梨状筋症候群でやってはいけないこと|悪化させる5つのNG習慣を理学療法士が解説!

梨状筋症候群でやってはいけないこと

この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)

世界レベルの筋膜施術『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』を修得。全国100店舗超の「通わせない整体」として3回以内の最短で改善するアプローチを目指すプロフィール詳細→

木城先生

梨状筋症候群は、お尻の奥にある梨状筋という筋肉が硬くなることで、その近くを通る坐骨神経を圧迫し、お尻や足にしびれや痛みを引き起こす状態です。

症状を改善するためには、日常生活の中に潜む悪化させる習慣を見直すことが不可欠です。

もし症状を放置してしまうと、痛みが慢性化したり、しびれで歩くのが困難にある可能性もあります。

まずは、どのような行動が梨状筋に負担をかけるのかを正しく理解し、避けることから始めましょう。

梨状筋症候群の痛みを長引かせる『NG行動』とは?

梨状筋症候群による痛みを早く治したい一心で、自己流のマッサージやストレッチを試す方は少なくありません。

しかし、そのケアが症状を悪化させているケースがあります。

梨状筋が硬くなる原因の一つに、筋肉を包む「筋膜」が硬くなり、滑りが悪くなる「癒着」という状態があります。

梨状筋
痛みを我慢して無理にストレッチをしたり、強くマッサージしたりすると、この筋膜の癒着を助長したり、神経を過剰に刺激してしまい、かえって痛みを長引かせる原因になりかねません。

梨状筋症候群におすすめの正しい筋膜リリースのやり方については筋膜リリースでお尻ほぐし!だれでも簡単なやり方を理学療法士が解説!で詳しく紹介しています。

 

【症状別】梨状筋症候群でやってはいけない5つのこと

梨状筋症候群の症状は、お尻から足にかけての痛みやしびれが主ですが、その現れ方は人それぞれです。

また、似たような症状を引き起こす疾患に椎間板ヘルニアなどがあり、自己判断で間違ったケアを続けると症状が悪化するリスクも伴います。

ここでは、梨状筋症候群の人が特に避けるべき5つの行動を具体的に解説します。ご自身の生活習慣と照らし合わせながら、改善のヒントを見つけてください。

NG①:長時間デスクワークで同じ姿勢を続ける

デスクワークや長距離の車の運転などで長時間座り続けると、お尻にある梨状筋が持続的に圧迫され、血行が悪くなります

特に猫背や浅く腰掛けるような悪い姿勢は骨盤を後ろに傾け、梨状筋を不自然に引き伸ばしたり、圧迫を強めてしまうため、筋肉の緊張をさらに高めます。

座り姿勢

同じ姿勢が続くと、筋肉や筋膜がその形で固まってしまい、いざ動こうとしたときに痛みが出やすくなるのです。

長時間の運転も同様に梨状筋に負担をかけるため注意が必要です。

座ると腰が痛い原因と対処法については「座ると腰が痛い原因と姿勢改善ストレッチ」で詳しく紹介しています。

NG②:足を組んだり、あぐらをかいたりする座り方の癖

無意識に行っている座り方の癖も、梨状筋症候群の症状を悪化させる一因です。

足を組むと、骨盤が左右非対称にねじれ、片側の梨状筋が過度に引き伸ばされてしまいます

このアンバランスな状態が続くことで、筋肉にストレスがかかり続けます。
また、床にあぐらをかいて座る姿勢は、股関節を常に外に開く形になるため、梨状筋が収縮して緊張しやすい状態を作り出します。

あぐら座

これらの癖は、梨状筋への負担を増大させるため、痛みがある際は、特に避けるべきです。

NG③:痛みを我慢して行う無理なストレッチ

痛みは体からの危険信号です。痛みやしびれが出ているときに、それを我慢して無理にストレッチを行うと、筋肉や神経を傷つけてしまう可能性があります。

特に、症状が出始めたばかりの急性期には、梨状筋やその周辺組織に炎症が起きていることも少なくありません。

そのような状態で無理に伸ばそうとすると、炎症をさらに悪化させ、回復を遅らせる原因になります。

ストレッチは「痛気持ちいい」と感じる範囲で行うのが原則であり、強い痛みを感じる場合はすぐに中止してください。

NG④:テニスボールや筋膜リリースボールで強すぎるマッサージ

硬くなった筋肉をほぐすために、テニスボールなどを使ってお尻をマッサージする方法がありますが、強すぎる刺激は禁物です。

梨状筋のすぐ近くには坐骨神経が走行しており、力任せに圧迫すると神経そのものを直接刺激してしまう危険があります。

良かれと思って行ったマッサージで、かえってしびれや痛みが強くなるケースは少なくありません。

痛みの引き金となるトリガーポイントを正確に捉えるには専門的な知識が必要なため、自己流で強く押しすぎるのは避けましょう。

筋膜リリースボールを使った正しいマッサージのやり方は「筋膜リリースボールの効果と使い方|理学療法士が選び方とおすすめを紹介!」でわかりやすく解説しています。

NG⑤:身体を冷やして血行を悪くする習慣

身体の冷えは血行不良の大きな原因です。気温の低い場所で長時間過ごしたり、薄着をしたり、冷たい床に直接座ったりすると、血管が収縮して筋肉への血流が滞ります。

血行が悪くなると、筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らず、筋肉が硬くなりやすくなります。

また、痛みを感じさせる発痛物質も血流によって運び去られにくくなるため、痛みが長引きやすくなります。

特に下半身の冷えは梨状筋の緊張に直結するため、服装や生活環境を見直すことが重要です。

梨状筋症候群の悪化を防ぐ|今日からできる3つの対策

梨状筋症候群の症状を悪化させないためには、日常生活での負担を減らす工夫が大切です。

ここでは、専門的な知識がなくても今日からすぐに実践できる、簡単で効果的な3つの対策を紹介します。

習慣に取り入れることで、梨状筋へのストレスを軽減し、症状の改善をめざしていきましょう。

対策①:座りっぱなしを防ぎ、定期的に立ち上がる

デスクワークや運転などで座る時間が長い場合は、意識的に休憩を挟むことが極めて重要です。

少なくとも30分から1時間に一度は立ち上がり、その場で数回足踏みをしたり、少し歩き回ったりするだけでも効果があります。

これにより、圧迫されていた梨状筋やその周辺の血流が促進され、筋肉が固まってしまうのを防ぎます。

水分補給やトイレ休憩のタイミングなどを活用する、タイマーをセットするなどして、定期的に立ち上がる習慣をつけましょう。

対策②:クッションを使い、お尻への負担を軽減する

座っているときのお尻への負担を直接的に減らすには、クッションの活用が有効です。

特に、坐骨(座ったときに椅子に当たる骨)への圧力を分散させてくれる体圧分散タイプのクッションや、中央に穴が開いているドーナツ型のクッションなどがおすすめです。

これらのクッションを使用することで、梨状筋への直接的な圧迫を和らげ、長時間の座位による血行不良を軽減できます。

木製の椅子や座面が硬い椅子を利用している人は、ぜひ試してみてください。

座ると尾てい骨が痛い場合の対処法については「座ると尾てい骨が痛い原因と今すぐできる対処法」で詳しく紹介しています。

対策③:ぬるめのお風呂で身体をじっくり温める

シャワーだけで済ませず、湯船に浸かって身体を温めることも有効な対策です。

38℃から40℃程度のぬるめのお湯に15分ほどゆっくり浸かることで、全身の血行が促進されます。
血行が良くなると、筋肉の緊張が和らぎ、梨状筋の硬さをほぐす助けになります。

また、体を温めることによるリラックス効果は、痛みによる精神的なストレスの軽減にもつながります。

入浴は、一日の疲労と筋肉の緊張をリセットする良い機会です。

症状が落ち着いたら 梨状筋症候群におすすめのセルフケア

梨状筋症候群のセルフケアは、症状の改善と再発予防に役立ちますが、行うタイミングが重要です。

痛みが強く、動かすのもつらい急性期には安静を優先し、無理に動かすのは避けましょう。

症状が少し落ち着いてきたら、リハビリテーションの一環として、これから紹介するような優しいストレッチから始めてみてください。

あくまでも痛みのない範囲で、ゆっくりと行うことがポイントです。

椅子に座ったままできる!簡単なお尻のストレッチ

デスクワークの合間にも手軽にできる、梨状筋を伸ばすストレッチです。

1.椅子に深く腰掛け、背筋をまっすぐ伸ばします。

2.伸ばしたい側のお尻の足首を、反対側の膝の上に乗せます。数字の「4」の形になるように足を組みます。

3.背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上半身を前に倒していきます。

4.お尻の筋肉が心地よく伸びているのを感じる位置で、20〜30秒間キープします。

このとき、呼吸を止めないように意識し、反動をつけずに行うことが大切です。

寝ながらできる!股関節周りのストレッチ

就寝前などリラックスした状態で行える、股関節周りの柔軟性を高める体操です。

1.仰向けに寝て、両膝を立てます。

2.ストレッチしたい側の足首を、反対側の太ももの上に乗せます。

3.床についているほうの足の、太ももの裏側を両手で持ちます。

4.ゆっくりと両手で太ももを胸の方向に引き寄せ、お尻の伸びを感じる位置で20〜30秒間キープします。

腰が床から浮かないように注意し、痛みを感じる場合は引き寄せる力を弱めて調整してください。

セルフケアでもよくならない場合

紹介した対策やセルフケアを一定期間続けても、痛みやしびれが改善しない、あるいは悪化する場合には、自己判断での対処を中止し、専門家へ相談することを強く推奨します。

まずは整形外科などの医療機関を受診し、レントゲンやMRIなどの画像検査で、骨や神経に異常がないか正確な診断を受けることが重要です。

その上で、理学療法士など専門家のいる整体で、筋肉や筋膜へのアプローチを得意とする専門家と連携しながら、症状に合った適切な施術を受けることが改善への近道となります。

闇雲に近くの整体や整骨院に向かうのではなく、きちんと対処してくれる店舗を見極めることも重要です。

お金と時間を無駄にせずに、効果を出せる治療院の選び方は「整体・整骨院は高いし通えない人必見!5つの対処法と通えない人におすすめの情報」の記事で解説しています。

梨状筋症候群でやってはいけないこと【よくある質問】

ここでは、梨状筋症候群に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で解説します。

梨状筋症候群のとき、ウォーキングなどの運動はしても大丈夫ですか?

痛みが強い時期の運動は避け、安静にしてください

症状が落ち着いている場合は、短時間のウォーキングなど軽い運動から始め、痛みがでないか確認しながら行いましょう。

無理な運動は症状を悪化させます。

野球など急な動きを伴うスポーツへの復帰は、医師の判断を仰ぐべきです。歩行が困難であったり、歩けなくなるほどの痛みがある場合は、運動は中止してください。

症状を悪化させないための寝るときの姿勢はありますか?

仰向けで膝の下にクッションや丸めたタオルを入れ、膝を軽く曲げた姿勢がおすすめです。

横向きで寝る場合は、抱き枕を利用したり、両膝の間にクッションを挟んだりすると、梨状筋への負担が軽減されます。

夜、寝るときに痛む方は、自分にとって最も楽な姿勢を見つけることが大切です。

うつ伏せ寝は腰や股関節に負担がかかるため、できるだけ避けましょう。

梨状筋症候群は、温めるのと冷やすのではどちらが効果的ですか?

基本的には、症状が出始めたばかりで熱感やズキズキする痛みがある急性期には冷やし、慢性的な鈍い痛みや筋肉の硬さが続く場合は温めるのが効果的です。

急な痛みや炎症が起きている場合はアイシングで症状を鎮静させます。

一方、普段からの血行不良が原因の場合は、温めることで筋肉の緊張が和らぎ、痛みが軽減しやすくなります。

判断に迷う場合は専門家に相談してください。

まとめ

梨状筋症候群の症状を悪化させないためには、長時間の同じ姿勢、不適切な座り方、痛みを我慢したストレッチや強すぎるマッサージ、そして身体の冷えといったNG習慣を避けることが重要です。

日常生活では、定期的に立ち上がったり、クッションを利用したり、身体を温めたりする工夫を取り入れましょう。

症状が落ち着いたら、痛みのない範囲で穏やかなセルフケアを行うことも有効です。

これらの対策を試しても改善が見られない場合は、自己判断を続けず、整形外科や整体院などの専門家に相談してください。

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投稿者プロフィール

kaho nagashima
kaho nagashima理学療法士/WEBメディア編集長
10年以上の医療・介護の現場経験を経て独立。著書に6刷を達成した『高齢者のからだ図鑑』など(Gakken出版)。現在は、東京都の高齢福祉事業にも従事。さまざまな現場経験をもとに、執筆・WEB発信・大学での講師業など分野問わず活動中。

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