実施する時期や方法が不適切だと、逆に筋肉への負担が増して症状を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、ふくらはぎやもも裏の肉離れに効果的なストレッチ方法を2つ紹介します。無理のない範囲で実践してみてください。
- 両手を壁につけ足を前後に広げる
- 前の膝は曲げ、後ろは伸ばし踵をつける
- 後ろ足のふくらはぎが伸びている状態でキープ
- 左右20〜30秒じっくりとストレッチ
- 椅子に浅く座り、片足を前に伸ばす
- 膝をまっすぐに伸ばした状態で徐々に体を前に倒す
- 膝裏が伸びている状態で20〜30秒キープ
- ※痛みのない範囲で行いましょう
筋肉の回復に必要な栄養を摂る
肉離れが発生した場合、損傷部位の回復を早めるためには、食事からの栄養補給が最も重要です。
筋肉の構成成分であるタンパク質は、筋繊維の修復に欠かせない栄養素であり、日頃から意識して摂取することが推奨されます。
さらに、ビタミンCも筋肉の回復を助ける働きがあるため、合わせて摂取したい栄養素です。
食事だけで十分な栄養を摂るのが難しい場合には、プロテインなどのサプリメントを活用するのも効果的です。
また、筋肉の50%以上は水分で構成されているため、水分不足によって修復が遅れる可能性もあります。こまめな水分補給も忘れずに行いましょう。
専門家に見てもらう
肉離れの早期回復と再発予防には、専門家による指導がカギとなります。
応急処置までは自分でも対応できますが、その後の判断を誤ると、痛みが長引いたり、再発のリスクが高まるおそれがあります。
実際、筋肉の損傷は深さや回復速度に個人差があり、適切な処置のタイミングを見極めるのは簡単ではありません。
そのため、自己判断での対応は避け、医師や理学療法士などの専門家に診てもらうことを強くおすすめします。
肉離れを早く治すコツ【今すぐどうにかしたい人へ】
「応急処置もしっかりできてストレッチやマッサージを取り入れたのに、なかなか痛みが良くならない…」
そんな時は、セルフケアの限界かもしれません。
中には、数ヶ月前の肉離れの痛みがずっと続きスポーツのパフォーマンスがさがってしまったり、再発してしまう人もいます。
そんな時は、一度わたしたち理学BODYにご相談ください。
理学BODYでは、あなたの痛みの原因がどこにあるのかを徹底的に調べます。
ふくらはぎの肉離れだからといってふくらはぎだけをみるのではなく、全身の状態をみてから痛みの原因となる部分へアプローチをしていきます。
つらい痛みや症状を根本から改善できるよう施術をしていきます。
もし病院や治療院へ通ってもなかなか症状が改善しない場合は、カラダのプロである私たちに一度ご相談ください。
肉離れを早く治すなら避けるべき【NG行動4つ】
肉離れの治療を進める上で注意すべきNG行動は
- 無理なストレッチ
- 温湿布で温める
- 入浴
- 飲酒
の4つです。それぞれについて詳しく解説していきます。
無理なストレッチ
無理なストレッチを行うと、断裂した筋肉がさらに傷つき、かえって回復を遅らせてしまう恐れがあります。
自己判断でストレッチを行うのではなく、まずは整形外科で詳しい診断を受け、肉離れの度合いを正確に把握することが大切です。
適切な治療を受けずに放置すると、いつまでも完治せず、痛みが慢性化したり、日常生活に支障をきたす可能性もあります。
筋肉の痛みが和らいできたら、回復状況に合わせて、無理のない範囲でリハビリを始めましょう。
温湿布で温める
肉離れを起こした直後は、温湿布で患部を温めるのは避けるべきです。
炎症や内出血が起きている状態で温めてしまうと、血流が促進されて炎症が悪化し、かえって治癒に時間がかかる恐れがあります。
そのため、初期の応急処置としては冷却(アイシング)が基本です。
温める処置は、炎症が落ち着いた回復期に入ってから行うようにしましょう。
入浴
湯船に浸かって肉離れの箇所を温めると、血行が促進されて炎症が悪化し、回復が遅れる可能性があります。
そのため、炎症が治まるまでは、湯船は避けてシャワーのみで済ませることをおすすめします。
また、患部を温めないよう、お湯の温度や浴び方にも注意しましょう。
飲酒
肉離れの早期回復や重症化の予防には、飲酒は控えるのが大切です。
アルコールは血管を拡張させる作用があり、炎症や内出血を悪化させるおそれがあります。
また、アルコールは脱水症状を引き起こしやすく、水分不足によって血流が悪化すると、筋肉の修復が遅れる原因にもなります。
回復を早めるには、十分な水分補給と質の良い睡眠を心がけましょう。
肉離れを早く治すコツ【まとめ】
肉離れを早く治すには、初期対応とその後の過ごし方が非常に重要です。
まず、受傷直後には「RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)」を行い、炎症や内出血の悪化を防ぎましょう。
そのうえで、早期回復を目指すための3つのコツは、
- 適切なストレッチ・マッサージをする
- 必要な栄養を摂る
- 専門家に診てもらう
です。
反対に、以下のようなNG行動は、回復を遅らせたり、悪化させる原因となるため注意が必要です。
- 無理なストレッチ
- 温湿布で温める
- 入浴
- 飲酒
これらを避けながら、正しい対処を継続することが、肉離れを早く治すための近道です。
肉離れの痛みを、いますぐどうにかしてほしい。
そんな方はぜひ、私たち理学ボディにご相談ください。
確かな実績をもとに、改善に向けて全力でサポートさせていただきます。
肉離れを早く治すコツ【よくある質問】
ここでは肉離れに関するよくある質問を取り上げていきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
肉離れに湿布は有効ですか?
肉離れの直後は湿布は有効ではありません。
そもそも肉離れの発生直後は、患部の炎症をいち早く静めることが重要です。
そこで重要となるのがアイシングです。
アイシングは患部を冷却し炎症を抑える働きがありますが、湿布には冷却の効果はほとんどありません。
湿布はメントールが含まれるため冷感を感じますが、冷却の効果はほとんどないんです。
消炎鎮痛成分を含むため、炎症がある程度治まり医師の許可が出てから使用することをお勧めします。
肉離れを早く治すのにテーピングは必要ですか?
肉離れを患った際にはテーピングが有効な治療法の一つです。
テーピングによる適度な圧迫は、無駄な筋肉の動きを抑制し、二次的な損傷を防ぐだけでなく、患部の痛みやむくみをやわらげる効果も期待できます。
さらに筋肉への適切な負荷を保つことで筋力の低下を予防し、肉離れの早期回復に有効な手段となります。
ただし、テーピングには注意点があります。
不適切な方法でテーピングを行うと、逆に症状を悪化させてしまう可能性があるのです。
必ず専門家に正しい方法を教えてもらいながら、使用するようにしましょう。
投稿者プロフィール

- 【青山筋膜整体 理学BODY WEB編集長】理学療法士歴10年以上 総合病院⇨介護・予防分野⇨様々な経験を経て独立。臨床で得た知識をもとに、書籍の執筆・WEB発信・セミナー講師など分野問わず活動中。