肩甲骨の内側が、いつも痛い
背骨と肩甲骨の間がつらくなる
多くのデスクワーカーを悩ませる肩甲骨の内側のあたりの「こり」や不快感。
時にズキズキ痛む、ゴリゴリとした不快感がある、という悩みを抱えている人は少なくありません。
そのしつこい「こり」は、マッサージをしてもなかなか解消されず、悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、理学療法士の視点から、
- 肩甲骨内側のこりの正体
- 原因となる生活習慣
- 考えられる病気の可能性
- 今日から実践できる簡単なセルフケア方法
までを詳しく解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
目次
あなたの肩甲骨内側のこり、ゴリゴリの正体とは?
肩甲骨内側の不快なこりやゴリゴリ感の正体は、多くの場合、特定の筋肉が硬くこわばっていることにあります。
背中にある複数の筋肉が肩甲骨の動きに関わっていますが、特にこりの原因となりやすいのが「菱形筋」「肩甲挙筋」「僧帽筋」の3つです。
これらの筋肉がなぜこってしまうのか、それぞれの役割と合わせて見ていきましょう。
肩甲骨を寄せる「菱形筋」の疲労
菱形筋は、背骨と左右の肩甲骨の内側をつなぐひし形の筋肉です。主な働きは、肩甲骨を背骨に向かって引き寄せることです。
しかし、デスクワークやスマホ操作で猫背の姿勢が続くと、肩甲骨が外側に開いたままになり、菱形筋は常に引き伸ばされた状態になります。
この持続的な緊張が血行不良を招き、筋肉が疲労して硬くなることで、肩甲骨の内側に痛みやこりを生じさせます。
首から肩甲骨につながる「肩甲挙筋」の緊張
肩甲挙筋は、首の骨から肩甲骨の上部につながる筋肉で、肩甲骨を上に引き上げる働きを担っています。この筋肉は、精神的なストレスや長時間のデスクワークなどで無意識に肩に力が入ると緊張しやすくなります。
肩甲挙筋が硬くなると、首から肩にかけての血行が悪化し、肩こりはもちろん、肩甲骨内側のこりや痛みの原因にもなります。
背中の広い範囲を覆う「僧帽筋」のこわばり
僧帽筋は、首筋から肩、そして背中の中央部までを覆う大きな筋肉です。一般的に、肩こりの原因筋として知られるのは上部の繊維ですが、中部や下部の繊維も肩甲骨の動きに深く関わっています。
猫背などの不良姿勢が続くと、僧帽筋全体が緊張して硬くなり、血行が悪化します。
これにより、背中の広い範囲にこりや重だるさを感じ、肩甲骨内側の不快な症状にもつながります。
なぜこるの?肩甲骨内側に負担をかける3つの生活習慣
肩甲骨内側のこりを引き起こす筋肉の疲労は、日々の何気ない生活習慣から生まれます。
特に、現代のライフスタイルにありがちな姿勢の癖やストレスが、知らず知らずのうちに筋肉へ大きな負担をかけています。
ここでは、こりの根本原因となる代表的な3つの生活習慣について解説します。
長時間のデスクワークやスマホ操作による猫背姿勢
パソコン画面をのぞき込んだり、スマートフォンを操作したりする際に、頭が肩より前に出る猫背の姿勢になりがちです。
この姿勢では、重い頭を支えるために首や肩周りの筋肉が常に緊張します。
同時に、背中が丸まることで肩甲骨が外側へ引っ張られ、内側にある菱形筋などが引き伸ばされ続けます。
この持続的な負荷が血行不良を招き、筋肉が硬くこってしまうのです。
肩甲骨が外に開いたまま固まる「巻き肩」の癖
巻き肩とは、両肩が通常より前に出て、内側に入り込んでいる状態を指します。猫背と併発しやすく、デスクワークや横向きで寝る癖などが原因で起こります。
巻き肩になると、胸の筋肉が縮んで硬くなる一方で、背中側の菱形筋や僧帽筋は常に引き伸ばされる状態になります。
この前後アンバランスな筋肉の緊張が、肩甲骨を正しい位置に保つことを困難にし、内側のこりを慢性化させます。
無意識の食いしばりやストレスによる筋肉の緊張
精神的なストレスを感じると、体は防御反応として無意識に筋肉を緊張させます。
特に、睡眠中の歯ぎしりや日中の食いしばりは、あごから首、肩にかけての筋肉を強くこわばらせる原因となります。
この緊張は肩甲骨周りの筋肉にも伝わり、血流を悪化させます。
自覚しにくい習慣ですが、慢性的なこりの背景に、このような心因性の筋緊張が隠れているケースは少なくありません。
ただのこりじゃないかも?痛みの裏に隠れた病気のサイン
多くの場合は筋肉の疲労が原因ですが、中には注意すべき病気が隠れている可能性もあります。
特に、ストレッチやマッサージをしても改善しない、日に日に痛みが強くなる、こり以外の症状があるといった場合は注意が必要です。
ここでは、肩甲骨内側の痛みがサインとなりうる病気について解説します。
背中が張る原因については「背中が張る原因とストレッチ」で詳しく紹介しています。
【内臓の病気】息苦しさや胸の痛みを伴うケース
肩甲骨周辺の痛みは、心臓や肺、すい臓といった内臓の病気が原因で起こる「関連痛」の可能性があります。
例えば、左の肩甲骨内側の痛みは狭心症や心筋梗塞、右側であれば肝臓や胆のうの病気が疑われることもあります。
息苦しさや吐き気、胸の痛み、冷や汗などの症状を伴う場合は、自己判断せず速やかに内科や循環器科を受診してください。
右肩甲骨の突然の痛みについては「右肩甲骨の突然の痛みの原因と対処法」で詳しく紹介しています。
【首の病気】腕や指先にしびれを感じるケース
肩甲骨内側の痛みに加えて、腕や指先にしびれやだるさ、力の入りにくさを感じる場合は、首の骨(頸椎)に問題がある可能性が考えられます。
代表的な病気には、頸椎椎間板ヘルニアや変形性頸椎症などがあります。これらの病気は、首の神経が圧迫されることで肩甲骨周りや腕に痛みやしびれを引き起こします。
症状が続く場合は、整形外科で詳しい検査を受けることが重要です。
セルフケアを続けても痛みが悪化する場合の受診目安
セルフケアを1〜2週間続けても症状が改善しない、または悪化する場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
特に「安静にしていても痛む」「夜間に痛みで目が覚める」「しびれや脱力感がある」「発熱や息苦しさを伴う」といった症状は、単なる筋肉疲労ではないサインです。
まずは整形外科を受診し、必要に応じて内科など他の診療科を紹介してもらうのが適切な流れです。
今日からできる!肩甲骨内側のこりをほぐす簡単セルフケア4選
つらい肩甲骨内側のこりは、原因となっている筋肉を直接ほぐし、血行を促進することで和らげることが期待できます。
専門的な器具がなくても、自宅やオフィスで手軽に実践できるセルフケアは多くあります。
ここでは、家事や仕事の合間に固まった筋肉を効率的にほぐすことができるストレッチやエクササイズ、姿勢の改善方法を4つ紹介します。
【10秒ストレッチ】座ったままできる「菱形筋のばし」
このストレッチは硬くなった、菱形筋を直接伸ばすのに効果的です。
- 椅子に座ったまま両手を体の前で組みます。
- 息を吐きながら組んだ手をゆっくりと前に突き出し同時に背中を丸めていきましょう。
- 目線はおへそをのぞき込むようにします。
- 左右の肩甲骨の間が心地よく伸びているのを感じながら10秒キープしゆっくりと元の姿勢に戻ります。
これを数回繰り返してください。
肩甲骨の動きを広げる 「肩回し」エクササイズ
肩甲骨自体の動きを良くする「肩回し」も有効です。
- まず、両肘を曲げて指先を肩につけます。
- そのまま、肘で大きな円を描くように、ゆっくりと前回しと後ろ回しをそれぞれ5回ずつ行いましょう。
- 肩甲骨が背骨から離れたり寄ったりするのを意識するのがポイントです。
このエクササイズは、肩甲骨周りの血行を促進し、固まった筋肉をほぐして可動域を広げる効果が期待できます。
セルフでできる肩甲骨はがしについては「肩甲骨はがしの効果と自分でできる方法」で詳しく紹介しています。
テニスボールで!こりの原因筋のマッサージ
テニスボールやマッサージボールを使うと、こりの原因となっている筋肉をピンポイントでほぐせます。
- 仰向けに寝て、膝を立てた状態で、一番こりが気になる肩甲骨の内側にボールを置きます。
- ゆっくりと体重をかけ、痛気持ちいいと感じる強さで30秒ほど圧をかけましょう。
- 少し位置をずらしながら、数カ所行うと効果的です。
ただし、骨に直接当てたり、痛みが強い場合は中止してください。
※「筋膜リリースボールの効果と使い方|理学療法士が選び方とおすすめを紹介!」」の記事で、マッサージボールを使った具体的な方法をご紹介しています。
正しい座り方と、デスク環境、姿勢の意識
セルフケアで一時的に楽になっても、根本的な原因である姿勢が改善されなければこりは再発します。
椅子に座る際は、骨盤を立てるよう意識して深く腰掛け、背もたれに軽く背中を預けましょう。
パソコンのモニターは目線の高さに合わせ、顎が前に突き出ないように注意します。
また、30分に一度は立ち上がって体を動かすなど、長時間同じ姿勢を続けない工夫も取り入れましょう。
今すぐつらい肩こりを、どうにかしたい人へ
肩甲骨の内側の痛みや違和感の原因と対処法ついて解説をしていきました。
特に肩甲骨や肩甲骨と繋がっている筋膜が固くなることで、肩の痛み、腕の痺れ、背中の痛み、腰痛などさまざまな症状が引き起こされる可能性があります。
今回ご紹介したセルフケアの方法で、肩の痛みや違和感がすぐに改善する人と、なかなか効果が見られない人がいると思います。
もし、なかなか変わらないな、と感じる方は、セルフケアでは限界となっている可能性があります。
実際に当店にも肩周り不調を持った人が大勢来られますが、多くの人が筋膜をほぐすことで3回程度で改善しています。
肩凝りが酷いと、鎮痛剤を服用していて本当に酷いと薬も効かないくらい。整骨院に通うようになり、鎮痛剤を服用しなくなったが、肩の凝りが取れず、家に帰る頃には、凝りや痛みが再発。 インスタの広告で、前から気になっていた筋膜リリースが目に止まり、一度受けてみようと思い予約しました。まだ、3回ですが1回目からこんなに変化が出たのは初めてです。 長年肩凝りに悩んでる方は、一度受けてみて実感してほしいです。 先生も相談できるし、アフターケアのストレッチも教えてもらえますよ!
当院の施術の特長や、3回以内で痛みを改善へ導く秘訣については、以下の記事(↓)で詳しく解説しています。
関連記事:【リピートさせない整体】3回以内の改善にこだわる『理学ボディ』
もちろん100%全員を改善できるわけではありませんが、他の整体よりはあなたの症状を改善できる自信があります。
ですので、なかなか治らない痛みでお困りの場合は、私たちにお任せください。
肩甲骨内側 こり 原因に関するよくある質問
ここでは、肩甲骨内側のこりに関して、多くの方が抱く疑問について回答します。
肩甲骨の内側が片方だけ(右側・左側)こるのはなぜですか?
利き腕や生活習慣の癖により、左右の筋肉にかかる負担が偏ることが原因です。
例えば、右利きの方がマウスを長時間使うと右の肩甲骨周りに負担が集中します。
また、いつも同じ側の肩にカバンをかける、足を組むといった無意識の癖も、体のゆがみを生み、右または左の片側だけのこりを引き起こします。
寝起きのタイミングで特に肩甲骨の内側が痛む原因は何ですか?
主な原因は、体に合わない寝具の使用や、睡眠中の寝返りが少ないことです。
高すぎる枕は首や肩甲骨周りの筋肉に負担をかけ、マットレスが柔らかすぎたり硬すぎたりすると不自然な寝姿勢になります。
これにより、就寝中に血行不良が起こり、筋肉がこり固まって朝の痛みを引き起こすことがあります。
寝起きの肩の痛みについては「寝起きに肩が痛い原因と対処法」で詳しく紹介しています。
ストレッチをするとゴリゴリ音が鳴りますが、続けても問題ないですか?
ストレッチの際に痛みを感じなければ、ゴリゴリという音自体は特に心配ありません。
この音は、固まっていた筋肉や筋膜がこすれたり、関節内に溜まった気泡が弾けたりする音と考えられています。
ただし、動かしたときに鋭い痛みが走る場合は、炎症を起こしている可能性もあるため、無理に動かさず中止してください。
肩回しでゴリゴリ鳴る原因については「肩回しでゴリゴリ鳴る原因と対処法」で詳しく紹介しています。
まとめ
肩甲骨内側のしつこいこりは、主に菱形筋などの筋肉が、猫背や巻き肩といった生活習慣によって疲労することで生じます。
日々のセルフケアとして、原因となっている筋肉を伸ばすストレッチや、肩甲骨の動きを良くするエクササイズが有効です。
また、こりを繰り返さないためには、正しい姿勢を意識することが重要です。
ただし、痛みが長引く場合や、しびれ・息苦しさなど他の症状を伴う場合は、内臓や首の病気の可能性も考えられるため、早めに医療機関を受診してください。
もし、肩こりをいますぐにでも改善したいとお考えの方には、筋膜整体に特化した理学ボディがおすすめです。
理学ボディでは、筋膜整体を専門に扱い、肩こりや体の不調を根本から改善に導きます。痛みを早期に軽減し、再発を防ぐための施術を理学療法士が行いますので、安心してお任せください。
詳細や予約については、下記の店舗ページをご覧いただき、最寄りの店舗をチェックしてみてください。
投稿者プロフィール

- 理学療法士/WEBメディア編集長
- 10年以上の医療・介護の現場経験を経て独立。著書に6刷を達成した『高齢者のからだ図鑑』など(Gakken出版)。現在は、東京都の高齢福祉事業にも従事。さまざまな現場経験をもとに、執筆・WEB発信・大学での講師業など分野問わず活動中。


木城先生















